QAPF diagram for classification of plutonic rocks
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QAPF図火成岩深成岩岩石分類ストレッケイゼン図

QAPF図による火成岩の分類手法と仕組み

🗓 2026年8月10日

地質学において、火成岩をその鉱物組成に基づいて客観的に分類するための標準的なツールがQAPF図です。この手法は、岩石に含まれる主要な鉱物グループの比率を視覚化することで、複雑な岩石に正確な名称を与えることを可能にします。

Key Facts

  • QAPFは、石英(Quartz)、アルカリ長石(Alkali feldspar)、斜長石(Plagioclase)、フェルスポイド(Feldspathoid)の頭文字を取ったものである。
  • 主に深成岩(粗粒な岩石)の分類に用いられ、鉱物組成が判明している場合は火山岩にも適用できる。
  • 国際地質科学連合(IUGS)によって策定され、提唱者の名から「ストレッケイゼン図」とも呼ばれる。
  • 石英とフェルスポイドは化学的な性質上、同一の深成岩の中に同時に存在できないため、図は2つの三角形に分かれている。
  • 分類には、特定の4つの鉱物グループの比率を合計100%に換算する「正規化」というプロセスが必要である。

QAPF図の基礎知識と定義

QAPF図は、火成岩を構成する4つの主要な鉱物グループの含有量に基づいて岩石を分類する二重三角形のプロット図です。ここで注目されるのは、以下の4つのグループです。

  • Q (Quartz):石英
  • A (Alkali feldspar):アルカリ長石
  • P (Plagioclase):斜長石
  • F (Feldspathoid):フェルスポイド(岩成鉱物)

この分類法は、アルバート・ストレッケイゼン氏の主導により、国際地質科学連合(IUGS)の火成岩系統分科会によって作成されました。世界中の地質学者が、特に深成岩(結晶が大きく目に見える粗粒な岩石)の同定に利用しています。

QAPF diagram for classification of plutonic rocks

分類の仕組みとプロット方法

QAPF図の最大の特徴は、石英(Q)とフェルスポイド(F)が互いに排他的である点です。シリカ(二酸化ケイ素)含有量の違いにより、深成岩においてこれら2つのグループが同時に形成されることはありません。そのため、図は「QAP三角形」と「FAP三角形」という2つの領域に分かれて構成されています。

正規化による比率の算出

岩石には雲母や角閃石など、QAPF以外の鉱物も含まれていますが、この分類法ではそれらを無視します。代わりに、Q, A, P, Fの4グループのみの合計が100%になるように数値を再計算(正規化)します。

例えば、ある岩石の組成が「石英30%、アルカリ長石30%、斜長石20%、雲母20%」であった場合、雲母を除いた合計は80%となります。これを100%に換算すると、石英37.5%、アルカリ長石37.5%、斜長石25%となり、この数値を用いて図上の位置を決定します。

図へのプロット例

前述の例(Q: 37.5%, A: 37.5%, P: 25%)の場合、まず石英含有量を示す水平線(37.5%のライン)を探します。次に、そのライン上でアルカリ長石(A)側から斜長石(P)側へ向かって、AとPの相対比率(この場合は60%対40%)の位置に点を打ちます。この位置にある岩石は「モンゾグラナイト(モンゾ花崗岩)」として分類されます。

QAPF diagram for plutonic rocks, along with triangle diagrams for mafic/ultramafic plutonic rocks

適用範囲と制限事項

QAPF図は非常に有用ですが、あらゆる火成岩に適用できるわけではありません。以下のようなケースでは別の手法が採用されます。

  • 火山岩(細粒岩):鉱物組成が詳細に分析できている場合はQAPF図を使用できますが、そうでない場合や、オブシディアン(黒曜石)のように火山ガラスを含む場合は、TAS分類(全アルカリ-シリカ分類)が用いられます。
  • 砕屑性火山岩:火砕岩などの分類には使用されません。
  • 超マフィク岩:かんらん岩や輝石岩のように、マフィク鉱物(有色鉱物)が全体の90%以上を占める岩石の場合、QAPF図ではなく別の専用の三角形プロット図が使用されます。

また、この手法は特定の鉱物比率のみに注目するため、それ以外の鉱物(橄欖石、輝石、角閃石、雲母など)の組成による違いは区別しません。そのため、例えばガブロ(斑れい岩)、ダイオライト(閃緑岩)、アノーサイト(斜長岩)などは、QAPF上の位置が同じであれば区別がつかないという特性があります。

まとめ:QAPF分類の概要

QAPF分類法の要約
項目 内容
対象鉱物 石英(Q)、アルカリ長石(A)、斜長石(P)、フェルスポイド(F)
主な用途 深成岩の名称決定および分類
計算手法 対象4鉱物の合計を100%とする正規化
排他関係 石英(Q)とフェルスポイド(F)は共存しない
代替手法 火山岩にはTAS分類、超マフィク岩には専用図を使用

Frequently Asked Questions

QAPF図で分類できない岩石はありますか?

はい。マフィク鉱物が90%を超える超マフィク岩(かんらん岩など)や、鉱物組成が特定できない火山岩、および火砕岩には適用できません。これらはTAS分類や別の専用図を用いて分類します。

なぜ石英とフェルスポイドは同時にプロットされないのですか?

これら2つの鉱物グループはシリカ(SiO2)の含有量が大きく異なるため、化学的な性質上、同一の深成岩の中で同時に結晶化して共存することができないからです。

野外調査だけでQAPF分類を行うことは可能ですか?

困難です。正確な岩石名を決定するには、詳細な鉱物組成(モード組成)を確定させる必要があり、これには通常、顕微鏡による観察などの分析作業が不可欠であるためです。

正規化とは具体的にどのような計算ですか?

岩石に含まれる全鉱物のうち、Q, A, P, Fの4種類のみを抽出して合計し、その合計値を100%とした場合の各鉱物の割合を算出することです。それ以外の鉱物(雲母など)は計算から除外されます。

ストレッケイゼン図とQAPF図は違うものですか?

いいえ、同じものです。この分類法を提唱したアルバート・ストレッケイゼン氏の名にちなんで、ストレッケイゼン図とも呼ばれています。

References

  1. (July 1974). "Classification and nomenclature of plutonic rocks recommendations of the IUGS subcommission on the systematics of Igneous Rocks". Geologische Rundschau. 63 (2): 773–786. :1974GeoRu..63..773S. :10.1007/bf01820841.  130569261.
  2. Le Bas, M. J.; Streckeisen, A. L. (1991). "The IUGS systematics of igneous rocks". Journal of the Geological Society. 148 (5): 825–833. :1991JGSoc.148..825L.  10.1.1.692.4446. :10.1144/gsjgs.148.5.0825.  28548230. {{}}: Cite uses deprecated parameter |citeseerx= ()
  3. "Rock Classification Scheme - Vol 1 - Igneous" (PDF). British Geological Survey: Rock Classification Scheme. 1: 1–52. 1999.
  4. Philpotts, Anthony R.; Ague, Jay J. (2009). Principles of igneous and metamorphic petrology (2nd ed.). Cambridge, UK: Cambridge University Press.  .

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QAPF diagram for plutonic rocks, along with triangle diagrams for mafic/ultramafic plutonic rocks