ポイズイユ(Pl)とは?粘度の単位とその定義を詳しく解説

流体の「ねばりけ」を示す粘度(動的粘度)を測定する際、さまざまな単位が用いられます。その中の一つである「ポイズイユ(Pl)」は、フランスの物理学者ジャン・レオナール・マリー・ポイズイユにちなんで名付けられた単位です。

現代の科学的な計測においては、より標準的な単位が優先される傾向にありますが、物理学や化学の歴史的な文脈、あるいは特定の計算においてポイズイユの概念を理解することは重要です。

Key Facts

  • 定義: 動的粘度を表す単位であり、記号は「Pl」で表記される。
  • 等価性: 1 Plは、SI単位系の「1 Pa⋅s(パスカル秒)」と完全に等しい。
  • 関係性: CGS単位系の「ポアズ(P)」の10倍の大きさに相当する(1 Pl = 10 P)。
  • 現状: 提案はされているが、IUPAC(国際純正・応用化学連合)などの主要な標準機関では、一般的にPa⋅sが推奨されている。

ポイズイユの定義と物理的意味

ポイズイユは、流体が流れる際の内部摩擦、すなわち動的粘度を定量化するための単位です。物理的な次元では、質量(M)、長さ(L)、時間(T)を用いて「M L⁻¹ T⁻¹」と表されます。

SI基本単位で表現すると、1 Plは「1 kg / (m ⋅ s)」となります。これは、単位面積あたりに作用する力と、流速の勾配との関係を示す指標です。

標準単位としての位置づけ

ポイズイユはSI派生単位として提案されましたが、実際には広く普及することはありませんでした。例えば、化学分野の権威であるIUPACの「グリーンブック(第3版)」では、粘度のSI単位として「Pa⋅s(パスカル秒)」のみが記載されており、ポイズイユへの言及はありません。

他の粘度単位との換算

実務上の粘度報告では、CGS単位系であるポアズ(P)が今なお頻繁に利用されています。ポイズイユとポアズ、そしてSI単位であるパスカル秒の間には明確な換算関係があります。

粘度単位の換算表
単位名(記号) ポイズイユ (Pl) 換算 パスカル秒 (Pa⋅s) 換算 ポアズ (P) 換算
1 ポイズイユ (Pl) 1 Pl 1 Pa⋅s 10 P
1 パスカル秒 (Pa⋅s) 1 Pl 1 Pa⋅s 10 P
1 ポアズ (P) 0.1 Pl 0.1 Pa⋅s 1 P

具体例:水の粘度

身近な物質である液体の水(温度25°C、圧力1気圧の状態)を例に挙げると、その粘度は約 0.000 890 Pl です。これを他の単位に書き換えると、0.008 90 P、あるいは 0.890 mPa⋅s(ミリパスカル秒)となります。

Frequently Asked Questions

ポイズイユ(Pl)とポアズ(P)の違いは何ですか?

どちらも粘度を表す単位ですが、スケールが異なります。1ポイズイユは10ポアズに相当します。ポアズはCGS単位系に基づいた古い単位であり、現在でも多くの測定報告で使用されています。

現在、最も一般的に使われている粘度のSI単位は何ですか?

一般的には「Pa⋅s(パスカル秒)」が使用されています。ポイズイユも数値的にはこれと同じですが、国際的な標準規格ではパスカル秒が優先的に採用されています。

ポイズイユという名前の由来は?

19世紀のフランスの物理学者、ジャン・レオナール・マリー・ポイズイユ(Jean Léonard Marie Poiseuille)の名にちなんで命名されました。

1 PlをSI基本単位で表すとどうなりますか?

1 kg / (m ⋅ s) と表記されます。これは、質量を長さと時間の積で割った次元を持つことを意味します。