現代の物流システムにおいて、荷物の迅速かつ正確な仕分けは不可欠です。その中核を担う技術の一つがMaxiCode(マキシコード)です。1987年にドナルド・チャンドラーとエリック・バッターマンによって、世界的な配送業者であるUPS(United Parcel Service)向けに開発されたこのシンボルシステムは、現在パブリックドメインとなっており、ISO/IEC 16023として標準化されています。
一般的なQRコードやアステックコードが正方形のグリッドを用いるのに対し、MaxiCodeは六角形のグリッドにドットを配置するユニークな構造を持っています。これにより、高速で移動する荷物であっても、高い精度でスキャンすることが可能です。

Key Facts
- 開発目的:UPSによる荷物の追跡および管理の効率化。
- 構造的特徴:中心に「ブルズアイ(標的)」パターンを持つ1インチ四方の六角形ドット配列。
- データ容量:1つのシンボルで約93文字を格納でき、最大8つまで連結可能。
- 堅牢性:リード・ソロモン符号による強力な誤り訂正機能を搭載。
- 標準規格:国際規格 ISO/IEC 16023 に準拠。
MaxiCodeの構造とデータ形式
MaxiCodeは、別名「Bird's Eye」や「Target」とも呼ばれます。その最大の特徴は、中央に配置された対称的なブルズアイパターンです。このパターンがスキャナーにとっての基準点となり、荷物がベルトコンベアなどで移動していても、瞬時に位置を特定して読み取ることができます。

構造化キャリアメッセージ(Structured Carrier Message)
特定のモード(モード2および3)では、配送に必要な重要情報をまとめた「構造化キャリアメッセージ」が利用されます。このデータはシンボルの中央、ブルズアイの付近に配置されており、以下の項目が含まれます。
- モード識別子:使用されているモード(2または3)を示す4ビットのデータ。
- 郵便番号:数値(米国のZIPコードなど)または英数字の郵便番号。
- 国コード:ISO 3166に基づいた3桁のコード。
- サービス区分:配送業者が割り当てた3桁のサービスクラスコード。
アプリケーション固有の情報
構造化されたデータとは別に、利用目的に応じた可変的な情報を書き込むことが可能です。ここには以下のような管理番号が格納されます。
- 追跡番号(トラッキングナンバー)
- 請求書番号や注文番号
- 顧客参照番号
- 発送元の配送業者識別子
動作モードの分類
MaxiCodeには、用途やデータの形式に応じて複数のモードが存在します。現在のUPSラベルでは、主に配送情報の構造化に適したモード2または3が採用されています。
| モード | 特徴・用途 | ステータス |
|---|---|---|
| モード 0 | 旧式。右上に白い水平六角形があるのが特徴。 | 廃止 |
| モード 1 | 旧式。モード4に置き換えられた。 | 廃止 |
| モード 2 | 数値郵便番号を含む構造化メッセージ(主に米国国内用)。 | 現行 |
| モード 3 | 英数字郵便番号を含む構造化メッセージ(主に国際用)。 | 現行 |
| モード 4 | 標準的な誤り訂正を用いた非構造化データ。 | 現行 |
| モード 5 | 強化された誤り訂正を用いた非構造化データ。 | 現行 |
| モード 6 | ハードウェアデバイスのプログラミング用。 | 現行 |
Frequently Asked Questions
MaxiCodeとQRコードの最大の違いは何ですか?
最大の違いはグリッドの形状です。QRコードが正方形の格子を用いるのに対し、MaxiCodeは六角形の格子を採用しています。また、中央に強力な位置合わせ用のブルズアイパターンを持つため、物流現場のような高速スキャン環境に特化しています。
一部が汚れたり破れたりしても読み取れますか?
はい、可能です。MaxiCodeにはリード・ソロモン符号という強力な誤り訂正技術が組み込まれているため、シンボルの一部が破損していても正確にデータを復元して読み取ることができます。
1つのコードにどれくらいの情報を入れられますか?
1つのシンボルあたり約93文字の情報を保持できます。さらに、より多くのデータが必要な場合は、最大8つのシンボルを連結させて情報を拡張することが可能です。
どのような場所で実際に使われていますか?
主にUPSなどの配送業者の荷物ラベルに使用されています。特に、自動仕分けシステムにおいて、荷物の配送先やサービス区分を瞬時に判別するために活用されています。
References
- "US4874936A - Hexagonal, information encoding article, process and system - Google Patents". patents.google.com. Retrieved 2026-01-20.
- "The history of automatic identification - ID Systems - The Magazine of Keyless Data Entry" (PDF). Archived from the original (PDF) on 2015-09-24.
- Dr. Randal C. Nelson. "Bar Codes". University of Rochester. Retrieved 2023-02-20.
- "ISO/IEC 16023:2000". International Standards Organization. Retrieved 20 December 2018.
- "Technical Specifications – MaxiCode". Qrme. Retrieved 2025-06-04.
{{}}: CS1 maint: deprecated archival service () - "MaxiCode Special-Function Parameters". IBM. Retrieved 2025-06-04.
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