Category 7 S/FTP cable
← ホームへ戻る

ISO/IEC 11801規格構内汎用配線システムの詳細解説

🗓 2026年8月13日

現代のネットワークインフラを支える基盤となるのが、ISO/IEC 11801です。この国際規格は、オフィスや工場、家庭などの構内における汎用的な通信配線システム(構造化配線)の基準を定めています。アナログ電話から最新の高速データ通信、ビル制御、工場自動化まで、幅広いアプリケーションに対応するための設計指針を提供しています。

本規格は、国際標準化機構(ISO)と国際電気標準会議(IEC)によって策定されており、銅線(ツイストペアケーブル)と光ファイバーの両方をカバーしています。主に単一の建物やキャンパス内の複数建物(最大3km、オフィス空間は最大1km、収容人数50人から5万人の規模を想定)での利用に最適化されていますが、その適用範囲はさらに広い環境まで及びます。

Key Facts

  • 包括的な基準: 銅線および光ファイバーの両方の配線規格を定義。
  • 広範な適用: 商業施設、住宅、産業用ネットワークを統合的にカバー。
  • 最新の改訂: 2017年の大幅改訂により、データセンターやIoTデバイス向け配線などの専門分野が分冊化。
  • 性能の指標: ケーブルの「カテゴリー」と、コネクタを含むリンク全体の「クラス」で性能を区分。

ツイストペアケーブルのカテゴリーとクラス

銅線配線において、ISO/IEC 11801は最大動作周波数に基づいた「クラス」と「カテゴリー」を定義しています。これにより、要求される通信速度に応じた適切なケーブルとコネクタの選択が可能になります。

ツイストペアケーブルの性能区分一覧
クラス 対応カテゴリー 最大周波数
Class A Cat 1 100 kHz
Class B Cat 2 1 MHz
Class C Cat 3 16 MHz
Class D Cat 5e 100 MHz
Class E Cat 6 250 MHz
Class EA Cat 6A 500 MHz
Class F Cat 7 600 MHz
Class FA Cat 7A 1 GHz
Class I / II Cat 8.1 / 8.2 2 GHz

カテゴリー7および7Aの特性と現状

カテゴリー7(Class F)は、100メートルの距離で10ギガビットイーサネットを実現するために2002年に策定されました。ノイズ耐性を高めるため、個々のペア線とケーブル全体の両方にシールドを施しているのが特徴です。これにより、従来の非シールドケーブルよりも厳しいクロストーク(隣接線からの電磁干渉)基準をクリアしています。

Category 7 S/FTP cable

その後、従来の8P8Cコネクタ(RJ45)を維持したまま10Gbpsを実現するカテゴリー6A(Class EA)が登場したため、多くのネットワーク機器はCat 6Aを優先して採用しました。また、カテゴリー7A(Class FA)は最大1GHzまで対応し、将来的な40Gbps通信への期待を込めて導入されましたが、最終的に40GBASE-Tはより高周波なカテゴリー8で定義されることとなりました。

カテゴリー8による超高速通信

カテゴリー8は、最大2GHzという極めて高い周波数に対応しています。ただし、伝送距離はパッチコードの構成により30mから36mまでに制限されています。ISO/IEC 11801-1では、Cat 6Aと互換性のある「Class I (Cat 8.1)」と、TERAやGG45コネクタを使用しCat 7Aと相互運用可能な「Class II (Cat 8.2)」の2つのオプションが提供されています。

Cross-section of a Category 8 F/FTP cable

光ファイバー配線の規格

光ファイバーに関しては、コア径や帯域幅、減衰率に基づいて以下のように分類されています。

  • マルチモード(OM): コア径が50μmまたは62.5μm。OM1からOM5まであり、特にOM5はSWDM(短波長分割多重)を用いて850〜953nmの範囲で広帯域通信を行う設計となっています。
  • シングルモード(OS): 非常に細いコアを持ち、長距離伝送に適しています。OS1、OS1a、OS2があり、OS2は1310/1383/1550nmにおいて最大0.4 dB/kmという低い減衰率を実現しています。

ケーブル構造の表記法

ツイストペアケーブルの構造は、「xx/xTP」という形式の略称で詳細に指定されます。Uは非シールド(Unshielded)、Sは編組シールド(Braided shielding)、Fは箔シールド(Foil shielding)を指します。

