The opening of MPRC in 1955
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国立人事記録センター(NPRC)軍事人事記録の管理と歴史

🗓 2026年8月8日

アメリカ合衆国の退役軍人、除隊者、および亡くなった軍関係者の人生を証明する膨大な記録を保管しているのが、国立人事記録センターNPRCの軍事人事記録部門です。ミズーリ州セントルイス近郊のスパニッシュレイクに位置するこの施設では、5,600万件を超える人事および医療記録が厳格に管理されており、個人の軍歴を証明する極めて重要な役割を担っています。

主要な事実(Key Facts)

  • 保管規模: 5,600万件以上の軍事人事・医療記録を保有。
  • 所在地: ミズーリ州セントルイス郡スパニッシュレイク(旧所在地はオーバーランド)。
  • 管理体制: 国立公文書館(NARA)の管轄下にあり、連邦政府の公文書として保護。
  • 歴史的悲劇: 1973年の大火災により、1,600万〜1,800万件の記録が消失。
  • アクセス: アーカイブ記録は有料で一般公開され、非アーカイブ記録は無料で提供。

施設の成り立ちと変遷

このセンターの原点は1955年にまで遡ります。建築家ミノル・ヤマサキによって設計された建物は、当初「国防省軍事人事記録センター」として開館しました。設立当初は陸軍、海軍、空軍の3つの独立した記録センターを収容する共同軍事司令部としての性格を持っていました。

The opening of MPRC in 1955

その後、組織体制は段階的に統合されました。1960年には一般調達局(GSA)へ管理が移り、軍ごとの運営から民間職員による一元的な管理へと移行。1966年にはセントルイス連邦記録センターと行政的に統合され、現在の「国立人事記録センター(NPRC)」としての体制が整いました。

MPRC's former location in Overland, Missouri, with the Army HRC building attached. The white building in the background is the U.S. Army Publications Distribution Center.

2011年には、より近代的な設備を備えたスパニッシュレイクの新施設へ移転しました。これに伴い、名称の整理が行われ、軍事記録を扱う建物は単に「国立人事記録センター」、民間記録を扱う施設は「NPRCアネックス」と呼ばれるようになっています。

記録の管理と公開制度

NPRCでは、記録の性質に応じてアクセス権限と費用が異なります。アーカイブ記録(歴史的価値が高いと判断されたもの)は一般公開されており、ファイル全体のコピーを申請することで入手可能ですが、手数料が発生します。一方、大部分を占める非アーカイブ記録の提供は無料で行われています。

NPRCにおける記録提供の区分
区分 アクセス権限 費用 備考
アーカイブ記録 一般公開(無制限) 有料 著名人の記録なども含まれる
非アーカイブ記録 制限あり 無料 保有記録の大部分を占める

歴史的な危機と事件

1973年の大火災

センターの歴史において最大の悲劇となったのが、1973年7月に発生した壊滅的な火災です。4日以上にわたって燃え続けたこの火災により、1,600万件から1,800万件もの公式軍事人事ファイル(OMPF)が焼失しました。特に1912年〜1960年の陸軍記録と、1947年〜1964年の空軍記録に甚大な被害が出ました。消火活動による浸水やカビの発生という二次被害も大きく、国立公文書館はこの出来事を「文化遺産に対する比類なき惨事」と表現しています。

2004年のデジタル化に関するデマ

2004年8月、インターネット上で「すべての原本をスキャンして破棄する」という虚偽の情報が拡散されました。このデマにより、不安になった退役軍人から大量の記録請求が殺到し、業務に深刻な支障が出ました。国立公文書館は、デジタル化はあくまで「脆弱な文書の保護」と「検索時間の短縮」が目的であり、原本を破棄することは決してないと強く否定しました。

National Archives press release on the records hoax, as it appeared online in September 2004[13]

2014年の不適切廃棄問題

2014年には、職員による記録の不法廃棄が発覚しました。一部の職員が、効率的に処理した量に応じて報酬を得られる「ボーナス制度」を悪用し、処理時間を短縮するために文書を施設外や森林地帯に投棄していたことが判明しました。この事件を受けて、問題の制度は即座に廃止され、厳格な監査プログラムが導入されました。

よくある質問(FAQ)

NPRCではどのような記録を保管していますか?

主にアメリカ軍の退役軍人、除隊者、および亡くなった方の公式な人事記録(OMPF)や医療記録を保管しています。

1973年の火災で失われた記録はどうなりますか?

焼失した記録を補完するため、NPRCは専用の部門を設立し、施設内外の代替ソースから情報を収集して再構築する努力を続けています。

記録の請求に費用はかかりますか?

非アーカイブ記録の請求は無料ですが、一般公開されているアーカイブ記録のコピーを請求する場合は手数料が必要です。

デジタル化によって原本が捨てられることはありますか?

いいえ。国立公文書館は、これらの記録を永久保存すべき歴史的文書として定義しており、デジタル化は保存と利便性の向上のために行われるもので、原本が破棄されることはありません。

記録の請求にはどのくらいの時間がかかりますか?

過去には11〜16週間という長い待ち時間が発生していた時期がありましたが、現在はシステムの改善が進められています。ただし、請求件数によっては時間を要する場合があります。

References

  1. https://vetrecs.archives.gov
  2. Archive of the website on October 10, 2004, showing the notice about the personnel record destruction rumor
  3. Archive of the website on October 10, 2004, showing the notice about the personnel record destruction rumor
  4. February 15, 2005 archive of the site

📸 フォトギャラリー

The opening of MPRC in 1955
MPRC's former location in Overland, Missouri, with the Army HRC building attached. The white building in the background is the U.S. Army Publications Distribution Center.
National Archives press release on the records hoax, as it appeared online in September 2004[13]