ナポリ・ロリエンターレ大学:欧州最古の東洋研究の殿堂
イタリアのナポリに位置するナポリ・ロリエンターレ大学(Università degli Studi di Napoli "L'Orientale")は、非欧州圏の言語と文化研究においてイタリアを代表する権威ある公立大学です。1732年の創立以来、アジア文化や言語の研究において世界トップクラスの地位を築いており、世界各国の教育機関と強固な研究ネットワークを形成しています。
Key Facts
- 創立年: 1732年(欧州大陸で最古の中国学・東洋学研究機関)
- 所在地: イタリア、ナポリ
- 学生数: 11,164人(2017年時点)
- 専門分野: 非欧州圏の言語、文化、社会科学
- 教育規模: 50以上の言語を教授
歴史的背景と創設の経緯
本学のルーツは、18世紀初頭の清朝中国における開国的な気風にあります。当時の康熙帝の宮廷で画家や銅版画家として活躍したナポリ出身の宣教師マッテオ・リパが、1711年から1723年にかけて中国で活動し、帰国時に4人の中国人キリスト教徒を伴ってナポリに戻ったことが始まりでした。
彼ら中国人教師を中心として、宣教師に中国語を教え、中国への布教を促進することを目的とした「中国学院(Collegio de' Cinesi)」が1732年に教皇クレメンス12世の承認を得て設立されました。これが現在のロリエンターレ大学の原型です。当初は宣教師のための教育機関でしたが、次第に中国語や中国文化に関心を持つ欧州人にも門戸を開き、西洋における東洋知見の普及に大きく貢献しました。

近代における変遷と拡大
1861年のイタリア統一後、大学は「王立アジア学院(Real collegio asiatico)」へと移行し、中国語だけでなくロシア語、ヒンドゥスターニー語、ペルシャ語などがカリキュラムに導入されました。その後、世俗的な教育機関へと脱皮し、研究対象をアフリカ諸語や現代の欧州諸言語へと広げ、現在では50を超える多様な言語を教える総合的な言語研究拠点へと進化を遂げました。
キャンパスと施設
大学の象徴的な施設の一つに、1732年に建設され1814年に改修された「中国人の聖家族教会(Sacra Famiglia dei Cinesi)」があります。内部にはアントニオ・サルネッリによる聖家族の祭壇画や、ジュゼッペ・サンマルティーノの彫刻など、貴重な芸術作品が数多く収蔵されています。
1932年からはパッツォ・ジュッソ(Palazzo Giusso)を本部としていますが、イタリアの多くの大学と同様に、市街地の複数の拠点に施設が分散しています。主な教育施設には、歴史地区のパッツォ・コリグリアーノや、元修道院を利用したサンタ・マリア・ポルタ・チェリ、そしてヴィア・マリーナにあるパッツォ・メディテラネオが含まれます。
学術組織とリソース
大学は以下の3つの学部(デパートメント)で構成されています。
- アジア・アフリカ・地中海学部
- 人間・社会科学学部
- 文学・言語・比較研究学部
また、パッツォ・コリグリアーノにあるマウリツィオ・タッデイ図書館には、6万冊を超える古書が保管されており、研究者の重要なリソースとなっています。
大学概要まとめ
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 大学種別 | 公立大学 |
| 現学長 | ロベルト・トットリ |
| 主要学部 | アジア・アフリカ・地中海 / 人間・社会科学 / 文学・言語・比較研究 |
| スポーツチーム | CUS Napoli |
| 公式サイト | www.unior.it |
Frequently Asked Questions
ロリエンターレ大学の最大の特徴は何ですか?
欧州大陸において最古の中国学および東洋学の研究機関である点です。非欧州圏の言語と文化に特化したイタリア最大の大学として、世界的に高い評価を受けています。
大学はどのようにして設立されましたか?
宣教師マッテオ・リパが中国から連れ帰った中国人教師たちと共に、宣教師に中国語を教えるための「中国学院」を設立したことが始まりです。
現在、どのような言語を学ぶことができますか?
アジアやアフリカの言語をはじめ、現代の欧州諸言語など、50以上の多様な言語が教授されています。
キャンパスは一箇所にまとまっていますか?
いいえ。パッツォ・ジュッソを本部としていますが、パッツォ・コリグリアーノやパッツォ・メディテラネオなど、ナポリ市内の複数の拠点に施設が分散しています。
図書館にはどのような資料がありますか?
マウリツィオ・タッデイ図書館には、6万冊以上の貴重な古書が所蔵されており、学術研究に活用されています。