1990年代後半のイギリス音楽界は、アイドルグループの爆発的な人気と、個性の強いソロアーティスト、そして多様な音楽ジャンルが複雑に絡み合うエネルギッシュな時代でした。特に1998年は、既存のスターがさらなる飛躍を遂げる一方で、新たな才能がチャートを席巻し、音楽的な多様性が広がった年として記憶されています。
Key Facts
- 年間最大のヒット曲: シェールの「Believe」が150万枚以上のセールスを記録し、年間1位を獲得。
- アルバムチャートの覇者: The Corrsの『Talk on Corners』が年間売上1位(約167万枚)を記録。
- ソロの台頭: ロビー・ウィリアムズがアルバム2作で1位を獲得し、ソロとしての地位を確立。
- リミックスの流行: Run-D.M.C.の楽曲リミックスなどがチャートを席巻し、ダンスミュージックの影響が強まった。
- 象徴的な出来事: 5月にジェリ・ハリウェルがスパイスガールズからの脱退を発表。
ボーイズ&ガールズグループの動向
1998年は多くのボーイズグループが活動していましたが、チャートの頂点を極めるのは容易ではありませんでした。その中で際立っていたのがBoyzoneです。彼らは「All That I Need」と「No Matter What」の2曲で1位を獲得し、特に後者はミュージカル作品からの提供曲として107万枚を超える大ヒットとなりました。また、アルバム『Where We Belong』でも首位に立ち、グループとしての全盛期を迎えました。
一方、アメリカのBackstreet Boysは「All I Have To Give」で2位まで登り詰めましたが、この年の中盤以降はリリースを控え、次なる展開への準備期間となりました。
国内外のソロアーティストとグループの躍進
イギリス国内では、元Take Thatのロビー・ウィリアムズが圧倒的な存在感を放ちました。デビューアルバム『Life Thru a Lens』が再びチャートを駆け上がり1位に到達したほか、2ndアルバム『I've Been Expecting You』でも首位を獲得。シングル「Millennium」で初の1位を記録し、アルバムは270万枚を超える驚異的な売上を達成しました。
アイルランドの家族バンド、The Corrsも絶大な支持を集めました。アルバム『Talk on Corners』は10週間にわたってチャート1位を維持し、270万枚以上のセールスを記録。そこから生まれた「Dreams」などのシングルも次々とトップ10入りを果たしました。
海外勢では、マドンナがダンスミュージックを取り入れたアルバム『Ray of Light』で成功を収め、シングル「Frozen」でイギリス国内8回目となるチャート1位を達成しました。また、デンマーク・ノルウェー出身のAquaは「Barbie Girl」に続き、「Doctor Jones」と「Turn Back Time」でも1位を獲得し、3連続首位という快挙を成し遂げました。
リメイクとリミックスの時代
既存の楽曲を現代的にアレンジした作品がチャートを賑わせたのもこの年の特徴です。1996年のサッカー欧州選手権のテーマ曲「Three Lions」は、ワールドカップに合わせて「Three Lions '98」として書き直され、オリジナルを上回る3週連続1位を記録しました。
また、Jason NevinsによるRun-D.M.C.の「It's Like That」のリミックスは、112万枚を売り上げて6週連続1位となり、当時無敵だったスパイスガールズの連続1位記録を止めるほどの衝撃を与えました。さらに、Cornershopの「Brimful of Asha」もNorman Cookによるリミックスを経て、インド音楽と西洋ロックを融合させたサウンドでチャート首位に登り詰めました。
多様なジャンルの共演とベスト盤の流行
音楽性はポップスにとどまらず、OasisやPulp、Massive Attackといったオルタナティブやエレクトロニック・ロック勢がアルバムチャートの上位を占めました。また、Jamiroquaiの「Deeper Underground」のようなアシッド・ジャズの影響を受けた楽曲も支持されました。
年末にかけては、豪華なベストアルバムが市場を支配しました。ジョージ・マイケルの『Ladies And Gentlemen – The Best of George Michael』は8週間にわたって1位を維持し、フィル・コリンズやU2のベスト盤と共にチャートを席巻しました。
1998年 主要音楽チャートまとめ
この年のヒット傾向をまとめた表です。
| カテゴリー | アーティスト / 作品名 | 記録・実績 |
|---|---|---|
| 年間シングル1位 | Cher 「Believe」 | 約152万枚の売上 |
| 年間アルバム1位 | The Corrs 『Talk on Corners』 | 約168万枚の売上 |
| 最多1位獲得(シングル) | B*Witched / Aqua / All Saints 等 | 複数の楽曲で首位獲得 |
| 最多1位維持(アルバム) | George Michael (ベスト盤) | 8週連続1位 |
Frequently Asked Questions
1998年に最も売れたシングルは何でしたか?
シェールの「Believe」です。151万9,371枚という圧倒的なセールスを記録し、年間のトップとなりました。
ロビー・ウィリアムズはこの年どのような成果を上げましたか?
アルバム『Life Thru a Lens』と『I've Been Expecting You』の2作でチャート1位を獲得し、シングル「Millennium」で初の1位を記録するなど、ソロアーティストとして頂点に立ちました。
スパイスガールズにどのような変化がありましたか?
1998年5月31日に、メンバーのジェリ・ハリウェルがグループからの脱退を表明しました。
リミックス曲がチャートに与えた影響は?
Run-D.M.C.のリミックス曲などが大ヒットし、それまでチャートを独占していたアイドルグループの勢いを止めるなど、ダンスミュージックの強い影響力が示されました。
BRIT Awards 1998で注目されたアーティストは?
The Verveが「British Group」や「British Album」など複数の部門で受賞し、All Saintsがシングルおよびビデオ部門で高い評価を受けました。
References
- Reached number 1 in 1999
- Reached number 5 in 1997
- Reached number 1 in 1997
- Reached number 1 in 1997
- Reached number 7 in 1999
- Reached number 3 in 1997
- Reached number 1 in 1997
- Reached number 1 in 1999