1960年代の音楽シーンにおいて、ジャンルの境界を軽やかに飛び越えたヴォーカリスト、ナンシー・ウィルソン。彼女が1968年に発表したスタジオアルバム『Easy』は、ポップ、R&B、そしてヴォーカル・ジャズが絶妙にブレンドされた、大人のための洗練された一枚です。
本作はキャピトル・レコードからリリースされ、デヴィッド・カヴァノーがプロデュースを担当しました。アルバムの構成において特筆すべきは、名曲メーカーであるアントニオ・カルロス・ジョビンの楽曲が最初と最後の曲に配置されており、作品全体に心地よい統一感を与えている点です。
Key Facts
- リリース年: 1968年5月(録音は同年4月)
- 音楽ジャンル: ポップス、R&B、ヴォーカル・ジャズ
- 主要チャート: Hot R&B LPsで最高5位、Billboard Top LPsで51位を記録
- 注目シングル: 「Face It Girl, It's Over」がBillboard Hot 100で29位にランクイン
- 編曲: 主にジミー・ジョーンズが担当(一部H.B.バーナム)
音楽的アプローチと評価
アルバムの多くを彩るジミー・ジョーンズの編曲は、聴き手に心地よい時間を提供します。一方で、音楽評論家のスティーヴン・クック(AllMusic)は、ウィルソンの「自信に満ちた艶やかな歌唱」を高く評価しつつも、編曲面については批判的な見解を示しています。しかし、ドラマチックな表現が光る「Gentle On My Mind」や、シングルカットされた「Face It Girl, It's Over」などは、本作のハイライトとして挙げられています。
特にシングル曲の「Face It Girl, It's Over」は、LP収録版よりも長い3分9秒のエディット版が存在し、B面にはアルバム未収録の「The End of Our Love」が収録されていました。
再リリースとデジタル展開
本作は時代に合わせて何度か形態を変えて届けられてきました。1978年にキャピトル・レコードから再販された際は、「Walk Away」という楽曲が除外されるという変更がありました。
その後、2016年にはキャロライン・レコード(SoulMusic Records協力)より、待望のCD版およびストリーミング配信が開始されました。このエディションでは、前作『Welcome to My Love』と2枚組としてまとめられており、「Walk Away」の復刻に加え、当時のセッションから発掘された4曲のボーナストラックが追加されるという、ファン垂涎の豪華仕様となっています。
作品詳細まとめ
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| アーティスト | ナンシー・ウィルソン |
| プロデューサー | デヴィッド・カヴァノー |
| 総演奏時間 | 31分24秒 |
| レーベル | Capitol (再発はCaroline/SoulMusic) |
| 主な編曲家 | ジミー・ジョーンズ |
収録曲リスト
Side 1
- Wave(アントニオ・カルロス・ジョビン)
- Make Me a Present of You(ジョー・グリーン)
- Gentle on My Mind(ジョン・ハートフォード)
- When I Look in Your Eyes(レスリー・ブリクセ)
- Love Is Blue (L'Amour Est Bleu)(アンドレ・ポップ他)
- Walk Away(ドン・ブラック、ウド・ユルゲンス)
Side 2
- Face It Girl, It's Over(アンディ・バデール、フランク・スタントン)
- The Look of Love(バート・バカラック、ハル・デヴィッド)
- One Like You(ジーン・ディノヴィ、トニー・ヴェロナ)
- Make Me Rainbows(マリリン・バーグマン他)
- How Insensitive (Insensatez)(ジョビン他)
2016年CDボーナストラック
- The End of Our Love
- Anytime
- Hurry Change (If You’re Coming)
- No Easy Way Down
Frequently Asked Questions
このアルバムの主な音楽ジャンルは何ですか?
ポップス、R&B、そしてヴォーカル・ジャズの要素を併せ持ったスタイルで構成されています。
チャートでの成績はどうでしたか?
Hot R&B LPsチャートで5位、Billboard Top LPsでは51位を記録しました。また、シングル「Face It Girl, It's Over」はBillboard Hot 100で29位まで上昇しました。
2016年の再リリース版にはどのような特徴がありますか?
前作『Welcome to My Love』との2枚組CDとなっており、過去の再販でカットされていた「Walk Away」の復活に加え、4曲のボーナストラックが収録されています。
アルバムの編曲は誰が担当しましたか?
主にジミー・ジョーンズが編曲と指揮を務めましたが、「Face It Girl, It's Over」に関してはH.B.バーナムが担当しています。
アントニオ・カルロス・ジョビンの曲は含まれていますか?
はい。アルバムのオープニングを飾る「Wave」と、クロージングを飾る「How Insensitive」の2曲が収録されています。
References
- Lord, Tom (2004). The jazz discography. Vol. 25. West Vancouver, B.C., Canada. . 30547554.
{{}}: CS1 maint: location missing publisher () - Cook, Stephen. Easy at
- Larkin, Colin (2004). "Nancy Wilson". (Rev Upd ed.). Virgin Books. p. 941. .
- "Nancy Wilson The Sound Of Nancy Wilson Chart History". Billboard. Retrieved November 2, 2018.
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- "Nancy Wilson Face It Girl, It's Over Chart History". Billboard. Retrieved January 29, 2019.
- "Nancy Wilson Face It Girl, It's Over Chart History". Billboard. Retrieved January 29, 2019.
- "Nancy Wilson - Face It Girl, It's Over / The End of Our Love". Discogs. Retrieved January 29, 2019.
- (liner notes). . . 1978. SM-11802.
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