1960年代後半から70年代にかけて、アメリカの家庭に笑いを届けた金字塔的な番組があります。それがキャロル・バーネット・ショーです。CBSで放送されたこの番組は、単なるバラエティの枠を超え、洗練されたスケッチコメディ(短い寸劇形式の喜劇)のスタイルを確立し、後世のコメディ番組に多大な影響を与えました。
主演のキャロル・バーネットは、番組開始前からすでにテレビ界のベテランであり、その卓越した演技力とコメディセンスを武器に、自身の名を冠したこのショーを11シーズンにわたって牽引しました。
Key Facts
- 放送期間:1967年9月11日から1978年3月29日まで(全279エピソード)
- 主な受賞歴:プライムタイム・エミー賞を計25回受賞
- 評価:Time誌の「史上最高のテレビ番組100選」やVariety誌のランキングに選出されるなど、歴史的高評価を得ている
- 形式:マルチカメラ方式で撮影されたコメディ・バラエティ番組
番組の成り立ちと黄金時代
キャロル・バーネットは1955年からテレビ出演を始めており、『ザ・ギャリー・ムーア・ショー』などの出演を経て、CBSと10年契約を結んでいました。この契約に含まれていたオプションを行使したことで、彼女自身の冠番組が誕生しました。
番組の成功を支えたのは、個性の強いキャスト陣との化学反応です。初期メンバーのハーヴェイ・コーマン、ヴィッキー・ローレンス、ライル・ワグナーに加え、後にレギュラーとなったティム・コンウェイらが、絶妙な掛け合いで視聴者を魅了しました。

放送開始当初は月曜夜に放送されていましたが、その後水曜、そして土曜夜へと枠を移しました。特に土曜夜の放送帯では、『オール・イン・ザ・ファミリー』や『M*A*S*H』といった当時の人気番組と並び、強力なラインナップの一角として高い視聴率を維持しました。
笑いの真髄:キャラクターと名スケッチ
本番組の最大の魅力は、キャロルが演じ分ける多彩なキャラクターにありました。特に、強烈な個性を放つ「ユーニス」や、掃除婦の「チャーウーマン」などの役どころは、今なお語り継がれる伝説的なキャラクターです。


また、映画のパロディにも挑戦し、1976年に放送された『風と共に去りぬ』のパロディスケッチ「Went with the Wind!」は、番組史上最も高く評価された作品の一つとして知られています。

番組の演出面では、台本にないアドリブや、出演者が笑いを堪えきれずに崩れてしまう瞬間さえも魅力として取り入れ、ライブ感あふれる笑いを提供しました。

キャストの変遷と番組の終焉
長年にわたり安定した人気を誇りましたが、キャストの交代や視聴率の変動という転換期も訪れました。10年間にわたり共演したハーヴェイ・コーマンが自身の番組を持つために脱退し、後任として名優ディック・ヴァン・ダイクが加入しましたが、相性の問題から短期間での交代となりました。

最終的に、キャロル自身が毎週の過酷な制作スケジュールに疲弊したこと、そして時代の流れとともにバラエティ形式の番組が衰退しつつあると感じたことから、自らの意思で番組を終了させる決断を下しました。1978年3月29日、2時間の特別番組をもって、11年にわたる快進撃に幕を閉じました。
番組概要まとめ
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| ジャンル | コメディ・バラエティ / スケッチコメディ |
| 放送局 | CBS(アメリカ) |
| シーズン数 / エピソード数 | 11シーズン / 279エピソード |
| 主要キャスト | キャロル・バーネット、ハーヴェイ・コーマン、ヴィッキー・ローレンス、ティム・コンウェイ 他 |
| 主な受賞 | プライムタイム・エミー賞 25回 |
後世への影響とリバイバル
番組終了後も、その影響力は衰えませんでした。特定のスケッチから派生した『ママズ・ファミリー』などのスピンオフ作品が制作されたほか、過去の映像を再編集した『キャロル・バーネット・アンド・フレンズ』がシンジケート放送され、新たな世代に届けられました。
また、2010年代以降はDVDボックスセットの発売やストリーミング配信が始まり、かつて法的な問題で公開されていなかった初期シーズンのエピソードも、ようやく視聴者が手に取ることができるようになりました。
Frequently Asked Questions
番組が終了した理由は何ですか?
キャロル・バーネット本人が、毎週の制作による疲労を感じていたこと、またコメディ以外の演技に挑戦したいという意向があったためです。さらに、バラエティ番組という形式自体が時代遅れになりつつあると感じ、番組が打ち切られる前に自ら終了させる道を選びました。
エミー賞をどれくらい受賞しましたか?
本番組は、その卓越したクオリティが認められ、プライムタイム・エミー賞を合計25回受賞しています。
どのような形式の番組でしたか?
音楽や歌、そして短い寸劇(スケッチ)を組み合わせたバラエティ形式です。特に、特定のキャラクターを演じるスケッチコメディが中心となっていました。
後にスピンオフ作品は作られましたか?
はい。番組内の「ファミリー」スケッチが人気を博し、1982年のテレビ映画『ユーニス』を経て、1983年から1990年まで放送されたシットコム『ママズ・ファミリー』へと発展しました。
現在でも視聴する方法はありますか?
Time-Life社から発売されたDVDコレクションのほか、Shout! Factoryなどのストリーミングプラットフォームや、米国のMeTVなどで放送・配信されています。
References
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