ジョン・トゥープ氏の経歴:国際法と高等教育における先駆的な歩み
学術界のリーダーとして、また国際法の権威として世界的に知られるジョン・トゥープ氏は、カナダとイギリスの両国で数々の名門教育機関を率いてきました。法学への深い造詣と、組織運営における卓越したリーダーシップを武器に、彼は大学の近代化や国際的な学術交流の促進に大きく寄与しました。
主要な実績(Key Facts)
- ケンブリッジ大学において、英国人以外で初めて副総長(Vice-Chancellor)に就任。
- ブリティッシュコロンビア大学(UBC)の第12代総長および副総長を歴任。
- カナダ高等研究所(CIFAR)の第5代総裁として組織を牽引。
- カナダ政府よりカナダ勲章(Officer of the Order of Canada)を授与。
- 国際法および国際関係の専門家として、国連の作業部会などの公的機関で活動。
学術的キャリアの始まりとカナダでの指導的役割
トゥープ氏は博士号取得後、マギル大学の教員としてキャリアをスタートさせました。1994年から1999年にかけて同大学法学部の学部長を務めた際、カリキュラムの刷新を主導したほか、カナダの法学部史上最大規模となる資金調達キャンペーンを成功させ、新たな法学図書館の建設を実現しました。
その後、ピエール・エリオット・トルドー元首相の名を冠したトルドー財団の代表を務め、教育と社会貢献の橋渡し役を担いました。
北米のトップ大学での総長就任
2006年7月1日、トゥープ氏はブリティッシュコロンビア大学(UBC)の第12代総長および副総長に就任しました。同時に終身教授として法学の教鞭も執り、2014年6月30日まで8年間にわたり大学の舵取りを行いました。退任の理由は、国際法および国際関係における学術的・専門的な関心をさらに追求するためでした。
UBC退任後の2015年1月には、トロント大学のムンク・グローバル事務局(Munk School of Global Affairs)のディレクターに就任し、グローバルな視点からの政策研究を推進しました。
ケンブリッジ大学での歴史的快挙と改革
2017年10月1日、トゥープ氏はイギリスのケンブリッジ大学において、その歴史上初めての非英国人副総長(第346代)に就任するという快挙を成し遂げました。副総長としての職務に加え、法学部の国際法教授、クレア・ホールの教授フェロー、およびトリニティ・カレッジの名誉フェローを兼任しました。
在任中の2020年、彼は年次演説において、大学のポートフォリオから化石燃料への投資を撤廃することを表明し、環境問題への強い姿勢を示しました。また、2018年には寄稿文を通じて、大学を市場原理に委ねようとする英国政治家の姿勢に批判的な見解を述べています。
彼は2022年9月30日をもって副総長の職を退きましたが、これは当初の7年任期を2年早めた形での退任となりました。
社会貢献と栄誉ある称号
トゥープ氏の活動は大学運営に留まりません。カナダ人権財団やカナダ世界大学サービス、国連の「強制失踪または非自発的失踪に関する作業部会」、そしてカナダ国際開発研究センター(IDRC)など、人権擁護や国際開発を推進する組織の理事として尽力してきました。
その功績は高く評価され、アルバータ大学、ブリティッシュコロンビア大学、マギル大学、ブリストル大学から名誉博士号を授与されています。また、2019年にはオンタリオ州法曹協会から名誉法学博士号(LLD)を受け、同年にはカナダ王立協会(Royal Society of Canada)のフェローに選出されました。
現在の活動:CIFAR総裁として
2022年5月に選出され、同年11月1日付でカナダ高等研究所(CIFAR)の第5代総裁に就任しました。現在は、学際的な研究の推進を通じて、複雑な社会的課題の解決に取り組んでいます。
| 期間 / 年 | 組織・役職 | 主な役割・成果 |
|---|---|---|
| 1994年 - 1999年 | マギル大学 法学部長 | 法学図書館の建設、カリキュラム刷新 |
| 2006年 - 2014年 | ブリティッシュコロンビア大学 総長 | 大学運営の統括、法学教授 |
| 2015年1月 - | トロント大学 ムンク・グローバル事務局 | ディレクターとしてグローバル事務を統括 |
| 2017年 - 2022年 | ケンブリッジ大学 副総長 | 初の非英国人就任、化石燃料投資の撤廃を表明 |
| 2022年11月 - | カナダ高等研究所 (CIFAR) | 第5代総裁として就任 |
Frequently Asked Questions
ジョン・トゥープ氏はケンブリッジ大学でどのような歴史的記録を作りましたか?
彼はケンブリッジ大学の歴史において、英国人以外で初めて副総長(Vice-Chancellor)に就任した人物となりました。
環境問題に関して、ケンブリッジ大学在任中にどのような決定を下しましたか?
2020年の年次演説において、大学の投資ポートフォリオから化石燃料への投資を完全に排除することを発表しました。
カナダ国内でどのような公的栄誉を受けていますか?
2015年にカナダ勲章(Officer of the Order of Canada)を授与されたほか、2019年にはカナダ王立協会のフェローに選出されています。
人権や国際開発のためにどのような活動を行ってきましたか?
国連の強制失踪に関する作業部会や、カナダ人権財団、カナダ国際開発研究センター(IDRC)などの理事を務め、国際的な人権擁護に貢献しました。
現在の役職は何ですか?
2022年11月より、カナダ高等研究所(CIFAR)の第5代総裁を務めています。