テーブルトークRPGの金字塔『ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)』の歴史において、最も象徴的な魔法使いの一人がモルデンカイネンです。彼は単なる強力なNPC(ノンプレイヤーキャラクター)ではなく、ゲームの生みの親であるゲイリー・ガイギャックス自身の分身とも言える、極めて重要な背景を持つキャラクターです。グレーホークの世界観を中心に、数多くの呪文や設定にその名を刻んでいます。
Key Facts
- 創造者:D&Dの創始者ゲイリー・ガイギャックスが自身のプレイヤーキャラクターとして作成。
- 役割:強力な魔法使いの集団「サークル・オブ・エイト(八人会)」のリーダー。
- 信念:絶対的な善悪を否定し、世界の勢力均衡を維持することを重視する「中立」の立場。
- 影響力:ゲーム内の多くの呪文にその名が冠されており、ルールブックや設定資料に深く浸透している。
誕生の経緯と創造の背景
モルデンカイネンは1973年初頭、ゲイリー・ガイギャックスがプレイヤーとしてゲームに参加した際に誕生しました。もともとダンジョンマスター(DM)だったガイギャックスが、友人であるロブ・クンツにDMを任せ、自身がプレイヤーとして体験するために作成したのがこの1レベルのウィザードでした。
名前の由来はガイギャックスが傾倒していたフィンランド神話にあり、神話上の英雄であるモルデカイとレンミンカイネンを組み合わせた造語となっています。その後、数年間にわたる実際のプレイを通じて、彼は「20レベル超」という驚異的な強さにまで成長し、ガイギャックスにとって最も愛着のあるキャラクターとなりました。
キャラクターの変遷と「サークル・オブ・エイト」
ガイギャックスのプレイ時代、モルデンカイネンは自身の仲間たちと共に「サークル・オブ・エイト(八人会)」という強力な魔法使いのグループを結成しました。彼らは敵地深くに「オブシディアン・シタデル(黒曜石の城塞)」という八角形の要塞を築き、そこを拠点に活動していました。
しかし、1985年にガイギャックスがTSR社を離れたことで、キャラクターの権利は会社側に移りました。その後の公式設定では、モルデンカイネンは「世界最強の魔法使い」として再定義され、サークル・オブ・エイトは善と悪の勢力がどちらかに偏らないようバランスを調整する秘密結社としての側面が強まりました。このように、創造者の意図とは異なる方向へキャラクター像が進化していった経緯があります。
外見と性格、そして哲学
外見上の特徴としては、背が高く、白髪の混じったヴァン・ダイク髭を蓄え、長いブーツを履いて杖を携えた姿で描かれます。その性格は非常に冷徹かつ理知的であり、愚か者を嫌い、常に慎重に物事を判断します。
彼の行動原理は中立性に基づいています。特定の道徳的絶対主義を信じず、世界において善か悪のどちらかが圧倒的な権力を握ることを防ぐため、影から勢力均衡を操作することに心血を注いでいます。
出版履歴とメディア展開
モルデンカイネンのデータは1980年の『The Rogues Gallery』で初めて公開されましたが、ガイギャックスは後に「実際のステータスは教えていないため、著者が捏造したものだ」と主張しています。その後も多くのサプリメントやルールブックに登場し、現代の第5版においても『ストラードの呪い』などのシナリオにその名が見られます。
また、2026年にはダークホース・コミックスより、フォーゴトン・レルムを舞台にした新シリーズの展開が予定されています。ここでは、力を失ったモルデンカイネンがヴォロやタシャと共にドラゴンの黙示録を阻止しようとする物語が描かれる予定です。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 種族 | 人間 |
| クラス | ウィザード |
| 属性 | 中立 (Neutral) |
| 出身地 | ヤティル山脈 |
| 主な所属 | サークル・オブ・エイト(リーダー) |
Frequently Asked Questions
モルデンカイネンはどのような人物ですか?
D&Dのグレーホーク設定に登場する非常に強力な人間ウィザードです。世界の勢力バランスを維持することを目的としており、善悪のどちらにも偏らない中立的な立場から行動します。
「サークル・オブ・エイト」とは何ですか?
モルデンカイネンが率いる8人の強力な魔法使いによる結社です。もともとはガイギャックスが操作していたPCたちの集まりでしたが、後に世界の均衡を守るための秘密組織として設定されました。
なぜ彼のステータスについて議論があるのですか?
創造者のゲイリー・ガイギャックスが、自身のキャラクターの正確な能力値を外部に公開することを拒んだためです。出版されたデータは、著者が想像で作成したものであるとガイギャックス自身が述べています。
ゲームプレイにおいて彼はどのような役割を果たしますか?
多くの場合、高度な魔法の知識を持つ専門家や、物語の鍵を握る強力なNPCとして登場します。キャンペーンによっては、プレイヤーが救出したり、あるいは対峙したりする重要な人物として配置されます。
名前の由来は何ですか?
ゲイリー・ガイギャックスが好んでいたフィンランド神話の英雄、モルデカイ(Mordecai)とレンミンカイネン(Lemminkäinen)を組み合わせたポートマントー(かばん語)です。
References
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- Gygax: "The background I created for Mordenkainen was Finnish-like in nature, and his master was a chap called 'Old Waino'... […] I picked the name because one was sometimes referred to as "Old Waino." I really was captivated with Finnish myth after seeing a B&W movie done by the Russians, I think, about him, , and adventuring to and entering 's fortress, then reading The Green Magician by de Camp and Pratt as well as the ." "Gary Gygax: Q & A (Part X, Page 17-18)". EN World. 2006-06-13. Archived from the original on 2012-10-04. Retrieved 2009-03-15.
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- Gygax: "The original [Circle of Eight] was composed of my PCs – Mordenkainen, Bigby, Yrag, Rigby, Felnorith, Zigby, Vram & Vin. In the novel version the Circle was expanded to encompass other PCs in my campaign such as Tenser. It came into being because Mordenkainen and Associates had a lot of wealth stored up from successful adventuring, located a place for a stronghold deep in enemy territory to assure plenty of action, and then went to work building the citadel. As there was a small army of dwarves associated with the larger, mounted field army, the building project went relatively quickly, about three game years to complete. While it was in progress, the 'boys' were active in raiding the lands around to keep the enemy forces back on their heels." "Gary Gygax: Q & A (Part IV, Page 9)". EN World. 2003-11-01. Archived from the original on 2012-03-19. Retrieved 2009-03-15.