  • U/UTP: 全体および個別のペアともにシールドなし。
  • U/FTP: 個別ペアはシールドされているが、全体シールドはなし。
  • F/UTP または S/UTP: 全体シールドはあるが、個別ペアはなし。
  • F/FTP または S/FTP: 全体および個別ペアの両方にシールドを適用。

2017年版による規格の統合と分冊化

2017年11月にリリースされた新エディションでは、これまで個別に存在していた商業、家庭、産業用ネットワークの規格が統合されました。現在は以下の6つのパートに分かれて詳細が定義されています。

  • Part 1 (一般要件): 銅線および光ファイバーの基本要件。
  • Part 2 (オフィス): 商業ビル向けの配線。
  • Part 3 (産業施設): 自動化やプロセス制御を含む産業用配線。
  • Part 4 (住宅): CATV/SATVを含む家庭用配線。
  • Part 5 (データセンター): 高性能ネットワーク向けの配線。
  • Part 6 (分散ビルサービス): IoTデバイスや無線ネットワーク向け配線。

Frequently Asked Questions

カテゴリー7は現在も推奨されますか?

カテゴリー7は高性能ですが、多くのネットワーク機器が採用している標準的な8P8Cコネクタではなく、専用のコネクタを必要とする場合があります。そのため、実用上の互換性とコストの面から、多くの環境ではカテゴリー6Aが選択される傾向にあります。

カテゴリー8の最大伝送距離が短いのはなぜですか?

カテゴリー8は2GHzという極めて高い周波数を利用して超高速通信を実現しているため、信号の減衰が激しくなります。そのため、データセンター内のラック間接続など、短距離(最大30〜36m)での利用に特化した設計となっています。

OM5光ファイバーのメリットは何ですか?

OM5は、SWDM(短波長分割多重)技術に対応しており、複数の波長(キャリア)を同時に伝送できます。これにより、少ないファイバー本数で40G、100G、さらには400Gといった超高速通信を実現することが可能です。

S/FTPとU/UTPの主な違いは何ですか?

U/UTPはシールドがないため柔軟で安価ですが、外部からの電磁干渉(EMI)を受けやすい特性があります。一方、S/FTPは個別のペアを箔で包み、さらに全体を編組シールドで覆っているため、ノイズ耐性が非常に高く、高速・安定した通信が可能です。

ISO/IEC 11801とTIA/EIA規格は同じですか?

いいえ、異なります。ISO/IEC 11801は国際規格ですが、TIA/EIAは主に北米で利用される規格です。例えば、カテゴリー7や7AはISO/IECでは定義されていますが、TIA/EIAでは認められていないという違いがあります。

References

  1. "Comprehensive Tutorial of Cat5e vs Cat6 vs Cat6A vs Cat7". Derek. Retrieved 18 December 2021.
  2. "What Ever Happened to Category 7?". Fluke Networks. 5 December 2018. Retrieved 29 July 2020.
  3. Nielsen, Allan (2008). "AMP NetConnect Guide to ISO/IEC 11801 2nd Edition Including Amendment 1" (PDF). Tyco Electronics. p. 11. Archived from the original (PDF) on 3 February 2014.
  4. Hansen, Carl G. (November 2010). "10GBASE-T for Broad 10_Gigabit Adoption in the Data Center". Ethernet Alliance November 2010.
  5. "Researchers push transmission rate of copper cables". News release. Pennsylvania State University. 14 November 2007. Archived from the original on 22 February 2012.
  6. Hodgin, Rick C. (14 November 2007). "Update: Cat 7 copper theorized to transmit 100 Gbit/s in excess of 100 meters (328 ft) using future modems". TGDaily blog. Archived from the original on 3 August 2009.
  7. Flatman, Alan (16 May 2013). "ISO/IEC TR 11801-99-1: Guidance on 40GBASE-T Cabling -a tutorial-" (PDF). Retrieved 26 January 2014.
  8. Flatman, Alan (11 November 2013). "Update on ISO/IEC 11801-99-1 Guidance on 40GBASE-T Cabling" (PDF). Retrieved 9 July 2014.
  9. Flatman, Alan (23 January 2014). "Update on ISO/IEC 11801-99-1 40GBASE-T Cabling Guidelines" (PDF). Retrieved 9 July 2014.
  10. "Standards – ISO/IEC JTC 1/SC 25 – Interconnection of Information Technology Equipment". International Organization for Standardization. Retrieved 2 October 2016.

📸 フォトギャラリー

Category 7 S/FTP cable
Cross-section of a Category 8 F/FTP cable