複雑なシステムの開発や運用を効率的に進めるためには、体系化されたアプローチが不可欠です。本標準では、プロジェクトを成功に導くための30のプロセスを定義しており、これらは役割と目的に応じて4つの主要なカテゴリーに分類されています。
各プロセスは、単なる手順書ではなく、「目的(Purpose)」「成果(Outcomes)」「活動(Activities)」という3つの要素で構成されています。さらに、具体的な活動は詳細な「タスク」へと分解されており、実務レベルでの適用が可能な構造となっています。
主要なポイント
- 全30のプロセスが、4つの機能的なカテゴリーに整理されている。
- 合意、組織支援、技術管理、そして実務的な技術プロセスの4層構造である。
- 各プロセスは目的・成果・活動(およびタスク)によって厳格に定義されている。
プロセスの4大カテゴリー詳細
1. 合意プロセス(Agreement Processes)
外部組織との契約や調達に関する合意形成を担うカテゴリーです。主に以下の2つのプロセスで構成されます。
- 調達プロセス(clause 6.1.1):必要なリソースやサービスの獲得を管理します。
- 供給プロセス(clause 6.1.2):提供側として製品やサービスを納入する流れを管理します。
2. 組織的プロジェクト有効化プロセス(Organizational Project-Enabling Processes)
個別のプロジェクトが円滑に機能するための基盤や環境を整備する、組織レベルの支援プロセスです。以下の6項目が含まれます。
- ライフサイクルモデル管理(clause 6.2.1)
- インフラストラクチャ管理(clause 6.2.2)
- ポートフォリオ管理(clause 6.2.3)
- 人的資源管理(clause 6.2.4)
- 品質管理(clause 6.2.5)
- ナレッジ管理(clause 6.2.6)
3. 技術管理プロセス(Technical Management Processes)
プロジェクトの進行を制御し、計画通りに目標を達成するための管理手法を定義した8つのプロセスです。
- プロジェクト計画(clause 6.3.1)
- プロジェクト評価およびコントロール(clause 6.3.2)
- 意思決定管理(clause 6.3.3)
- リスク管理(clause 6.3.4)
- 構成管理(clause 6.3.5)
- 情報管理(clause 6.3.6)
- 計測プロセス(clause 6.3.7)
- 品質保証(clause 6.3.8)
4. 技術プロセス(Technical Processes)
システムの概念設計から廃棄に至るまで、エンジニアリングの実務に直接関わる最も広範なカテゴリーであり、14のプロセスで構成されています。
- ビジネスまたはミッション分析(clause 6.4.1)
- ステークホルダーのニーズおよび要件定義(clause 6.4.2)
- システム要件定義(clause 6.4.3)
- アーキテクチャ定義(clause 6.4.4)
- 設計定義(clause 6.4.5)
- システム分析(clause 6.4.6)
- 実装(clause 6.4.7)
- 統合(clause 6.4.8)
- 検証(clause 6.4.9)
- 移行(clause 6.4.10)
- 妥当性確認(clause 6.4.11)
- 運用(clause 6.4.12)
- 保守(clause 6.4.13)
- 廃棄(clause 6.4.14)
プロセス構成のまとめ
本標準で定義されているプロセスの分布を以下の表にまとめます。
| カテゴリー名 | プロセス数 | 主な目的 |
|---|---|---|
| 合意プロセス | 2 | 外部との契約・調達の最適化 |
| 組織的プロジェクト有効化プロセス | 6 | 組織的な基盤・リソースの提供 |
| 技術管理プロセス | 8 | プロジェクトの計画・制御・品質維持 |
| 技術プロセス | 14 | システムの設計・開発・運用・廃棄の実務 |
Frequently Asked Questions
全プロセス数はいくつありますか?
合計で30のプロセスが定義されており、それらは4つのカテゴリーに分類されています。
各プロセスはどのような構成要素で定義されていますか?
すべてのプロセスは、「目的」「成果」「活動」の3つの要素で定義されており、さらに活動は具体的な「タスク」に細分化されています。
技術プロセスにはどのような内容が含まれますか?
ビジネス分析から始まり、要件定義、設計、実装、検証、運用、そして最終的な廃棄に至るまで、システムライフサイクルの全工程をカバーする14のプロセスが含まれています。
組織的プロジェクト有効化プロセスとは何ですか?
個別のプロジェクトが円滑に遂行できるよう、インフラ、人的資源、ナレッジ、品質管理などの組織的なサポート体制を整備するためのプロセス群です。
合意プロセスにはどのような種類がありますか?
「調達プロセス」と「供給プロセス」の2種類があり、外部組織とのやり取りを管理します。