米国の大学やカレッジに携わる人々にとって、不可欠な情報源となっているのがThe Chronicle of Higher Educationです。教職員や学生支援の専門家、大学運営に携わる管理者向けに、最新のニュースやキャリア情報、学術的な議論を提供しています。単なるニュースサイトにとどまらず、米国のアカデミアにおける重要な論点を提示し続ける権威あるメディアとして知られています。
現在はウェブサイトと週刊紙の両方で展開されており、一部のコンテンツは購読制となっています。オンライン版は平日毎日更新され、印刷版は週刊で発行されています(ただし、夏季や年末には一部休刊期間があります)。印刷版は、ニュースを扱う「セクションA」、求人情報を掲載する「セクションB」、そして芸術や思想を深く掘り下げる雑誌「The Chronicle Review」の構成となっています。また、「Arts & Letters Daily」の出版も手がけています。

Key Facts
- 設立年:1966年
- 創設者:コービン・グウォルトニー(Corbin Gwaltney)
- 拠点:米国ワシントンD.C.
- 発行形態:週刊紙およびウェブサイト(タブロイド形式)
- 主な読者層:大学教授、教職員、大学行政担当者
- 発行部数:44,000部(2019年2月時点)
メディアの歩みと歴史
誕生のきっかけ:ムーンシューター・プロジェクト
このメディアの原点は、1957年にまで遡ります。ジョンズ・ホプキンス大学の同窓会誌編集長だったコービン・グウォルトニーは、他大学の編集者らと共に、高等教育の課題を多角的に調査する共同プロジェクトを立ち上げました。ちょうど世界初の人工衛星スプートニクが地球を周回した日に始動したため、この計画は「ムーンシューター(Moonshooter)」と名付けられました。この補完的なレポートは大きな反響を呼び、3年目には発行部数が300万部を超える成功を収めました。
独立した専門誌への発展
グウォルトニーは、高等教育分野には専用のニュース出版物が不可欠であると確信し、1966年に正式に「The Chronicle of Higher Education」を創刊しました。当初はカーネギー財団やフォード財団からの助成金で運営されており、広告の掲載や編集上の主観的な意見の提示は行っていませんでした。これは、一般市民に高等教育の実態を正確に伝えるという理念に基づいたものでした。
非営利から営利企業への転換
1970年代に入ると、特に求人広告の需要が高まり、自立した経営が可能となりました。1978年、運営母体であったEPE(Editorial Projects in Education)は、編集チームに200万ドルの現金と50万ドル相当のサービス提供を条件に、同紙を売却しました。これにより、The Chronicleは非営利団体から営利企業へと移行しました。なお、この売却後、EPEはK-12(幼稚園から高校まで)の教育に注力し、1981年には「Education Week」を創刊しています。
ジャーナリズムとしての評価と実績
The Chronicleは、その鋭い分析と調査報道で数多くの賞を受賞しています。2005年には、学位工場(Diploma Mills)や盗作に関する特別レポートがナショナル・マガジン・アワードのファイナリストに選出されました。また、批評部門ではカールリン・ロマーノ記者がピューリッツァー賞のファイナリストとなるなど、個々の記者による質の高い報道が評価されています。
特に「The Chronicle Review」セクションは、政治的な分断を超えて、アカデミアの知性が自由に議論を戦わせる場として高く評価されており、2007年にはUtne Reader Independent Press Awardを受賞しました。また、大学スポーツの調査報道や、教育格差をテーマにしたシリーズ記事など、社会的な影響力の強いコンテンツを継続的に提供しています。
基本データまとめ
| 項目 | 詳細内容 |
|---|---|
| 運営組織 | The Chronicle of Higher Education Inc. |
| 編集責任者 | マイケル・G・ライリー(編集長) |
| スタッフ規模 | 従業員165名(うちフルタイムの記者・編集者は63名) |
| ISSN | 0009-5982 (印刷版) / 1931-1362 (ウェブ版) |
| デジタル展開 | 1993年にGopherサービスとしてインターネットへ進出 |
Frequently Asked Questions
The Chronicle of Higher Educationとはどのようなメディアですか?
米国の大学教員、スタッフ、管理者などの高等教育専門家を対象とした、ニュース、情報、求人を提供する週刊新聞およびウェブサイトです。
誰が創設したのですか?
1966年にコービン・グウォルトニーによって創設されました。もともとは大学雑誌の編集者たちが協力した「ムーンシューター・プロジェクト」という調査活動から発展しました。
記事を読むには料金がかかりますか?
一部の記事を閲覧するにはサブスクリプション(有料購読)が必要となります。
どのような内容が掲載されていますか?
大学運営に関する最新ニュースのほか、学術的な議論を扱う「The Chronicle Review」、そして高等教育分野の専門的な求人情報などが掲載されています。
どのような賞を受賞していますか?
ナショナル・マガジン・アワードのファイナリスト選出や、Utne Reader Independent Press Awardの受賞、また教育記者協会(EWA)からの表彰など、数多くのジャーナリズム賞を受けています。
References
- "About The Chronicle of Higher Education" Archived September 5, 2010, at the , Chronicle of Higher Education website
- "Advertising". . June 30, 2013. Archived from the original on December 17, 2018. Retrieved November 13, 2013.
- "Education: The Candid Chronicle". . May 13, 1974. Archived from the original on February 17, 2010. Retrieved March 29, 2010.
- De Pasquale, Sue (April 2000). "A Model of Lively Thought". Johns Hopkins Magazine. . Archived from the original on July 23, 2012. Retrieved March 30, 2010.
- Cf. Baldwin, Joyce (2006)
- Cf. Baldwin, Patricia L. (1995)
- "Editorial Projects in Education: Mission and History" Archived July 13, 2013, at the , website.
- Cf. AAUP Bulletin, Vol. 52, No. 3 (September 1966), .
- "Chronicle of Higher Education". . September 12, 2010.
- Viadero, Debra, Education Week: "A Media Organization With Many Faces" Archived June 15, 2013, at the , , September 6, 2006