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赛力斯(Seres)グループ部品メーカーから世界的なEVメーカーへの進化

🗓 2026年8月7日

中国の自動車産業において、劇的な転換を遂げた企業の一つが赛力斯(Seres)グループです。1986年の創業以来、家電部品やショックアブソーバーの製造からスタートした同社は、戦略的な提携とブランド再編を経て、現在は最先端の電気自動車(EV)を世界に展開するハイテクメーカーへと変貌を遂げました。

特に、世界的な通信機器大手であるHuawei(ファーウェイ)との強力なパートナーシップは、同社を単なる車両製造業者から、高度なインテリジェンスを備えたスマートカーの先駆者へと押し上げました。本記事では、部品工場から始まったSeresの歩みと、現在の多角的なブランド戦略について詳しく解説します。

Key Facts

  • 創業: 1986年9月(中国・重慶市)
  • 主要製品: 電気自動車(EV)、内燃機関車、商用車、オートバイ、自動車部品
  • 戦略的パートナー: Huawei(ソフトウェア・設計)、CATL(バッテリー供給)
  • 主要ブランド: AITO(国内向けスマートEV)、Seres(輸出向けEV)、DFSK(商用車)
  • 業績の転換点: 2024年に新エネルギー車の販売急増により、テスラやBYDらに続き、世界で4番目に黒字化した新エネルギー車メーカーとなった。

沿革:部品製造から完成車メーカーへの軌跡

Seresの歴史は、1986年に張興海(Zhang Xinghai)氏によって設立された「重慶巴県鳳凰電器弾簧廠」に遡ります。当初は日本ライセンスに基づいた家電部品やシート用スプリングを製造し、短期間で市場の90%という圧倒的なシェアを獲得しました。

自動車産業への本格参入

1996年にはショックアブソーバー専用工場を設立し、年産150万台を超える生産能力を構築。この成功を背景に、同社は部品供給から車両自体の製造へと舵を切ります。2002年には若年層向けのスポーツバイクブランド「XGJAO」を立ち上げ、2003年には東風汽車(Dongfeng Motor Corporation)と合弁会社を設立し、マイクロバンなどの小型商用車の生産を開始しました。

ブランドの統合とグローバル展開

2007年に「重慶小康工業(Sokon)」へと社名を変更し、海外市場では「DFSK」ブランドを展開。2016年には上海証券取引所に上場し、SUVの生産や米国でのEV開発拠点(SF Motors)の設立など、攻めの投資を加速させました。その後、東風汽車との資本関係を再編し、DFSKの完全所有権を取得することで、経営の独立性を高めています。

スマートEV時代への移行

2019年、同社はHuaweiとEV向けITおよびソフトウェア開発で提携。さらに2022年には世界最大のバッテリーメーカーCATLと長期供給契約を締結し、ハード・ソフト両面での基盤を固めました。2022年7月には、古代ギリシャ語で「中国」を意味する「Seres」へと社名を変更し、グローバルブランドとしての再出発を切りました。

ブランドポートフォリオと製品戦略

Seresグループは、ターゲット市場と車両特性に応じて複数のブランドを使い分ける戦略を採用しています。

AITO:次世代スマートEV

Huaweiとの共同開発によるハイエンドブランドです。Huaweiが設計とスマート機能を主導し、Seresが製造を担う体制をとっています。M5からM9までのラインナップを展開し、中国国内市場における強力な競争力を誇ります。

Seres:グローバル展開の旗手

2023年以降、Seresブランドは主に輸出市場向けに特化されました。Seres 3、5、7などのモデルを通じて、世界各地に中国製EVの技術力を浸透させています。

商用車および普及帯モデル

  • Ruichi Automobiles: 純電気商用車に特化した完全子会社。
  • Fengon(風光): 手頃な価格のコンパクトMPVやSUVを展開。
  • DFSK 軽商用車ブランド。現在は「Seres Automobile (Hubei)」として運営。

企業概要まとめ

Seresグループ 企業基本データ
項目 詳細内容
本社所在地 中国 重慶市
上場市場 上海証券取引所 (601127)、香港証券取引所 (9927)
主要株主 重慶小康ホールディング(創業者一族)、東風汽車、重慶市政府系企業
従業員数 13,238名
2023年収益 約1,248万米ドル

Frequently Asked Questions

SeresとHuaweiの関係はどうなっていますか?

両社は戦略的パートナーシップを結んでおり、特に「AITO」ブランドにおいて密接に連携しています。Huaweiが車両の設計やスマートシステム(ソフトウェア)を主導し、Seresが製造工程を担うという分業体制を構築しています。

「Seres」という名前の由来は何ですか?

古代ギリシャ語で「中国」を意味する「Σῆρες(Seres)」に由来しています。これは、シルクロードを通じて中国が「絹の国」として知られていた歴史を反映したものです。

AITOブランドの所有権はどうなっていますか?

複雑な変遷を経ており、一度は商標がHuaweiに譲渡されましたが、2024年7月にHuaweiからSeresグループへ、英語商標および関連特許が25億人民元で譲渡されました。

Seresグループはどのような製品を製造していますか?

主力である電気自動車(EV)のほか、内燃機関車、商用車、オートバイ、そして創業時からの強みであるショックアブソーバーなどの自動車部品を幅広く製造しています。

最近の業績はどうですか?

新エネルギー車(NEV)の販売が急増しており、2024年には収益が300%以上増加しました。これにより、テスラ、BYD、Li Autoに続き、世界で4番目に黒字化した新エネルギー車メーカーとなりました。

References

  1. "Profile". Retrieved 7 June 2021.
  2. "Yahoo Search - Web Search". in.search.yahoo.com.
  3. (12 July 2022). 重庆小康工业集团股份有限公司 关于拟变更公司名称、证券简称的公告 [Chongqing Sokon Industrial Group Co., Ltd name change and stock symbol change] (PDF). (in Chinese). 601127 2022-070. Archived (PDF) from the original on 13 March 2023. Retrieved 13 March 2023. (listed under 赛力斯 ( 601127 ) 公告)
    • new name: : 赛力斯集团股份有限公司 / Seres Group Co., Ltd.
    • current name: : 重庆小康工业集团股份有限公司 / Chongqing Sokon Industrial Group Co., Ltd.
  4. "About - Seres Group Co., Ltd". seres.cn. Retrieved 13 May 2024.
  5. "Sokon: Profile". Archived from the original on 12 April 2023. Retrieved 7 June 2021.
  6. "Company Profile - Seres Group". en.seres.cn. Archived from the original on 14 May 2025. Retrieved 3 August 2025. The name SERES is derived from the ancient Greek 'Land of Silk' (referring to China)
  7. "SF Motors plans to open EV operations at Indiana plant by end of 2020". 5 June 2021. Retrieved 8 June 2021.
  8. "Sokon to wholly own Dongfeng Sokon at expense of 26.01% stake offered to Dongfeng Motor Corporation". 19 November 2018. Retrieved 7 June 2021.
  9. "Sokon, Huawei ally on NEV, ICV, ICT infrastructure". 23 January 2019. Retrieved 8 June 2021.
  10. "Sokon signs contract with CATL for long-term battery supply". 22 April 2022. Retrieved 14 October 2022.