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ナンシー・ウィルソン『This Mother's Daughter』ジャズ・ファンクへの大胆な転換

🗓 2026年8月16日

1970年代半ば、ヴォーカル・ジャズの女王として君臨していたナンシー・ウィルソンは、自身の音楽的表現をさらに広げる挑戦的な作品を世に送り出しました。1976年にリリースされたスタジオ・アルバム『This Mother's Daughter』は、彼女のキャリアにおいて極めて重要な転換点となった一枚です。

本作の最大の特徴は、それまでの彼女のスタイルとは一線を画す、ジャズ・ファンクやジャズ・フュージョン(ジャズにロックやR&Bの要素を融合させた音楽様式)への強い傾倒にあります。愛や人間関係、そして「母親であること」という深いテーマを軸に据え、大人の洗練と情熱が同居するサウンドに仕上げられています。

Key Facts

  • 音楽性:従来のジャズ・スタイルから、よりグルーヴィーなジャズ・ファンク・フュージョンへ移行。
  • 構成:全10曲すべてがオリジナル曲で構成された、彼女にとって初のアルバム。
  • 制作陣:プロデューサーにユージン・マクダニエルズを迎え、豪華ミュージシャンが集結。
  • 評価:キャピトル・レコード時代における「最もソウルフルな作品」と評される。

豪華な制作陣とサウンドの構築

本作の洗練されたサウンドを支えているのは、当時の音楽シーンを牽引していたトップミュージシャンたちです。ピアノやフェンダー・ローズを操るデイヴ・グルシンが多くの楽曲で編曲を担当し、ジョージ・デュークやヒュー・マクラッケンも編曲に名を連ねています。

また、リズムセクションには名手スティーヴ・ガッド(ドラム)やチャック・レイニー(ベース)が参加し、ブルー・ミッチェルのフリューゲルホルン・ソロが楽曲に彩りを添えています。プロデューサーのユージン・マクダニエルズが仕掛けた巧妙なジャズ・ファンクの装飾が、アルバム全体に即時性と強いアピール力を与えています。

アルバムの詳細データ

ロサンゼルスのレコード・プラント・スタジオで録音された本作は、約41分にわたる濃密な構成となっています。以下に作品の基本情報をまとめます。

『This Mother's Daughter』作品概要
項目 詳細
リリース日 1976年4月
ジャンル ヴォーカル・ジャズ、ジャズ・ファンク
レーベル Capitol
プロデューサー ユージン・マクダニエルズ
総演奏時間 40分52秒

収録曲リスト

アルバムは2枚のディスク(サイド)に分かれて構成されており、それぞれに異なる表情の楽曲が配置されています。

Side 1

  • From You To Me To You
  • Love Has Smiled on Us
  • I Don't Want a Sometimes Man
  • Tree of Life
  • China

Side 2

  • Now
  • This Mother's Daughter
  • He Never Had It So Good
  • When We Were One
  • Stay Tuned

専門家による評価

音楽レビューサイトAllMusicのジェイソン・アンケニーは、本作をナンシー・ウィルソンがキャピトル社に在籍していた期間の中で「最もソウルフルなレコード」であると絶賛しています。また、彼女の歌唱についても、洗練されていながらも「生意気(saucy)」な魅力があるとして、その表現力の幅を高く評価しています。

Frequently Asked Questions

このアルバムの音楽的な特徴は何ですか?

従来のジャズよりも、ジャズ・ファンクやジャズ・フュージョンの要素が強く取り入れられている点が特徴です。リズム隊の強調されたグルーヴと、モダンなシンセサイザーの活用が目立ちます。

全曲オリジナル曲というのは本当ですか?

はい。ナンシー・ウィルソンのアルバムとして、収録された10曲すべてがオリジナル曲で構成されている初めての作品となりました。

どのようなテーマが歌われていますか?

主に「愛」「人間関係」、そしてアルバムタイトルにもある通り「母親であること(母性)」といったテーマが中心に据えられています。

参加している主なミュージシャンは誰ですか?

デイヴ・グルシン、ジョージ・デューク、スティーヴ・ガッド、ブルー・ミッチェル、チャック・レイニーなど、当時のジャズ・フュージョン界を代表する豪華な面々が参加しています。

プロデューサーは誰が務めましたか?

ユージン・マクダニエルズがプロデュースを担当し、アルバムの方向性とサウンドメイクを主導しました。

References

  1. 1 2 Ankeny, Jason. This Mother's Daughter at
  2. Larkin, Colin (2004). "Nancy Wilson". (Rev Upd ed.). Virgin Books. p. 941.  .
  3. This Mother's Daughter (liner notes). . . 1976. ST 11518.{{}}: CS1 maint: others in cite AV media (notes) ()