地球のような惑星の内部では、岩石が溶けてマグマとなり、それが地殻内や地表に移動して固まることで火成岩が形成されます。この一連のプロセスをマグマティズム(マグマ活動)と呼びます。私たちが目にする火山活動は、このマグマティズムが地表に現れた結果にすぎません。
マグマは主に、マントルや地殻(大陸地殻および海洋地殻)に含まれるケイ酸塩岩が部分溶融(岩石の一部が溶ける現象)することで発生します。どのような種類のマグマがどこで生成されるかは、その場所のプレートテクトニクス的な環境によって決定されます。
Key Facts
- マグマティズムは、マグマの生成、貫入(地中への侵入)、および噴出を含むプロセスである。
- プレートの境界(収束型・発散型)およびプレート内部のそれぞれで異なるメカニズムが働く。
- 地表に噴出した量よりも、地下で固まった貫入岩の体積の方が圧倒的に多い。
- ホットスポットはプレートの移動を測定するための固定的な基準点として利用される。
プレート境界におけるマグマ活動
収束型境界:沈み込みと衝突
プレートが互いに近づく収束型境界では、活動の段階に応じて異なる現象が起こります。海洋プレートが沈み込む際、プレートから放出された水などの揮発性成分が上方のアセノスフェア(部分的に溶けて流動性を持つ上部マントル)に加わり、融点を下げることで部分溶融が引き起こされます。これにより、弓状に並ぶ火山列(マグマ弧)が形成されます。
一方、大陸同士が衝突すると地殻が著しく厚くなり、内部の温度上昇によって岩石が溶けるアナテクシスが発生します。ここでは主にペラルミナスの花崗岩質貫入岩が形成されます。衝突後の段階では、厚くなった地殻が等静的に跳ね上がったり、伸張的に崩壊したりすることで圧力が低下し、減圧溶融によるマグマ活動が起こります。

発散型境界:海嶺と背弧盆地
プレートが離れていく発散型境界では、主に海洋地殻が新しく生成されます。特に中央海嶺では、上昇するアセノスフェアが減圧して溶けることで、組成が均一なソレアイト質玄武岩(MORB)が絶えず供給されています。
また、沈み込み帯の背後でプレートが広がる背弧盆地でもマグマ活動が見られます。ここでは、沈み込むプレート由来の揮発性成分の影響を受けているため、生成される玄武岩はMORBと島弧玄武岩(IAB)の中間的な性質を持ちます。
プレート内部のマグマ活動
ホットスポットとプルーム
プレートの境界から離れた場所でも、マントル深部から高温の物質が上昇するホットスポット(マントルプルームに関連)が存在します。これによりアセノスフェアが溶け、海洋島玄武岩(OIB)を主成分とする火山島や海山が形成されます。プレートがこの固定的なホットスポットの上を移動することで、ハワイ・エンペラー海山列のような時間経過に伴う火山列が作られます。
ホットスポットが大陸の下にある場合、マントル由来のマグマが大陸地殻を溶かすため、流紋岩などの花崗岩質マグマが地表に現れます。アメリカのイエローストーンがその代表例です。
大陸リフトと大規模火成岩岩省
大陸地殻が引き裂かれるリフト帯では、リソスフェアが薄くなることでアセノスフェアが上昇し、減圧溶融が起こります。ここでは、マントル由来の玄武岩と、それが地殻を溶かしてできた酸性岩の両方が現れるバイモーダル(二峰性)な特徴が見られます。
さらに、極めて短期間に膨大な量のマグマが噴出した領域を大規模火成岩岩省(LIPs)と呼びます。これは面積0.1百万km²以上、体積0.1立方km以上の主に苦鉄質・超苦鉄質の岩石からなり、プレート内部で発生するのが特徴です。
マグマの形態と分布のまとめ
| 設定 | 主なメカニズム | 代表的な岩石・特徴 |
|---|---|---|
| 沈み込み帯 | 揮発性成分による融点降下 | カルクアルカリ系列、島弧玄武岩(IAB) |
| 中央海嶺 | アセノスフェアの減圧溶融 | ソレアイト質玄武岩(MORB) |
| ホットスポット | マントルプルームの上昇 | 海洋島玄武岩(OIB)、流紋岩(大陸下) |
| 大陸衝突帯 | 地殻の肥厚と加熱 | ペラルミナス花崗岩 |
| 大陸リフト | リソスフェアの薄層化・減圧溶融 | バイモーダルな組成(玄武岩・流紋岩等) |
なお、新生代の統計によれば、地球全体で噴出したマグマの総量(約3.7〜4.1 km³)に対し、地下で固まった貫入岩の量(約22.1〜29.5 km³)は遥かに多く、マグマ活動の大部分は地中で完結していることがわかります。
Frequently Asked Questions
マグマティズムと火山活動の違いは何ですか?
マグマティズムは、マグマの生成から地中への貫入、地表への噴出、そして固化して火成岩になるまでの一連の全プロセスを指します。対して火山活動は、そのプロセスのうち地表に現れた現象のみを指します。
なぜ沈み込み帯ではマグマが発生するのですか?
沈み込む海洋プレートから水などの揮発性成分が放出され、それが上方のマントル(アセノスフェア)に混入することで、岩石の融点が下がり、部分溶融が起こるためです。
ホットスポットが「固定されている」とはどういう意味ですか?
地質学的な短い時間スケールにおいて、マントル深部からの上昇流(プルーム)の位置がほとんど変わらないことを意味します。その上のプレートが移動するため、地表には火山列が形成され、これがプレートの移動方向や速度を測る指標となります。
大規模火成岩岩省(LIPs)の定義は何ですか?
主に苦鉄質または超苦鉄質の岩石で構成され、面積および体積がともに0.1百万km³(または立方km)を超え、プレート内部で短期間(通常5000万年未満、多くは100万〜500万年)に形成された領域を指します。
地表に出るマグマと地下で固まるマグマ、どちらが多いですか?
圧倒的に地下で固まる貫入マグマの方が多いです。新生代の推定値では、噴出した量に比べて貫入した量は数倍から10倍近くに達します。
References
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