チリ北部のコキンボ州に位置するラ・セレーナは、首都サンティアゴに次いで国内で2番目に古い歴史を持つ都市です。1544年の創設以来、スペインの植民地時代の面影を色濃く残しながら、現代的なリゾート地としても発展を遂げてきました。美しい海岸線とコロニアル様式の建築物が織りなす街並みは、多くの観光客を魅了し続けています。
主要な事実(Key Facts)
- 歴史的地位: 1544年創設。チリで2番目に古い都市。
- 地理的特徴: コキンボ州の州都であり、太平洋に面した海岸都市。
- 建築様式: 「教会の街」とも呼ばれ、ネオコロニアル様式の建物が特徴。
- 経済の柱: 観光業、教育(ラ・セレーナ大学)、および天文学研究。
- 気候: 冷涼な砂漠気候で、冬に降雨が集中する。
歴史の変遷:破壊と再生の物語
ラ・セレーナは、スペインのペドロ・デ・バルディビアの命により、サンティアゴとペルーのリマを結ぶ海上連絡拠点として設立されました。当初は「ビジャヌエバ・デ・ラ・セレーナ」と呼ばれていましたが、1549年に先住民の蜂起によって一度は完全に破壊されました。その後、フランシスコ・デ・アギーレによって再建され、現在のプラザ・デ・アルマス(中央広場)付近に「サン・バルトロメ・デ・ラ・セレーナ」として再び誕生しました。

17世紀にはフランシス・ドレイクなどの私掠船による襲撃を受け、さらに1730年には大地震によって街の大部分が失われるという困難に見舞われました。しかし、19世紀半ばにはランバート製錬所の設立により工業革命の波が押し寄せ、銅の生産拠点として経済的な飛躍を遂げました。

建築と都市景観:伝統を継承する街並み
ラ・セレーナの最大の魅力は、その独特な建築スタイルにあります。1940年代後半から50年代にかけて実施された「プラン・セレーナ」という都市再開発計画により、コロニアル・リバイバル(植民地様式の復興)という統一感のある景観が形成されました。特に、米国オレゴン州から輸入されたパイン材とアドベ(日干し煉瓦)を用いた伝統的な家屋が、街に温かみのある表情を与えています。

また、街の至る所に点在する石造りの教会は、この街が「教会の街」と呼ばれる所以です。19世紀に建設されたラ・セレーナ大聖堂は、地震の多い地域でありながら、その堅牢な造りにより当時の姿を今に伝えています。

自然環境と気候
地理的には海洋テラスの上に位置しており、海岸線から内陸へと緩やかに傾斜しています。気候は冷涼な砂漠気候に分類され、フンボルト海流の影響で年間を通じて気温が安定しています。夏は乾燥し、午前中に霧が出やすいものの、正午には快晴となり快適な陽気になります。一方、5月から8月の冬の間は雨季となり、年間の降水量の大部分がこの時期に集中します。

観光と経済:ビーチから星空まで
観光面では、アベニダ・デル・マル沿いに広がるビーチリゾートが最大の資源です。特に夏季にはチリ国内やアルゼンチンから多くの観光客が訪れます。ただし、海岸線によっては波が非常に荒いため、海水浴には適さない場所もあります。一方で、近郊のモリージョスなどのビーチは、広大な砂丘と穏やかな海で知られています。

また、ラ・セレーナは世界的な天文学研究の拠点としても重要です。エルキ渓谷にあるセロ・トロロ汎米天文台をはじめ、欧州南天文台(ESO)などの組織が活動しており、世界で最も星が綺麗に見える場所の一つとして知られています。

都市のインフラとしては、ラ・フロリダ空港がサンティアゴなどの主要都市を結んでおり、交通の要所となっています。

教育と文化
教育面では、ラ・セレーナ大学を中心に多くの高等教育機関が集まっており、地域のアカデミックな中心地としての役割を担っています。また、スポーツ面ではサッカーのクラブ・デポルテス・ラ・セレーナが人気を博しており、地元産のパパイヤにちなんで「ロス・パパイェロス」という愛称で親しまれています。

年末年始には、街のシンボルである灯台(エル・ファロ)周辺で盛大な祝祭が行われ、地域コミュニティの結束を深めるイベントとなっています。

ラ・セレーナ基本データまとめ
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 創設年 | 1544年 |
| 人口(都市部) | 約212,884人(2024年) |
| 標高 | 28メートル |
| 主要産業 | 観光、教育、天文学、商業 |
| 気候区分 | BWk(冷涼な砂漠気候) |
よくある質問(FAQ)
ラ・セレーナが「教会の街」と呼ばれるのはなぜですか?
街の中に、コロニアル様式やネオクラシック様式で建てられた歴史的な教会や、特徴的な鐘楼を持つ教会が多く点在しているためです。
観光に最適なシーズンはいつですか?
ビーチリゾートを楽しむのであれば、気候が安定し、降水量がほとんどない夏季(12月〜3月頃)が最適です。
天体観測をするにはどこへ行けばいいですか?
市街地から東へ約85kmにあるエルキ渓谷のセロ・トロロ汎米天文台などが有名で、世界最高峰の観測環境が整っています。
ラ・セレーナの建築に特徴があるのはなぜですか?
かつて銅などの鉱物を米国へ輸出していた際、船のバラスト(重石)として持ち込まれたオレゴンパイン材を建築に利用したことや、計画的な都市再開発が行われたためです。
海水浴に適したビーチはありますか?
アベニダ・デル・マル沿いのビーチの多くは波が荒いですが、近郊のグアナケロスや、隣接するコキンボ市のホースシュー(La Herradura)などは穏やかな海で海水浴に適しています。
References
- "Municipality of La Serena" (in Spanish). Retrieved 4 November 2010.
- "National Statistics Institute" (in Spanish). Retrieved 4 November 2010.
- "La Serena (Elqui, Coquimbo, Chile)". Population Statistics. 9 March 2024. Retrieved 2 March 2026.
- "Chile: Regions and Urban Agglomerations". Population Statistics. 22 April 1982. Retrieved 2 March 2026.
- Coquimbo, GORE (19 January 2026). "Área Metropolitana La Serena–Coquimbo queda oficialmente en marcha tras Toma de Razón". GORE Coquimbo (in Spanish). Retrieved 2 March 2026.
- "La Serena (Municipality, Chile)". Population Statistics. 1 July 2023. Retrieved 2 March 2026.
- http://www.letsgochile.com/locations/small-north/coquimbo-iv/la-serena Archived 3 June 2017 at the La Serena article
- Téllez 2008, p. 46.
- León 1991, p. 13.
- León 1991, p. 14.
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