Launch of Mariner 5
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マリナー5号金星の過酷な環境を解き明かしたNASAの探査機

🗓 2026年8月11日

1960年代、人類は隣接する惑星である金星の正体を突き止めるため、数々の挑戦を続けていました。その重要な一翼を担ったのが、NASAマリナー計画の一環として打ち上げられた「マリナー5号」です。この探査機は、金星の厚い雲に覆われた大気や、惑星周囲の磁場、そして太陽粒子などの詳細なデータを収集し、金星が想像以上に過酷な環境であることを世界に示しました。

主要な事実(Key Facts)

  • ミッション形式: 金星へのフライバイ(接近通過)
  • 打ち上げ日: 1967年6月14日
  • 最接近距離: 約3,990キロメートル(1967年10月19日)
  • 主な目的: 金星の大気組成、磁場、および惑星間空間のプラズマ測定
  • 特筆すべき成果: ソ連のベネラ4号とデータを共同分析し、金星の高温・高圧な環境を立証

機体の設計と開発の経緯

もともとマリナー5号は、火星探査機であるマリナー4号のバックアップ機として製造されました。しかし、マリナー4号が成功を収めたため、1967年の打ち上げウィンドウに合わせて金星探査用に仕様変更が行われました。

金星への軌道は火星とは異なるため、機体設計には大幅な変更が必要でした。特に、地球へ向けた高利得アンテナの向きを維持しつつ太陽光を効率的に受けるため、太陽電池パネルの配置を反転させています。また、太陽に接近するため、パネルのサイズを小型化して軽量化を図り、空いたスペースに2つの二周波ビーコン受信アンテナを搭載しました。

Launch of Mariner 5

さらに、熱制御のためのサンシェードや、大気上層を観測するための紫外線光度計などが追加されました。一方で、マリナー4号に搭載されていたテレビカメラや宇宙線検出器などは、ミッション目的の変化に伴い取り除かれています。

Mariner 5 diagram

金星接近と科学的成果

1967年10月19日、マリナー5号は金星に最接近しました。搭載された高感度な観測機器により、金星の大気や惑星間空間に関する貴重なデータがもたらされました。

特に注目すべきは、電波掩蔽(ラジオ・オカルテーション)という手法を用いた観測です。これは探査機からの電波が惑星の大気を通過して地球に届く際の変動を分析することで、大気の密度や温度、屈折率を測定する技術です。このデータは、ほぼ同時期に金星に到達したソ連のベネラ4号が得たデータと組み合わせて分析されました。当時の米ソ共同作業グループ(COSPAR)による解析の結果、金星の表面が極めて高温であり、大気が予想以上に濃密であることが明確になりました。

ミッションの終焉と通信の試み

金星フライバイを終えた後、マリナー5号は太陽を回る軌道に入りました。1967年11月に一旦運用が終了しましたが、その後、マリナー4号と共に太陽風や磁場の共同調査を行うため、再び通信を試みる計画が立てられました。

1968年4月から11月にかけて再捕捉が試みられ、10月14日に一時的に信号が検出されました。しかし、機体がゆっくりと回転していたためか、送信されたコマンドに反応はなく、制御を回復させることはできませんでした。最終的に1968年11月5日、すべての運用が正式に終了しました。

搭載されていた観測装置

マリナー5号は、以下の7つの科学実験装置を用いて多角的な観測を行いました。

マリナー5号 搭載観測装置一覧
装置名 主な観測目的
紫外線光度計 大気上層の組成と温度(ライマンα線などの測定)
Sバンド掩蔽装置 大気および電離層の構造分析
ヘリウム・ベクトル磁力計 惑星間および金星の磁場測定
太陽プラズマプローブ 正イオンのエネルギー範囲と方向性の測定
捕捉放射線検出器 惑星間空間のエネルギー粒子および放射線帯の調査
二周波ビーコン受信機 太陽風の変動と惑星間電子密度の測定
天体力学追跡 金星と月の質量精査、天文単位の更新

Frequently Asked Questions

マリナー5号は金星に着陸しましたか?

いいえ、着陸はしていません。金星のそばを通り過ぎながら観測を行う「フライバイ」という形式のミッションでした。

マリナー4号との最大の違いは何ですか?

マリナー4号は火星探査機でしたが、5号は金星探査用に改造されました。金星への軌道に合わせて太陽電池パネルの向きが変更され、テレビカメラの代わりに紫外線光度計などが搭載されました。

ソ連の探査機と協力したというのは本当ですか?

はい。1969年にCOSPARという組織を通じて、マリナー5号のデータとソ連のベネラ4号のデータを共同で分析し、金星の過酷な環境を解明しました。

ミッション終了後、探査機はどうなりましたか?

金星通過後、太陽を中心とする軌道(太陽周回軌道)に入りました。1968年に一時的に通信が回復しましたが、制御不能であったため、現在は運用停止状態で漂っています。

電波掩蔽(ラジオ・オカルテーション)とは何ですか?

探査機から地球へ送られる電波が、惑星の大気を通過する際に屈折したり遅延したりする現象を利用して、大気の密度や温度などの情報を得る観測手法のことです。

References

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📸 フォトギャラリー

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Mariner 5 diagram