南太平洋の島国バヌアツの首都ポートビラには、国の知的遺産を保護し、次世代へと受け継ぐ重要な施設があります。それがバヌアツ国立図書館(Bislama名:Vanuatu Nasonal Laebri / フランス語名:Bibliotheque Nationale du Vanuatu)です。ここは単なる本の貸出施設ではなく、バヌアツのアイデンティティを形作る貴重な資料の保管庫としての役割を担っています。

主要な事実(Key Facts)

  • 設立:2004年4月
  • 所在地:ポートビラ、バヌアツ文化センター内
  • 蔵書数:30,000冊以上
  • 主な役割:希少資料の国立保存、ポートビラ公共図書館の管理、国立アーカイブの運営
  • 特筆事項:バヌアツおよび太平洋地域に関する専門コレクションを保有

歴史的変遷:文化センターから国立図書館へ

この施設のルーツは、1955年にまで遡ります。当時、バヌアツを統治していたイギリスとフランスの両政府は、1906年の英仏協定締結50周年を記念して文化センターを設立することを決定しました。1962年にメインストリートにオープンしたこのセンターには、当初から博物館、会議室、そして図書館が併設されていました。

1980年の独立後、ポートビラ公共図書館が実質的な国立図書館として機能し、バヌアツの歴史に関する小規模なコレクションが蓄積されていきました。その後、公共向けの貸出機能と、国家的な資料保存機能という2つの異なる役割を明確に分けるため、2004年にバヌアツ文化センター複合施設内に正式に「バヌアツ国立図書館」が設立されました。

さらに、2007年9月からは国立アーカイブ(国家記録保管所)の保存と開発、セキュリティ管理の責任も担うことになります。そして2013年11月、バヌアツ文化センターの再整備に伴い、国立アーカイブと共に新設された2階建ての近代的な建物へと移転しました。

貴重なコレクションと専門資料

バヌアツ国立図書館は、一般向けの蔵書に加え、学術的価値の高い2つの「特別コレクション」を管理しています。一つはバヌアツ国内に特化したもので、もう一つは太平洋地域の他諸国に関する資料を集めたものです。

特にバヌアツに関するコレクションには、約500点に及ぶ希少本が含まれています。これらの「希少・特別資料」の内容は多岐にわたり、以下のような分野を網羅しています。

  • 人類学および考古学に関する研究資料
  • 芸術作品および美術リファレンス
  • 自叙伝や伝記などの個人記録
  • バヌアツの多様な言語に関する膨大な著作群
  • キリスト教伝道史や口承伝統(オーラルヒストリー)
  • 政治・歴史・文化的な公的記録、日記、新聞、定期刊行物

現在はネリー・カレブ(Nelly Caleb)氏が首席司書として、これらの貴重な知的資産の管理を統括しています。

施設概要まとめ

バヌアツ国立図書館の基本情報
項目 詳細内容
設立年 2004年(前身となる文化センター図書館は1962年)
蔵書規模 30,000冊以上(うち希少資料 約500点)
管理範囲 国立図書館、国立アーカイブ、ポートビラ公共図書館
主要コレクション バヌアツ専門資料、太平洋地域資料、一般蔵書
所在地 ポートビラ(バヌアツ文化センター内)

よくある質問(FAQ)

バヌアツ国立図書館はどこにありますか?

首都ポートビラのメインストリート沿いにあるバヌアツ文化センターの複合施設内に位置しています。

どのような資料が保管されていますか?

一般書に加え、バヌアツの言語、歴史、人類学、考古学、口承伝統などの希少な専門資料や、国立アーカイブの公的記録が保管されています。

公共図書館としての機能はありますか?

はい。国立図書館は、地域住民が利用するポートビラ公共図書館の管理責任も担っており、貸出機能を提供しています。

国立アーカイブとは何ですか?

国家の重要な公文書や歴史的記録を長期的に保存・管理する施設のことです。2007年より国立図書館がその運営と保存を管理しています。

どのような専門コレクションがありますか?

主に「バヌアツに関するコレクション」と「太平洋地域の他地域に関するコレクション」の2つの特別コレクションが設けられています。