Behavior of lithostatic pressure according to Heim's theory: it acts in all directions and causes a reduction in volume without deformation of the rocks
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リソスタティック圧力(静岩圧)のメカニズムと地質学的影響

🗓 2026年8月10日

地球の内部深くへと潜るにつれ、上層にある岩石や堆積物の膨大な重量が下層に負荷をかけます。この垂直方向に作用する圧力をオーバーバーデン圧力、あるいはリソスタティック圧力(静岩圧)と呼びます。この圧力は地質学的なプロセスにおいて極めて重要な役割を果たしており、岩石の密度や深さに応じてその値が決定されます。

Key Facts

  • 定義: 地表から特定の深さまでにある物質の重量によって生じる圧力のこと。
  • 深さとの関係: 一般的に深くなるほど圧力は増大し、岩石の孔隙率(ポロシティ)を減少させる。
  • 地圧勾配: 地殻では約270 bar/km、マントルでは約330 bar/kmの割合で上昇する。
  • 物理的影響: 全方向から均等に作用する場合、岩石を変形させることなく体積のみを縮小させる。
  • 重要性: 変成作用や続成作用といった地質学的変化の主要な要因となる。

リソスタティック圧力の定量的決定

静岩圧の計算は、基本的に深さと上層にある物質の密度に基づいています。静水圧平衡状態にある地層では、ステビンの法則を用いて算出されます。簡易的な計算式では、平均密度(ρ)、重力加速度(g)、および深さ(Z)を用いて Pl = ρgZ と表されます。

地質学で一般的に用いられる単位はバール(bar)またはキロバールであり、1バールは105パスカル(Pa)に相当します。なお、地球深部の地球物理学的な解析においては、重力加速度(g)が深さによって変動するため、より複雑な積分関数を用いて精密に算出されます。

圧力の不均衡:オーバープレッシャーとアンダープレッシャー

すべての地層が完全に平衡状態にあるわけではありません。地層の一部が封鎖されたり隔離されたりすると、局所的な圧力変動が生じます。局所的な圧力が静水圧よりも低い状態をアンダープレッシャー、逆に高い状態をオーバープレッシャーと呼びます。

応力状態と側圧係数

地下の任意の点における応力は、互いに直交する3つの軸を持つ「応力楕円体」として解析されます。構造的に安定した地域や引張応力が支配的な環境では、この楕円体の長軸は垂直方向となり、その大きさがリソスタティック圧力と一致します。

一方で、水平方向の応力を正確に測定することは困難です。そのため、垂直応力(σv)に対する平均水平応力の比率である側圧係数(K)を用いて解析が行われます。1952年にテルツァギが提唱した理論では、岩石を弾性体と見なし、ポアソン比(ν)を用いて K = ν / (1 - ν) と定義しました。一般的な固結岩ではポアソン比が0.2〜0.3であるため、Kは0.25〜0.43の範囲になるとされます。

しかし、実際の測定値は理論値と異なることが多く、特に浅い深度ではK値が高く、深くなるにつれて低下する傾向が見られます。

ハイムの理論と岩石の粘弾性

1878年、地質学者のアルベルト・ハイムは、岩石の変形に関する独自の仮説を提唱しました。彼は、岩石の柱には自重で崩壊する限界高度(h)が存在するが、地球内部では隣接する岩石柱が互いに支え合うことで静的平衡が保たれていると考えました。

ハイムは、地質学的な長い時間スケールで見れば、岩石は粘弾性的に振る舞い、流体のように流動すると主張しました。この視点に立つと、リソスタティック圧力はあらゆる方向に均等に作用する静水圧のような性質を持つことになります。

Behavior of lithostatic pressure according to Heim's theory: it acts in all directions and causes a reduction in volume without deformation of the rocks

この理論は、岩塩や石炭のような延性の高い岩石の挙動を説明するのに適しており、深さ1km以上の環境で側圧係数Kが1に近づくという観察結果とも整合します。ただし、土木工学や岩盤力学などの精密な定量評価が必要な分野では、単純な参照モデルとして扱われ、異方性を考慮したより高度な解析が用いられています。

リソスタティック圧力のまとめ

リソスタティック圧力の特性一覧
項目 地殻 (Crust) マントル (Mantle)
平均地圧勾配 約 270 bar/km 約 330 bar/km
作用方向 全方向(等方的に作用) 全方向(等方的に作用)
主な影響 孔隙率の減少、体積縮小 相転移、高密度化
代表的な圧力値 数十km深で 1,000〜2,000 bar さらに高圧

Frequently Asked Questions

リソスタティック圧力と静水圧の違いは何ですか?

どちらも全方向に均等に作用する圧力ですが、静水圧は液体(水など)による圧力であるのに対し、リソスタティック圧力は岩石などの固体物質の重量による圧力です。岩石は液体よりも粘性が高く剪断応力への抵抗があるため、平衡状態に至るまでには地質学的な長い時間を要します。

側圧係数(K)が1であることは何を意味しますか?

側圧係数K=1とは、垂直方向の圧力と水平方向の圧力が等しい状態を指します。これは岩石が流体のように振る舞い、あらゆる方向に均等に圧力が分散している状態であり、非常に深い地下環境や延性の高い岩石層で見られます。

リソスタティック圧力は岩石の形状を変えますか?

純粋なリソスタティック圧力は全方向から均等に作用するため、岩石を特定の方向に押し潰すような変形(差応力による変形)は起こさず、全体的な体積の減少(圧縮)のみを引き起こします。形状の変化を伴う変形は、方向性を持つ別の応力によって生じます。

オーバープレッシャーはなぜ発生するのですか?

地層の一部が不透水層によって封鎖され、内部の流体や物質が逃げ場を失った場合に発生します。これにより、その地点の局所的な圧力が、周囲の岩石の重量から計算される理論的な静水圧を上回ることになります。

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