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陸軍歴史研究学会(SAHR)英国および英連邦の軍事史を継承する学術団体

🗓 2026年8月7日

1921年に設立された陸軍歴史研究学会(Society for Army Historical Research, SAHRは、英国および英連邦の陸軍が歩んできた歴史と伝統を深く掘り下げ、その研究を促進することを目的とした権威ある学術団体です。100年以上の歴史を持つこの学会は、単なる記録の保存にとどまらず、軍事史という広範な分野における学術的な議論と探求を牽引してきました。

学会のモットーである「Praeterita Explorando Discimus(過去を探索することで学ぶ)」が示す通り、彼らは過去の軍事的な出来事から現代に活かせる知見を得ることを重視しています。かつてはウェーベルやオーキンレック、テンプラーといった著名な元帥たちが会員として名を連ねており、現在も英国の軍事研究における重要な拠点となっています。

Key Facts

  • 設立年:1921年(100年以上の歴史を持つ)
  • 目的:英国および英連邦陸軍の歴史・伝統の普及と研究促進
  • 主な活動:査読付き学術誌の発行、軍事史に関する書籍への賞の授与
  • 研究範囲:16世紀から現代に至る陸戦史、軍装、武器、政治的側面など
  • 現在のパトロン:ケント公エドワード王子

多角的な研究アプローチと活動内容

SAHRの研究対象は非常に幅広く、単なる戦術や作戦の分析に留まりません。連隊の歴史や軍事古美術、制服、バッジ、勲章といった物質文化から、武器や装備の変遷、さらには戦争が政治に与えた影響まで、陸戦に関するあらゆる側面を網羅しています。特に16世紀以降のキャンペーンや指揮官の研究に力を入れています。

学術誌による知見の共有

学会の中心的活動は、季刊の学術誌『Journal of the Society for Army Historical Research』の刊行です。この誌面では、厳格な査読を経た論文だけでなく、より専門的なトピックを扱う通信文や書評が掲載されています。また、最新のアーカイブ資料や学術的成果のリストも提供されており、研究者にとって不可欠なリソースとなっています。

誌面の内容は硬い学術論考だけではなく、忘れ去られた兵士に光を当てるエピソードや、興味深い逸話なども含まれており、多様な視点から歴史を捉えています。また、ナポレオン戦争や第一次世界大戦などの特定テーマに絞った特別号も発行されており、未公開の手紙や日記などの一次史料が公開されることもあります。

次世代への支援と栄誉

学会は研究の継続性を確保するため、大学院生への研究助成金を提供しているほか、高校生や大学生を対象としたエッセイ賞を設けています。また、2022年からは「フェロー(FSAHR)」という称号を授与する制度を導入し、顕著な貢献をした人物を称えています。

軍事史への貢献を称える賞

SAHRは、優れた軍事史著作を顕彰するために2つの主要な賞を運営しています。

テンプラー賞(Templer Medal)

1982年に創設されたこの賞は、前年に出版された英国、英連邦、または自治領の陸軍に関する最も優れた書籍に贈られます。名称は、1952年から1954年にかけてマラヤでゲリラ掃討作戦を指揮し、後に学会会長を務めたジェラルド・テンプラー元帥に由来しています。

チャップル賞(Chapple Prize)

2014年から、新人著者の育成を目的として「最優秀初著書賞」が設けられました。2023年からは、元会長のジョン・チャップル元帥を記念して「チャップル賞」と改称されました。この賞は、共著や編集本を除いた、単著による実質的な研究成果のみを審査対象とする厳格な基準を持っています。

学会の概要まとめ

陸軍歴史研究学会(SAHR)基本データ
項目 詳細
法的地位 非法人チャリティ(英国)
会員数 730名(2024年時点)
現会長 エドワード・スミス=オブーン中将
主な出版物 Journal of the Society for Army Historical Research
主な賞 テンプラー賞、チャップル賞

Frequently Asked Questions

SAHRはどのような組織ですか?

1921年に設立された、英国および英連邦の陸軍史を研究・普及させるための学術団体です。軍事史の専門家や愛好家が集まり、学術誌の発行や研究支援を行っています。

研究対象となる時代や分野はどこまでですか?

主に16世紀から現代までの陸戦史を対象としています。作戦や指揮官の研究だけでなく、制服、勲章、武器などの軍事遺産や、戦争の政治的側面まで幅広くカバーしています。

テンプラー賞とはどのような賞ですか?

英国および英連邦の陸軍に関する書籍の中で、前年に出版された最も重要または印象的な作品に贈られる賞です。ジェラルド・テンプラー元帥の功績を記念して創設されました。

チャップル賞とテンプラー賞の違いは何ですか?

テンプラー賞が全般的に優れた著作を対象とするのに対し、チャップル賞は「初めて出版した単著」である著者を対象としており、若手や新進の研究者を奨励することを目的としています。

一般の人でも学術誌を読むことはできますか?

学会は季刊の学術誌を発行しており、査読付き論文から興味深いエピソードまで多様なコンテンツを提供しています。詳細は公式サイト(sahr.org.uk)で確認いただけます。

References

  1. "About Us". The Society for Army Historical Research. Retrieved 11 January 2026.
  2. "The Society for Army Historical Research". Charity Commission for England and Wales. Retrieved 11 January 2026.
  3. Minutes of the meeting leading to establishment of the Society published in: Journal of the Society for Army Historical Research, 1.1 (Sept. 1921), pp. 3–5.
  4. For instance: John Marshall Deane, A Journal of 's campaigns during the , 1704–1711 / edited and introduced by , SAHR Special Publication 12, (London, 1984) and The Victorians at War: New Perspectives, edited by Ian F.W. Beckett, SAHR Special Publication 16, (London, 2007). The special publications also include a full index to the journal from its foundation up to 2006.