地球のダイナミックな活動を示す火山地帯では、溶岩流だけでなく、砕かれた岩石の破片からなる火山砕屑岩(かざんさいせつがん)が重要な役割を果たしています。これらは火山岩の破片(砕屑物)で構成される地質材料の総称であり、その形成プロセスや運搬経路、堆積環境は多岐にわたります。
火山砕屑岩は、多くの火山において溶岩流よりも大きな体積を占めることがあり、地質学的記録における全堆積物の最大3分の1を占めていると考えられています。米国地質調査所(USGS)などの定義では、特に元の場所からある程度の距離を運ばれた火山岩片からなる岩石を指す場合もありますが、広義には火砕岩やテフラ、泥流(ラハール)なども含まれます。
Key Facts
- 広範な構成: 火山砕屑岩は、爆発的な噴火による火砕物から、風化・浸食による二次的な堆積物まで幅広く含む。
- 圧倒的な体積: 多くの火山において、溶岩流よりも火山砕屑物の体積の方が大きい。
- 堆積への寄与: 地球の地質学的記録における堆積物の最大約33%を占める可能性がある。
- 多様な分類: 形成過程に基づき、一次的な堆積物(火砕岩など)と二次的な堆積物(エピ火山砕屑岩)に大別される。
火山砕屑岩の主要な分類と形成メカニズム
火山砕屑岩は、その破片がどのようにして作られたかによって、大きくいくつかのカテゴリーに分けられます。
1. 火砕岩(Pyroclastic)
爆発的な火山活動によって放出された粒子で構成されます。噴火口から個別の粒子として噴出されたもので、周囲の岩石が巻き込まれたものも含まれます。固結していない状態のものはテフラと呼ばれ、時間をかけて固まったものは火砕岩と呼ばれます。また、マグマと水の界面で生成される特殊なケースとして、水砕砕屑物(Hydroclastic material)が存在します。

2. オートクラスト(Autoclastic)
溶岩が移動する際、あるいは固化する過程で自ら砕けて形成される材料です。具体的には、噴火口内で砕かれたが噴出されなかった破片や、溶岩流内部でのガス爆発、溶岩ドームやスパイン(溶岩柱)の重力崩壊によって生じます。アア溶岩に見られる底面や上面の角礫岩(ブレッチャ)がその代表例です。

3. アロクラスト(Alloclastic)およびその他の材料
既存の火成岩が、地下の火成活動(マグマの貫入を伴う場合と伴わない場合がある)によって砕かれたものをアロクラストと呼びます。また、火山岩地帯の断層運動によって生じた断層ガウジ(粘土状の破砕岩)も、広義の火山砕屑岩に含まれます。
4. エピ火山砕屑岩(Epivolcaniclastics)
火山岩が地表に出た後、風化や浸食という二次的なプロセスを経て形成された砕屑物(エピクラスト)を多く含む堆積物です。
混合型の堆積物とその複雑性
自然界では、一次的な火砕物と二次的なエピクラストが混在しているケースが多く見られます。例えば、河川や湖沼などの環境で火砕物が再堆積したり、非火山性の堆積物と混ざり合ったりした場合です。このような岩石は分類が困難であるため、シンプルに「火山砕屑岩」と記述されることが一般的です。
ニューメキシコ州のエスピナソ層(Espinaso Formation)は、火砕物と火山性エピクラストが複雑に混ざり合った代表的な例です。

また、イエローストーン国立公園のウォッシュバーン層(Washburn Group)には、再堆積した火山灰や火山性エピクラストによる泥流堆積物が含まれています。

これらの混合堆積物は、一般的に砕屑物の平均粒径と、火砕物が占める割合によって分類されます。

火山砕屑岩の粒径と組成による分類まとめ
以下の表は、砕屑物のサイズと火砕物の含有率に基づいた分類を示しています。
| 平均粒径 (mm) | 火砕物 75–100% (火砕岩) | 火砕物 25–75% (タフィト) | 火砕物 0–25% (エピクラスト) |
|---|---|---|---|
| > 64 | 凝灰角礫岩 / アグロメレート | 凝灰角礫岩 (Tuffaceous breccia) | 角礫岩 / 礫岩 |
| 2 – 64 | ラピリ岩 | 凝灰粗粒砂岩 | 砂岩 |
| 0.0625 – 2 | 粗粒凝灰岩 | 凝灰砂岩 | 砂岩 |
| 0.004 – 0.0625 | 細粒凝灰岩 | 凝灰シルト岩 | シルト岩 |
| < 0.004 | - | 凝灰泥岩 / 凝灰頁岩 | 泥岩 / 頁岩 |
Frequently Asked Questions
火山砕屑岩と火砕岩の違いは何ですか?
火砕岩は、爆発的な噴火によって直接放出された粒子が固まったものであり、火山砕屑岩という大きなカテゴリーの中の一つの分類に過ぎません。火山砕屑岩には、火砕岩だけでなく、溶岩が自壊してできたオートクラストや、風化・浸食でできた二次的な堆積物も含まれます。
テフラとは具体的に何を指しますか?
テフラとは、火山噴火によって空中に放出され、地表に堆積した未固結の砕屑物の総称です。これらが地質学的な時間をかけて固結すると、火砕岩(凝灰岩など)になります。
オートクラストはどのようにして形成されますか?
溶岩が流動する際の内部的なガス爆発や、溶岩ドームが自重で崩壊することによって、固い溶岩が砕けて形成されます。アア溶岩の表面や底面に見られる角礫状の岩石が典型的な例です。
エピ火山砕屑岩とはどのようなものですか?
火山岩が噴出した後、雨風による風化や河川による浸食を受け、再び堆積してできた岩石のことです。つまり、火山活動による直接的な堆積ではなく、その後の地質学的プロセス(二次的プロセス)を経て形成されたものです。
タフィト(Tuffite)とは何ですか?
火砕物(凝灰岩成分)と、通常の堆積物(砂や泥など)が混ざり合った岩石のことです。火砕物の含有率が概ね25%から75%の範囲にある混合型の堆積物を指します。
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