鉱物資源を採取する方法は大きく分けて、地下にトンネルを掘り進める「坑道採掘」と、地表から直接アプローチする露天掘り(地表採掘)の2種類に分類されます。露天掘りは、目的の鉱床を覆っている土砂や岩石(オーバーバーデン:表土)を取り除き、地表を大きく開いて資源を回収する手法です。
北米では16世紀半ばから導入されており、特に20世紀に入ってから普及が進みました。現在、米国で生産される石炭の大部分はこの露天掘りによって供給されています。基本的には、大型の土木機械で表土を除去した後、専用の掘削機を用いて鉱物を抽出するというプロセスを辿ります。
Key Facts
- 露天掘りの定義:鉱床上の岩石や土壌(オーバーバーデン)を除去して資源を採取する手法。
- 主な用途:石炭や褐炭などのエネルギー資源、および様々な金属鉱物の採取。
- 代表的な設備:バケットホイール掘削機などの超大型機械が使用される。
- 環境への影響:地形の劇的な変化や水質汚染、生物多様性の低下などのリスクを伴う。
- 法的規制:米国では1977年の表面採掘管理および再生法(SMCRA)などで土地の復元が義務付けられている。
露天掘りの主要な種類と特徴
地表採掘は、鉱床の深さや形状、目的とする資源に応じていくつかの手法に分かれます。
ストリップマイニング(帯状採掘)
地表に近い位置に水平に広がる鉱床(主に石炭や褐炭)に適した手法です。細長い帯状に表土を除去し、資源を回収します。この手法では世界最大級の機械が投入され、例えばバケットホイール掘削機は1時間あたり最大12,000立方メートルの土砂を移動させる能力を持ちます。

オープンピット採掘(オープンキャスト)
広大な穴を掘り下げて資源を採取する方法で、金属鉱山などで広く採用されています。

山頂除去採掘(MTR)
山頂の下にある石炭層を採掘するため、爆薬を用いて山頂部分の岩石を物理的に取り除く極めて大規模な手法です。除去された土砂は近くの谷や窪地に投棄されるため、もともと険しかった地形が平坦化されます。回収可能な石炭層は地表から最大約120メートル(400フィート)の深さに及びます。
この手法で平坦化された跡地は、刑務所や空港、ゴルフ場、廃棄物処理場などの施設として再利用されるケースがあります。しかし、環境保護団体からは、地域コミュニティや生態系への甚大な被害が指摘されています。米国環境保護庁(EPA)の報告では、谷への土砂投棄により水中のミネラル濃度が上昇し、水生生物の多様性が低下したほか、1985年から2001年の間にアパラチア地方の河川約1,165kmが埋没したと推定されています。
ハイウォールマイニング
露天掘りの境界付近にある未回収の石炭を採取するための特殊な手法です。厳密には表土を除去しないため、地表採掘と地下採掘の中間的な「半地表・半地下」の手法と定義されます。油圧式のプッシュビーム転送機構(PTM)を備えた連続採掘機を用い、最大約370メートル(1,200フィート)まで掘り進めることが可能です。

最新のモデルではジャイロナビゲーションやビデオイメージング、ガンマ線センサーなどを活用し、地層の境界を正確に把握しながら掘削を行います。また、30度以上の急傾斜地での採掘も可能となっており、これらは「方向性採掘(Directional Mining)」とも呼ばれます。
輸送手段と環境への影響
資源の輸送
かつては人力や馬車、鉱山鉄道が主役でしたが、現代では鉱山内に設計された専用道路を走行する大型の運搬トラック(ホールトラック)が主流となっています。
環境負荷と法的規制
露天掘りは地形を根本的に変えるため、環境への負荷が避けられません。ハイウォールマイニングは山頂除去に比べれば表面への影響は小さいものの、爆破による騒音や大気汚染、また鉱山廃棄物(テイルズ)からの有害物質が水系に浸出するリスクがあります。

こうした問題に対処するため、各国政府は厳格な規制を設けています。米国では前述のSMCRAのほか、国家環境政策法(NEPA)や資源保存回復法(RCRA)などが適用され、採掘後の土地を元の状態に近づける「土地再生(リクレイメーション)」が求められています。

露天掘りの手法まとめ
| 手法 | 主な対象 | 特徴 | 環境負荷 |
|---|---|---|---|
| ストリップマイニング | 石炭・褐炭 | 帯状に表土を除去し水平に採掘 | 中〜高 |
| オープンピット | 金属鉱物など | 巨大な穴を掘り下げて採取 | 高 |
| 山頂除去(MTR) | 石炭 | 山頂を爆破・除去して平坦化 | 極めて高い |
| ハイウォールマイニング | 石炭 | 壁面から機械を挿入して採掘 | 比較的低い |
Frequently Asked Questions
露天掘りと坑道採掘の最大の違いは何ですか?
最大の違いは「表土(オーバーバーデン)の扱い」です。露天掘りは鉱床上の土砂や岩石を完全に取り除いて地表からアクセスしますが、坑道採掘は表土を残したまま、シャフトやトンネルを通じて地下から資源を回収します。
山頂除去採掘が批判される主な理由は何ですか?
山頂という自然地形を完全に破壊し、除去した土砂を谷に投棄することで河川を埋没させるためです。これにより水質悪化や水生生物の多様性低下など、深刻な生態系破壊を招くとされています。
ハイウォールマイニングはなぜ環境負荷が低いとされるのですか?
山頂除去のように広範囲の地表を剥ぎ取るのではなく、既存の採掘壁面から機械を挿入してピンポイントに資源を回収するため、外部に露出する破壊面積が大幅に抑えられるからです。
採掘後の土地はどうなるのでしょうか?
法規制に基づき「土地再生(リクレイメーション)」が行われます。植生を復元させるほか、用途によってはゴルフ場、空港、産業施設などの土地として再開発されることがあります。
バケットホイール掘削機とはどのような機械ですか?
巨大な回転ホイールにバケット(バケツ状の容器)が付いた掘削機で、連続的に大量の土砂をすくい上げることができます。ストリップマイニングなどで効率的に表土を除去するために使用されます。
References
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![The Siilinjärvi carbonatite complex,[1] an open-pit mine owned by Yara International, in Siilinjärvi, Finland](/images/36/4b/364b9b45d30138b0253c446fd531f9d2b4375b9c31f30bdf54b0ff62c570a8ed.jpg)






