トリル(かつての名称はアベイル=トリル)は、世界的に有名なテーブルトークRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)』における中心的な舞台となる架空の惑星です。主に「フォーゴトン・レルム」として知られるキャンペーン設定の舞台であり、第5版D&Dにおけるデフォルトの世界として採用されています。設定上の古語では「生命の揺りかご」を意味し、多様な文化を持つ大陸や島々が点在する壮大な世界です。
この世界は、ゲームデザイナーのジェフ・グラブが個人で作成した世界観と、エド・グリーンウッドが1967年頃から構築していた「フォーゴトン・レルム」の設定が融合して誕生しました。当初はアルファベット順の索引で先頭に来るように「アベイル(Abeir)」という接頭辞が付けられていましたが、後の設定変更により、この名称には深い物語上の意味が持たされることになります。
Key Facts
- デフォルト設定: D&D第5版の標準的な世界として採用されている。
- 構成: フェイルーン、カラ=トゥール、ザカーラ、マズティカなど複数の大陸で構成される。
- 歴史的変遷: 「時の混乱」や「スペルプレイグ」といった大事件により、世界の構造や魔法の法則が劇的に変化した。
- 文化的多様性: 東アジア、中東、中南米などの現実世界の文化をファンタジー的に再解釈した地域が存在する。
- 人類の起源: マズティカの南に位置するカタシャカ大陸で人類が現れたとされる。
世界の変遷と歴史的背景
トリルの歴史は、単なる年表ではなく、ゲームエディションの進化と共に書き換えられてきました。1989年の「アバター三部作」で描かれた「時の混乱(Time of Troubles)」では、神々が地上に降り立ち、魔法が不安定になるという大激変が起こり、これが第2版のゲームプレイに永続的な影響を与えました。
さらに第4版では大胆な設定変更(リコン)が行われました。太古の昔に世界が二つに分かれ、神々の支配する「トリル」と原初の存在(プリモーディアル)が支配する「アベイル」になったという設定が導入されたのです。その後、「スペルプレイグ」という災厄によって両世界の一部が入れ替わり、さらに「サンダリング(大分離)」という出来事によって多くの地域が元の状態に復元されました。
トリルを構成する主要大陸
フェイルーン(Faerûn)
フォーゴトン・レルムの物語の大部分が展開される、最も詳細に設定された大陸です。多くの冒険者が訪れる中心地であり、多様な種族と国家がひしめき合っています。
カラ=トゥール(Kara-Tur)
中世の東アジア(日本、中国、朝鮮、チベットなど)をモデルにした地域です。1985年の『Oriental Adventures』で初めて登場し、後にトリルの東側に位置する大陸として統合されました。封建時代の日本を彷彿とさせる「コザクラ」や「ワ」、帝国時代の中国を模した「ショウ・ルン」など、現実の文化を反映した10の地域に分かれています。
マズティカ(Maztica)
アステカやマヤ文明にインスパイアされた、密林が広がる神秘的な大陸です。住民からは「真の世界」と呼ばれています。1361 DRにアムンの探検隊によって「発見」されましたが、外来の病気や侵略による悲劇的な歴史を抱えています。第4版の設定では、スペルプレイグの影響で一時的にトリルから消失し、「帰還したアベイル」に置き換わりました。
ザカーラ(Zakhara)
『千夜一夜物語』のようなアラビアンナイトの世界観を持つ半島地域です。「アル=カディム」設定の舞台であり、世界柱山脈(ウ・ピ・テ・シャオ)によって他の地域から隔離されています。高度な文明を誇る自負を持つ人々が住み、中心都市「フズズ」は歓楽の街として知られています。
アンコローム(Anchorome)
マズティカの北に位置する、ほとんど未踏の大陸です。排他的なポスカダル・エルフやアズポシなどが居住しており、創造種族であるアエアリーがかつて退却した地であるという説があります。
| 地域名 | モデル・テーマ | 主な特徴 |
|---|---|---|
| フェイルーン | 伝統的ハイファンタジー | 物語のメイン舞台であり、最も詳細な設定を持つ。 |
| カラ=トゥール | 中世東アジア | 日本や中国などの文化をベースにした多様な国家群。 |
| マズティカ | 中南米(メソアメリカ) | 密林と古代文明、侵略の歴史を持つ「真の世界」。 |
| ザカーラ | 中東(アラビアンナイト) | 山脈で隔離された、独自の文明を持つ半島地域。 |
| アンコローム | 未踏の地 | 北方の未知の大陸。創造種族の伝承が残る。 |
その他の地理的特徴
- 世界柱山脈(Wu Pi Te Shao): トリル最大の山脈であり、ザカーラを他の大陸から隔てています。
- ヤル=テングリ(Yal-Tengri): 北方の氷の海。夏の間は氷が解け、かつての巨人帝国の首都ジョトゥンが眠っていると言われています。
- セルーネの涙: 惑星の月であるセルーネに追従する小惑星群です。
批評と分析
トリルは、その圧倒的な情報量と多様な種族設定により、「極めて完成度の高い設定」として高く評価されています。一方で、非西洋圏の文化(カラ=トゥールやマズティカなど)の描写について、ステレオタイプを助長しているという批判もありました。これを受け、開発元のウィザーズ・オブ・ザ・コースト社は、デジタル製品に配慮事項(センシティビティ・ディスクレイマー)を追記し、問題のある表現から距離を置く姿勢を示しています。
Frequently Asked Questions
トリルとフォーゴトン・レルムの違いは何ですか?
トリルは「惑星の名前」であり、フォーゴトン・レルムはその惑星にある「フェイルーン大陸を中心とした設定(キャンペーン設定)」の名前です。つまり、トリルという世界の中に、フォーゴトン・レルムという地域があるという関係です。
アベイル=トリルという名称の由来は?
当初は、設定資料集の索引で先頭に来るように「Abeir-」という接頭辞が付けられました。しかし後の設定で、世界が「アベイル」と「トリル」という二つの世界に分かれていたという歴史が追加され、物語上の意味を持つようになりました。
カラ=トゥールにはどのような国がありますか?
封建時代の日本をモデルにした「コザクラ」や「ワ」、中国をモデルにした「ショウ・ルン」や「トゥ・ルン」、さらに朝鮮をモデルにした「コリョ」など、東アジアの歴史的地域を模した多様な国家が存在します。
マズティカは現在もトリルに存在しますか?
エディションによって異なります。第4版の「スペルプレイグ」によって一時的に消失し、別の地域(帰還したアベイル)に入れ替わりましたが、その後の「サンダリング」によって多くの地域が復元されました。
トリルの設定は現実の文化に基づいていますか?
はい。特にカラ=トゥール(東アジア)、ザカーラ(中東)、マズティカ(中南米)などは、現実の歴史や文化をファンタジー的にアレンジして構築されています。
References
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I know several folks (myself included) who transplanted Atlas Games' excellent Nyambe (with some tweaks), which also built off many of the old 2E articles in Dragon on African gaming, to the large undefined continent southwest of Nimbral and southeast of Maztica
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