オーストラリアのメルボルンに本拠を置くThe Ageは、同国の「記録新聞(newspaper of record)」として高く評価されている日刊紙です。1854年の創刊以来、鋭い調査報道で知られ、オーストラリアで最も権威あるジャーナリズム賞であるウォークリー賞を数多く受賞してきました。時代の変遷とともに、形式をブロードシートからコンパクト版へと変更し、現在はデジタル時代への適応を進めています。
Key Facts
- 創刊日: 1854年10月17日
- 本拠地: オーストラリア、メルボルン
- 現在の所有者: Nine Entertainment
- 読者数: 455万人(2024年9月時点)
- 主な実績: 数多くのウォークリー賞を受賞した質の高い調査報道
創刊から黄金時代へ:サイム家の影響
The Ageは、ジョン・クック、ヘンリー・クック、ウォルター・パウエルの3人の実業家によって設立されました。創刊当初は苦戦しましたが、1856年にスコットランド出身のエベネザー・サイムとジェームズ・マキューアンが買収したことで転機を迎えます。

サイム家のもとで、同紙は自由主義的な政治姿勢を明確にし、市民権の拡大や商業・宗教の自由を支持しました。1891年にエベネザーが単独所有者となると、ビクトリア州を代表する新聞へと急成長し、1890年には1日10万部を販売する世界的に成功したメディアとなりました。
時代の波と編集方針の転換
20世紀前半、近代化の遅れから一時的に市場シェアを落としましたが、1948年の株式会社化による設備投資で体制を立て直しました。その後、1960年代にグラハム・パーキンが編集長に就任すると、編集方針は「左派リベラル」へと大きく舵を切ります。人種問題、ジェンダー、環境保護、死刑制度への反対など、社会的な課題に積極的に取り組むスタイルを確立しました。

この時期、同紙は労働党のガフ・ウィトラム政権を支持しましたが、盲目的な支持ではなく、政権崩壊の一因となった「ローン事件」を暴くなど、厳しい監視役としての機能も果たしました。
所有構造の変化と現代の展開
1970年代から80年代にかけて、The Ageはフェアファックス社(Fairfax Media)の傘下に入り、シドニー・モーニング・ヘラルドとの連携を強めました。その後、2018年にはNine Entertainment Co.との合併により、オーストラリア最大級のメディアグループの一員となっています。
物理的な拠点も時代とともに変化しました。長年親しまれたスペンサーストリートの社屋から、2009年にはコリンズストリートへ、そして現在はNine Entertainmentの拠点であるバークストリートへと移転しています。


ジャーナリズムの質と社会的責任
The Ageは、単なるニュース配信にとどまらず、高度なデータ分析に基づいた「Resolve Political Monitor」などの世論調査を実施し、政治分析の基準を提供しています。また、2016年には銀行業界の不正を報じたアデル・ファーガソン記者がゴールド・ウォークリー賞を受賞するなど、権力監視の役割を担い続けています。
一方で、2014年には誤報により無実の人物を犯人と報じた事例があり、和解金としてモスク建設に寄付を行うなど、報道責任への向き合い方も問われてきました。
The Age 基本データまとめ
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 形式 | コンパクト版(旧ブロードシート) |
| 現在の編集長 | パトリック・エリゲット(2023年就任) |
| ISSN | 0312-6307 |
| 主要受賞歴 | ウォークリー賞(多数) |
| ウェブサイト | theage.com.au |
Frequently Asked Questions
The Ageはどのような政治的傾向を持っていますか?
歴史的に自由主義(リベラル)な傾向が強く、特に1960年代以降は人権や環境問題に注力する左派リベラルな姿勢を鮮明にしました。選挙においても、近年は多くの場合で労働党を支持しています。
ウォークリー賞とは何ですか?
オーストラリアで最も権威のあるジャーナリズム賞であり、優れた報道を行った記者やメディアに贈られます。The Ageの記者は、銀行業界の不正告発などでこの賞を何度も受賞しています。
現在の所有者はどこですか?
2018年の合併を経て、現在はNine Entertainment Co.が所有しています。
過去に女性の編集長はいましたか?
はい。2020年にゲイ・アルコーンが就任し、同紙史上初の女性編集長となりました。
読者数はどのように推移していますか?
2020年3月時点では月間540万人でしたが、2024年9月時点では455万人に減少しており、メディア消費のデジタルシフトの影響が見て取れます。
References
- Corey Frost; Karen Weingarten; Doug Babington; Don LePan; Maureen Okun (30 May 2017). The Broadview Guide to Writing: A Handbook for Students (6th ed.). Broadview Press. pp. 27–. . Archived from the original on 29 June 2023. Retrieved 9 March 2020.
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- "David Hicks is no hero but the case for freeing him is just". The Age. 30 December 2007. Archived from the original on 19 January 2019. Retrieved 18 January 2019.
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