デジタル画像の保存と配信において、効率的な圧縮と高品質な再現の両立は常に重要な課題です。JPEG XL(拡張子 .jxl)は、Joint Photographic Experts Groupによって開発された最新のビットマップ画像フォーマットであり、従来のJPEGを継承しつつ、現代のニーズに合わせた高度な機能を提供します。ロスレス(可逆)とロスリ(非可逆)の両方の圧縮方式をサポートしており、写真からWebコンテンツまで幅広く対応することを目指しています。
Key Facts
- 標準規格: ISO/IEC 18181として標準化されており、オープンかつロイヤリティフリーで利用可能。
- 柔軟な圧縮: 高効率なロスリ圧縮に加え、完全なロスレス圧縮をサポート。
- 互換性と拡張性: 従来のJPEGからの移行パスを提供し、将来的なサイズ制限にも対応した設計。
- 業界の採用: Windows 11、Android、Apple製品、および主要なWebブラウザ(Firefox、Pale Moonなど)でサポートが拡大中。
JPEG XLの技術的特徴と仕組み
JPEG XLは、PIKやFLIF、FUIFといった先行技術をベースに構築されており、ISO-BMFF(ISOベースメディアファイルフォーマット)を拡張して設計されています。その最大の特徴は、用途に応じて使い分けられる2つの主要なエンコードモードにあります。
これらのモードは、画像の特定の特性をモデル化することで、さらに効率的なデータ削減を実現します。また、将来的な画像サイズの増大を見越した設計がなされており、長期的な運用においても耐えうる仕様となっています。

データ構造とアップグレードパス
JPEG XLは単なる新しいフォーマットではなく、既存のJPEG資産を効率的に移行させるためのパスを備えています。これにより、過去のデータを維持しながら、より高い圧縮率や画質へとアップグレードすることが可能です。
エコシステムとソフトウェアサポート
JPEG XLの参照実装であるlibjxlはC++で記述されており、Unix系OSやWindowsなど多様な環境で動作します。このライブラリを基に、多くのアプリケーションやOSがサポートを導入しています。
OSレベルでは、AndroidやAppleのプラットフォーム、そしてWindows 11(24H2以降)でサポートされており、特にMicrosoft Photosなどの標準アプリでネイティブに閲覧可能です。

また、画像内の位置情報を保持するEXIFデータの扱いにも対応しており、高度なメタデータ管理が可能です。

対応ブラウザとツール
Webブラウザの対応状況は変動していますが、Pale Moonが先駆けてサポートし、その後Firefox(バージョン152以降)やOrion Browserなどが導入しました。また、GraphicsMagickやPixelmator Proなどのグラフィックスエディタでも利用可能です。
規格の詳細まとめ
JPEG XLは、機能ごとに複数のパートに分かれて標準化されています。以下にその構成をまとめます。
| パート | 正式名称 | 公開日 | ISO/IEC番号 |
|---|---|---|---|
| Part 1 | Core coding system(コアコーディングシステム) | 2022年3月30日 | 18181-1:2024 |
| Part 2 | File format(ファイルフォーマット) | 2021年10月13日 | 18181-2:2026 |
| Part 3 | Conformance testing(適合性テスト) | 2022年10月3日 | 18181-3:2025 |
| Part 4 | Reference software(参照ソフトウェア) | 2022年8月5日 | 18181-4:2022 |
Frequently Asked Questions
JPEG XLとはどのようなフォーマットですか?
Joint Photographic Experts Groupが開発した、ロスレスおよびロスリ圧縮に対応する次世代の画像フォーマットです。高い圧縮効率とオープンなライセンスを特徴としています。
従来のJPEGと何が違うのですか?
より高度な圧縮アルゴリズムを採用しており、ファイルサイズを抑えつつ画質を維持できるほか、ロスレス保存やHDR対応など、現代的な機能が統合されています。
どのブラウザで閲覧できますか?
Firefox(バージョン152以降)やPale Moon、Orion Browserなどでサポートされています。また、OS標準のフォトビューアー(Windows 11など)でも閲覧可能です。
ライセンス料金はかかりますか?
いいえ。JPEG XLはロイヤリティフリーかつオープンソースのライセンスで公開されており、誰でも自由に使用することができます。
拡張子は何ですか?
標準的な拡張子は「.jxl」です。インターネットメディアタイプとしては「image/jxl」として定義されています。
References
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- "Can JPEG XL Become the Next Free and Open Image Format? – Slashdot". 2021-02-20. Archived from the original on 2021-12-30.
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- Alakuijala, Jyrki; van Asseldonk, Ruud; Boukortt, Sami; Szabadka, Zoltan; Bruse, Martin; Comsa, Iulia-Maria; Firsching, Moritz; Fischbacher, Thomas; Kliuchnikov, Evgenii; Gomez, Sebastian; Obryk, Robert; Potempa, Krzysztof; Rhatushnyak, Alexander; Sneyers, Jon; Szabadka, Zoltan (2019-09-06). "JPEG XL next-generation image compression architecture and coding tools". In Tescher, Andrew G.; Ebrahimi, Touradj (eds.). Applications of Digital Image Processing XLII. Vol. 11137. SPIE. p. 20. :2019SPIE11137E..0KA. :10.1117/12.2529237. .
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