インドネシアの東ジャワ州ケディリに位置するケルッド山は、環太平洋火山帯およびスンダ弧の一部を形成する非常に活動的な成層火山です。標高1,731メートルに達するこの山は、歴史的に激しい爆発的噴火を繰り返してきたことで知られており、西暦1000年以降、30回以上の噴火が記録されています。
主要な事実(Key Facts)
- 山種: 成層火山(Stratovolcano)
- 所在地: インドネシア 東ジャワ州 ケディリ
- 最高地点: 標高 1,731メートル
- 直近の噴火: 2014年2月13日
- 特徴: 爆発的な噴火が多く、広範囲に火山灰を飛散させる
歴史に刻まれた噴火の記録
ケルッド山の活動は、インドネシアの歴史的な記述に残っている数少ない火山の一つです。例えば、1365年に執筆された『ナガラクレターガマ』には、1334年の噴火がマジャパヒト王国のハヤム・ウルク王の誕生と同じ年に起きたことが記されています。当時の人々は、このような自然現象を神々の神聖な兆候として捉えていました。
しかし、その神聖さと同時に、ケルッド山は甚大な被害をもたらしてきました。1586年には、この山史上最悪とされる噴火が発生し、1万人以上の命が失われたと伝えられています。
泥流(ラハール)の脅威と対策
1919年5月19日の噴火では、ラハール(火山泥流)によって約5,000人が犠牲となりました。その後も1951年、1966年、1990年と噴火が続き、合わせて250名以上の死者が出ています。特に泥流の被害を軽減するため、1966年の噴火後には火口湖の水位を調節して危険を抑える「アンペラトンネル」が建設されました。

近年の活動と社会への影響
1990年と2007年の噴火
1990年2月には、高さ7キロメートルに達するテフラ(火山砕屑物)の柱が立ち上がり、火砕流が発生しました。この際、30人以上の人間と300匹以上のサルが犠牲となりました。また、アンペラトンネルの入り口が最大25メートルの堆積物に埋もれるという事態となりました。
2007年11月には、火口湖から溶岩ドーム(粘性の高い溶岩が盛り上がったもの)が形成される噴火が発生しました。当初は小規模な活動と見られていましたが、次第に火口湖の温度が上昇し、最終的に溶岩ドームが湖を埋め尽くして湖が消失しました。
2014年の大規模噴火
2014年2月13日に発生した噴火は、火山爆発指数(VEI)4に相当するプリニー式噴火でした。この噴火により、直径約500キロメートルにわたる広範囲に火山灰が降り注ぎ、西ジャワのバンドン付近まで到達しました。

この影響で、ジョグジャカルタやスラバヤを含む7つの空港が閉鎖され、経済的に甚大な損失が発生しました。また、ボロブドゥール寺院などの世界的な観光地も灰の影響で一時閉鎖され、多くの観光客が予約をキャンセルしました。死者は、灰の重みによる家屋倒壊や灰の吸入により3名に上りました。

ケルッド山の概要まとめ
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 標高 | 1,731 m |
| 主な噴火形式 | 爆発的噴火 / プリニー式噴火 |
| 1586年の被害 | 死者10,000人以上 |
| 1919年の被害 | 死者約5,000人(主に泥流による) |
| 2014年の影響 | VEI 4、広範囲の空港閉鎖と経済損失 |
Frequently Asked Questions
ケルッド山とはどのような種類の火山ですか?
インドネシアの東ジャワ州にある成層火山で、スンダ弧という火山帯に位置しています。歴史的に非常に爆発的な噴火を繰り返す傾向があります。
ラハール(Lahar)とは何ですか?
火山噴火に伴って発生する高温の泥流のことです。1919年の噴火では、このラハールによって多くの犠牲者が出ました。
2014年の噴火はどのような影響を与えましたか?
大量の火山灰がジャワ島全域に降り注ぎ、7つの空港が閉鎖されたほか、農業や製造業、観光業に甚大な経済的損失をもたらしました。
アンペラトンネルの目的は何ですか?
火口湖の水を適切に管理し、水位を調整することで、噴火時に発生する危険な泥流(ラハール)のリスクを軽減するために建設されました。
過去に最も被害が大きかった噴火はいつですか?
記録によれば1586年の噴火で、1万人以上の死者が出たとされており、ケルッド山史上最悪の噴火とされています。
References
- Thouret, et al., "Origin, Characteristics, and Behavior of Lahars Following the 1990 Eruption of Kelud Volcano, Eastern Java (Indonesia)," Bulletin of Volcanology, June 1998.
- "Erupai Kelud Ciptakan Kawah Bediameter 400 Meter". March 1, 2014.
- Ahmad Arif (November 28, 2014). "Merekayasa Gunung Kelud".
- Mpu Prapanca, translated by Slamet Muljana. "Terjemahan Kakawin Dēśawarṇnana (Nāgarakṛtāgama)" (in Indonesian). Jejak Nusantara. Archived from the original on 5 February 2015. Retrieved 5 February 2015.
- "Kelud volcano". volcanodiscovery.com. Retrieved 27 January 2021.
- "Eruption of Kelud in 1586". infid.be. 9 December 2017. Retrieved 27 January 2021.
- "Indonesia Volcano Starts to Erupt," Associated Press, November 3, 2007.
- Karmini, "Indonesian Volcano Threatens to Erupt," Associated Press, October 16, 2007.
- "Mt. Kelud Starts to Erupt," Jakarta Post, November 3, 2007.
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