Soundies were made for projection on the Mills Panoram jukebox
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サウンディーズ現代ミュージックビデオの先駆けとなった映画ジュークボックス

🗓 2026年8月15日

現代の音楽シーンに欠かせないミュージックビデオですが、その原型は1930年代後半のアメリカにありました。サウンディーズ(Soundies)とは、音楽パフォーマンスの映像と音声を同時に記録した短編映画のことで、1939年から1947年にかけて1,850本以上が制作されました。当時の人々にとって、それは最新のエンターテインメント体験だったのです。

Key Facts

  • 定義: 1939年〜1947年に制作された、音楽演奏を映し出す短編映画。
  • 視聴方法:パノラム」というコイン投入式の映画ジュークボックスで上映。
  • 技術: 35mmフィルムで撮影し、コスト削減のため16mmフィルムにプリント。
  • 多様性: クラシックからビッグバンド、ジャズまで幅広いジャンルを網羅。
  • 歴史的価値: 当時の主流映画では機会が少なかったアフリカ系アメリカ人アーティストの貴重な記録を保存。

パノラム:街角の映画ジュークボックス

サウンディーズを視聴するための専用機が、シカゴのミルズ・ノベルティ社が開発したパノラム(Panoram)です。これは16mmフィルムを使用したリアプロジェクション方式の装置で、ナイトクラブやバー、レストランなどの公共の場に約5,000台設置されていました。

利用者は10セントを支払うことで映像を視聴できましたが、曲を選ぶことはできず、キューに並んでいる次の作品が自動的に流れる仕組みでした。鏡を利用して映像をスクリーンに投影していたため、フィルム上の映像はあえて反転してプリントされていました。また、作品は毎週更新され、常に新鮮なコンテンツが提供されていました。

Soundies were made for projection on the Mills Panoram jukebox

制作の舞台裏と技術的アプローチ

サウンディーズの制作は非常に効率的に行われていました。まず音楽を事前にレコーディングし、アーティストがその音源に合わせて演技する「口パク(マイミング)」の手法が採用されていました。撮影には高品質な35mm白黒フィルムが使われましたが、配布用のパノラム機に合わせて、より安価で扱いやすい16mmフィルムに転写されました。

制作を担ったのは、ニューヨーク、ハリウッド、シカゴの複数のプロダクションです。ジェームズ・ルーズベルト率いるグローブ・プロダクションズをはじめ、多くの会社が競い合って作品を量産しました。また、ハリウッド映画のような厳しい検閲がなかったため、兵士たちを惹きつけるような大胆なバーレスクショーなどの内容も含まれていました。

あらゆる音楽ジャンルとスターの登竜門

サウンディーズの最大の特徴は、その圧倒的なジャンルの多様性です。ブギウギ、ビッグバンド・スウィング、カントリー、さらにはクラシックや愛国歌まで、あらゆる層の観客を惹きつけるラインナップが揃っていました。

出演者は、ルイ・アームストロングやデューク・エリントンといったジャズの巨匠から、後の大スターとなるドリス・デイやリベラーチェまで多岐にわたります。特に、当時の主流映画では差別的に扱われがちだったアフリカ系アメリカ人アーティストにとって、サウンディーズは自身の才能を披露し、記録に残すための重要なプラットフォームとなりました。

また、音楽以外の試みもあり、コメディアンを起用したスケッチ作品や、音楽家組合のストライキ期間中には、アクロバットやジャグリングなどのバラエティ演目も制作されました。

時代の変遷と衰退、そして継承

第二次世界大戦中、サウンディーズは愛国的なメッセージや戦時債券の広告を盛り込むなど、社会的な役割も果たしました。しかし、政府によるゴムや貴金属の軍事優先制限により、パノラム機の新規製造が不可能となり、事業は既存機のフィルム供給のみに限定されました。

決定的な打撃となったのは、商業テレビ放送の普及です。家庭で映像を楽しめる時代が到来し、コイン投入式のジュークボックスは急速に時代遅れとなりました。多くのパノラム機は廃棄されるか、別の用途に改造されました。しかし、そのライブラリは後にテレビ番組やホームビデオとして再利用され、現代にまで受け継がれています。

サウンディーズから派生・発展した形式

サウンディーズ以降の音楽映像形式
名称 登場時期 特徴
スネイダー・テレスクリプションズ 1951年〜 テレビ向けに制作された音楽短編フィルム。
スコピトーン (Scopitone) 1958年〜 フランスで開発。カラー映像とハイファイ音声を導入した進化版ジュークボックス。

Frequently Asked Questions

サウンディーズは現代のミュージックビデオと何が違うのですか?

根本的なコンセプト(音楽に合わせて映像を流す)は同じですが、サウンディーズは専用のコイン式機械(パノラム)でしか視聴できず、視聴者が曲を選択できなかった点が異なります。

なぜ16mmフィルムが使われたのですか?

撮影には高品質な35mmフィルムが使用されましたが、パノラム機に搭載して運用するためには、コストが低く、物理的にコンパクトで扱いやすい16mmフィルムが最適だったためです。

どのようなアーティストが出演していましたか?

ルイ・アームストロングやナット・キング・コールなどのジャズミュージシャンから、ドリス・デイのようなポップスター、さらにはサーカスのようなバラエティ演者まで、非常に幅広い出演者が揃っていました。

サウンディーズが歴史的に重要とされる理由は何ですか?

当時の映画産業では機会が限られていたアフリカ系アメリカ人アーティストのパフォーマンスを、ありのままの形で大量に記録し、保存していたという文化的な価値が高いためです。

スコピトーンとは何ですか?

1950年代後半にフランスで登場した、サウンディーズのコンセプトを継承した装置です。カラーフィルムと磁気録音による高音質化を実現し、アメリカでも展開されました。

References

  1. All About Soundies, Soundies: The Music Videos before Music Videos, University of Indiana Bloomington Library
  2. ""Soundies"". UCLA Library Film & Television Archive. UCLA. Retrieved 11 October 2022.
  3. Soundies and the War, Soundies: The Music Videos before Music Videos, University of Indiana Bloomington Library
  4. Motion Picture Herald, "Nickel Movies Won't Compete: Roosevelt", Mar. 16, 1940, p. 18.
  5. and , The Soundies Book: A Revised and Expanded Guide, iUniverse, 2007; p. 385.  .
  6. "Honeysuckle Rose" sung by Fats Waller in a 1941 Minoco Production soundie (video)
  7. Ain't Misbehavin' (soundie with Fats Waller) at
  8. MacGillivray and Okuda, pp. 382-384.
  9. MacGillivray and Okuda, p. 393.
  10. MacGillivray and Okuda, p. 28.