Landsat 7, launched in 1999, is the 7th of 9 satellites in the Landsat program.
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Landsatリモートセンシング地球観測衛星NASAUSGS

Landsatプログラム半世紀にわたる地球観測の軌跡と科学的貢献

🗓 2026年8月11日

地球の姿を宇宙から継続的に記録し続けるLandsat(ランドサット)プログラムは、NASAと米国地質調査所(USGS)が共同で運営する、世界で最も歴史のある地球観測プロジェクトです。1972年に打ち上げられた最初の衛星から始まり、現在に至るまで、私たちの惑星で起きている環境変化を詳細なデータとして蓄積してきました。

これらの衛星が捉えた膨大な画像データは、単なる写真ではなく、農業、地質学、林業、都市計画、さらには教育分野に至るまで、幅広い科学的分析に活用されています。ユーザーはUSGSの「EarthExplorer」を通じて、これらの貴重なリソースにアクセスすることが可能です。

Key Facts

  • 運用期間:1972年のLandsat 1から2021年のLandsat 9まで、50年以上の継続的な観測を実現。
  • 共同運営:NASA(航空宇宙局)とUSGS(米国地質調査所)による共同プロジェクト。
  • 観測範囲:1つのシーンにつき約185km四方のエリアをカバー。
  • 経済的価値:主要な16の活用分野だけで、年間3億5,000万ドルから4億3,600万ドルのコスト削減に寄与。
  • 次世代機:2030年代初頭に、26のスペクトルバンドを備えた「Landsat Next」の打ち上げを計画中。

Landsatの誕生と波乱の歴史

この壮大な計画の種は、1965年に当時のUSGS所長ウィリアム・T・ペコラが提案したリモートセンシング(遠隔探査)の構想にありました。彼は、マーキュリー計画やジェミニ計画で実証された軌道写真の有用性を、地球の天然資源調査に応用することを考えました。

しかし、実現への道は平坦ではありませんでした。予算当局からの反対や、高高度航空機で十分であるという主張、さらには国防総省による機密保持への懸念や、他国の領土を撮影することへの外交的リスクなど、多くの壁にぶつかりました。それでも、内務省の強力な後押しもあり、1970年にようやくNASAに開発のゴーサインが出されました。

技術的なブレイクスルーをもたらしたのは、バージニア・ノーウッド氏です。彼女はわずか9ヶ月でマルチスペクトルスキャナ(MSS)のプロトタイプを設計し、ヨセミテ国立公園のハーフドームでテストに成功しました。その功績から、彼女は「Landsatの母」と称されています。

Virginia Norwood, "The Mother of Landsat", designed the multispectral scanner.

その後、プログラムは運営主体の変更や予算不足による危機を経験しました。1979年にはNOAA(アメリカ海洋大気庁)へ移管され、一時は民間企業(EOSAT社)への運営委託も試みられましたが、資金難から衛星の運用停止に追い込まれた時期もありました。しかし、1992年の「土地リモートセンシング政策法」の成立により、低コストでのデータ提供と継続的な運用が法的に保証されることとなりました。

Landsat 7, launched in 1999, is the 7th of 9 satellites in the Landsat program.

衛星の進化と技術的仕様

Landsatの衛星は、世代を重ねるごとに搭載センサーが高度化し、より精密な観測が可能になっています。初期のMSSから始まり、TM(セマティック・マッパー)、ETM+(拡張セマティック・マッパー・プラス)、そして最新のOLI(運用陸上イメージャー)とTIRS(熱赤外センサー)へと進化しました。

特に近年のモデルでは、可視光だけでなく、近赤外線や短波赤外線、熱赤外線などの多様な波長帯(スペクトルバンド)を捉えることで、地表の物質や温度の状態を詳細に分析できるようになっています。

The spectral band placement for each sensor of Landsat

例えば、Landsat 8や9では、雲の検出に役立つ「巻雲バンド」や、沿岸域の観測に適した「ウルトラブルーバンド」が追加されました。これにより、環境モニタリングの精度が飛躍的に向上しています。

Landsat 8/9 and Landsat Next spectral band comparison

衛星運用年表

Landsat衛星の運用履歴
衛星名 打ち上げ日 運用終了日 備考
Landsat 1 1972年7月23日 1978年1月6日 当初はERTSと呼ばれていた
Landsat 2 1975年1月22日 1982年2月25日 -
Landsat 3 1978年3月5日 1983年3月31日 -
Landsat 4 1982年7月16日 1993年12月14日 MSSとTMを併載
Landsat 5 1984年3月1日 2013年6月5日 約29年にわたる長期運用を達成
Landsat 6 1993年10月5日 - 打ち上げ直後に喪失
Landsat 7 1999年4月15日 2025年6月4日(予定) 2003年より一部機能制限あり
Landsat 8 2013年2月11日 運用中 OLIおよびTIRSセンサーを搭載
Landsat 9 2021年9月27日 運用中 最新の観測能力を提供

