映画『The Trap(La Gabbia)』作品解説:ルチオ・フルチが脚本に携わった愛憎劇
1985年に公開されたイタリア・スペイン合作映画『The Trap』(原題:La Gabbia)は、複雑な人間関係と情愛の罠を描いたエロティック・スリラーです。監督を務めたのはジュゼッペ・パトロニ・グリッフィ。特筆すべきは、イタリアン・ホラーの巨匠として知られるルチオ・フルチが脚本に参加している点です。豪華なキャストと名匠エニオ・モリコーネによる音楽が融合した、80年代イタリア映画の特異な一面を映し出す作品となっています。
Key Facts
- 公開日:1985年9月12日(イタリア)
- 監督:ジュゼッペ・パトロニ・グリッフィ
- 脚本協力:ルチオ・フルチ(監督を希望していたが病気のため断念)
- 音楽:エニオ・モリコーネ
- 主要キャスト:ローラ・アントネッリ、トニー・ムザンテ、フロリンダ・ボルカン
- 製作国:イタリア、スペイン
物語のあらすじ:逃れられない愛の三角形
物語の主人公は、イタリアで暮らす成功したアメリカ人実業家、マイケル・パーカーです。彼は恋人のエレーヌと共に生活していましたが、彼女が休暇で不在となった隙に、かつて情事を持っていた女性マリーと再び関係を持つことになります。
しかし、今回の再会は以前とは異なり、マリーはマイケルを容易に解放しようとはしません。さらに事態を複雑にするのが、マリーの若き娘ジャクリーヌの存在です。彼女までもがマイケルに惹かれ、逃げ場のない危うい愛の三角形(ラブトライアングル)へと発展していきます。
制作の舞台裏と波乱の経緯
本作は、映画製作者フランチェスコ・バリッリが執筆した『L'Occhio(眼)』という物語に基づいています。元々はバリッリ自身が監督することを計画していましたが、出資の確保に苦労したことや、プロデューサー側が主演にシェリー・ウィンターズを起用することを強く希望したため、計画を断念。結果として、アイデアをパトロニ・グリッフィに売却し、タイトルを『The Trap』に変更して製作されました。
また、脚本に名を連ねるルチオ・フルチは、本来であれば自ら監督を担いたいと考えていました。しかし、1984年末にウイルス性肝炎と肝硬変を患い、療養が必要となったため、監督席を譲ることになりました。フルチはこの経緯について、パトロニ・グリッフィが監督の機会を奪ったと感じ、不満を抱いていたと伝えられています。なお、フルチは回復後、数ヶ月後に似たテーマの作品『The Devil's Honey』を自ら監督しています。
作品データまとめ
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 原題 | La Gabbia |
| 上映時間 | 97分 |
| 言語 | イタリア語 |
| 音楽担当 | エニオ・モリコーネ |
| 主な出演者 | ローラ・アントネッリ、トニー・ムザンテ、フロリンダ・ボルカン |
公開後の反応と評価
イタリアでは1985年9月12日にミラノとトリノで公開され、翌日にはジェノバとローマでも上映されました。スペインでは『La jaula』というタイトルで公開され、イギリスでは『The Trap』、アメリカでは『Collector's Item』という名称でビデオ販売されました。
批評面では厳しい評価が多く、Paese Sera、L'Unita、Il Giorno、Il Giornale Nuovoといった主要メディアからは、あまり熱心ではない(不評な)レビューが寄せられました。また、原作者のバリッリ自身も、完成した映画に対して率直に否定的な意見を述べていたことで知られています。
Frequently Asked Questions
ルチオ・フルチはなぜ監督を務めなかったのですか?
フルチは1984年末にウイルス性肝炎と肝硬変を患い、健康上の理由から監督を務めることができなくなったためです。そのため、本作では脚本への寄与に留まりました。
この映画の音楽は誰が担当しましたか?
世界的に有名な作曲家であるエニオ・モリコーネが音楽を担当しています。
原作者のフランチェスコ・バリッリは作品をどう評価していましたか?
バリッリは完成した映画に対して非常に批判的であり、「率直に言って、この映画はひどい」という趣旨のコメントを残しています。
アメリカでリリースされた際のタイトルは何でしたか?
アメリカでは『Collector's Item』というタイトルでビデオリリースされました。
どのようなストーリー展開になっていますか?
イタリア在住のアメリカ人実業家が、恋人の不在中に元恋人と再会し、さらにその娘までもが彼に惹かれるという、複雑な愛憎劇が描かれています。