地球の変貌を捉える:具体的な活用事例

Landsatが提供する最大の価値は、同一地点を数十年にわたって観測し続けた「タイムシリーズ(時系列)データ」にあります。これにより、人間活動や自然現象が地球に与えた影響を定量的に分析することが可能です。

環境破壊と自然災害の分析

アラル海の縮小や、氷河の後退といった地球規模の環境変化が、Landsatの画像によって明確に記録されています。また、1988年にイエローストーン国立公園で発生した大規模火災では、画像分析を通じて、森林管理の方法(保存策を講じた土地か、皆伐が行われた土地か)が火災の広がり方にどう影響したかが解明されました。

Landsat image of the Aral Sea in 2013
Landsat images of burned land in Yellowstone National Park in 1989 and 2011
Landsat-5 false color images of the Columbia Glacier, Alaska in 1986 and 2011

資源管理と産業への応用

農業分野では、水利用の監視や作物のマッピング、リスク管理に活用されており、多額の経済的メリットを生んでいます。また、漁業においては、海の色や濁度を分析することで、特定の魚種(メンハーデンなど)が高密度に存在するエリアを80%以上の精度で特定できることが示されました。

A false-color image of irrigated fields near Garden City, Kansas, taken by the Landsat 7 satellite

都市開発と生態系調査

都市の拡大プロセスをタイムラプスのように追跡することも可能です。例えば北京では、1980年代以降の経済改革に伴う環状道路の整備と都市拡大の加速が可視化されています。また、モザンビークのマングローブ林のバイオマス量推定や、新種の発見など、生態学的な研究にも大きく貢献しています。

Landsat false color image highlighting developed areas in pink in Vancouver, British Columbia, Canada

未来への展望

Landsat 8の打ち上げ後、わずか1年で100万件以上のデータダウンロードが記録されるなど、その需要は世界的に高まり続けています。

One year after launch, Landsat 8 imagery had over one million file downloads by data users.

現在はLandsat 9が運用されていますが、次なるステップとして「Landsat Next」の計画が進んでいます。2030年代の導入を目指すこの次世代機では、観測バンド数が現在の11から26へと大幅に増加し、さらに詳細な地球診断が可能になると期待されています。

Frequently Asked Questions

Landsatプログラムとは具体的に何を行うものですか?

NASAとUSGSが共同で運営し、衛星を用いて地球の陸地や沿岸域を継続的に撮影・観測するプログラムです。得られたデータは、環境保護、資源管理、災害対策など、地球上のあらゆる課題解決に利用されています。

Landsatの画像はどのようにして利用できるのですか?

USGSが提供する「EarthExplorer」というウェブサイトを通じて、世界中のユーザーがデジタルデータや画像を閲覧・ダウンロードすることが可能です。

「マルチスペクトルスキャナ(MSS)」とは何ですか?

複数の異なる波長帯(スペクトル)で地表をスキャンして画像を生成する装置です。これにより、人間の目では見えない植物の活性度や地質の特性などを判別することができます。

Landsatのデータはどのような分野で経済的メリットを生んでいますか?

主に農業のリスク管理、政府による地図作成、水利用の監視、森林変化の検出、洪水被害の軽減マッピングなどの分野で、年間数億ドル規模のコスト削減に寄与していると報告されています。

Landsat 7とLandsat 8/9の主な違いは何ですか?

搭載されているセンサーが異なります。Landsat 7はETM+を使用していますが、Landsat 8/9はより高度なOLI(光学)とTIRS(熱赤外)センサーを搭載しており、波長帯の数や解像度が向上しています。

References

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📸 フォトギャラリー

Landsat 7, launched in 1999, is the 7th of 9 satellites in the Landsat program.
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The spectral band placement for each sensor of Landsat
One year after launch, Landsat 8 imagery had over one million file downloads by data users.
A false-color image of irrigated fields near Garden City, Kansas, taken by the Landsat 7 satellite
Landsat image of the Aral Sea in 2013
Landsat images of burned land in Yellowstone National Park in 1989 and 2011
Landsat-5 false color images of the Columbia Glacier, Alaska in 1986 and 2011
Landsat false color image highlighting developed areas in pink in Vancouver, British Columbia, Canada
Landsat 8/9 and Landsat Next spectral band comparison