BIC code on the end of a shipping container
← ホームへ戻る

ISO 6346輸送コンテナの識別コードとマーキング規格

🗓 2026年8月13日

世界中で行われているインターモーダル輸送(複数の輸送手段を組み合わせた輸送)において、膨大な数のコンテナを正確に管理することは物流の根幹です。この管理を世界共通のルールで運用しているのが、国際標準化機構(ISO)が策定したISO 6346という規格です。

この規格は、コンテナに付与される固有の識別番号や、所有者の情報、コンテナのサイズや種類を示すマーキングの方法を定義しています。これにより、国や運送会社が異なっても、視覚的なコードだけでそのコンテナが「誰のものか」「どのような仕様か」を瞬時に判別することが可能になります。

Key Facts

  • 世界共通規格:ISO 6346に基づき、すべてのインターモーダルコンテナに固有の識別番号が付与される。
  • BICによる管理:所有者コードの登録と管理は、パリに拠点を置く国際コンテナ局(BIC)が担当している。
  • 構成要素:識別番号は「所有者コード」「設備カテゴリー」「シリアル番号」「チェックディジット」で構成される。
  • サイズ・タイプコード:コンテナの長さ、高さ、幅、および用途(冷凍、タンクなど)をアルファベットと数字の組み合わせで示す。
  • 運用の重要性:規格外のコード(SOCなど)は、税関手続きやターミナルでのシステム管理において不整合の原因となる。

コンテナ識別システムの構造

ISO 6346に準拠したコンテナ番号は、単なる数字の羅列ではなく、特定の意味を持つセグメントに分かれています。

所有者コードと設備カテゴリー

まず、先頭の3文字のアルファベットが所有者コードです。これはコンテナの所有者や主要な運送業者を示し、世界的に重複がないようBICに登録されています。例えば、1社が複数のコードを持つ場合があり、3文字目で標準コンテナかリーファー(冷蔵)コンテナかなどの区分を示す運用が行われています。

所有者コードに続く1文字が設備カテゴリー識別子です。一般的に以下の文字が使用されます。

  • U:すべての貨物コンテナ(現在、公式なBICコードの多くはこのUで終わります)
  • J:取り外し可能なコンテナ関連設備
  • Z:トレーラーおよびシャーシ
BIC code on the end of a shipping container

シリアル番号とチェックディジット

次に、所有者が任意に割り当てる6桁の数字であるシリアル番号が続きます。これにより、同一所有者のフリート内での個体識別を行います。

最後に、1桁のチェックディジット(検証数字)が付加されます。これは、入力ミスや伝達エラーを防ぐための計算値であり、前の10文字(所有者コード+カテゴリー+シリアル番号)から算出されます。

チェックディジットの算出メカニズム

チェックディジットの計算は、データの正確性を担保するための数学的なプロセスです。以下の3つのステップで算出されます。

  1. 数値変換:アルファベットを特定の数値に変換します(A=10, B=12...のように、11の倍数は除外されます)。シリアル番号の数字はそのまま使用します。
  2. 重み付け:各桁の数値に、2のべき乗(1, 2, 4, 8...512)を掛け合わせます。
  3. 剰余計算:合計値を11で割り、その余りがチェックディジットとなります。ただし、余りが10になった場合は0として扱います。

サイズおよびタイプコードの定義

コンテナの物理的な特性は、別のコード体系で管理されています。これは主に4文字で構成され、1文字目が長さ、2文字目が幅と高さ、3〜4文字目がコンテナのタイプ(用途)を表します。

主要なISOサイズ・タイプコード例
ISOタイプグループ サイズタイプコード 説明
20GP 20G0 / 20G1 汎用コンテナ(General Purpose)
20TD 20T3 〜 20T8 タンクコンテナ
22RT 22R1 リーファーコンテナ(冷蔵)
42GP 42G0 / 42G1 汎用コンテナ(40フィート級)
45GP 45G0 / 45G1 ハイキューブコンテナ
42PC 42P3 / 42P8 フラットラック(折り畳み式)

実務上の課題と運用上の注意点

理論上はすべてのコンテナがISO 6346に従うべきですが、実務ではSOC(Shipper Owned Container:荷主所有コンテナ)において規格外のマーキングが見られることがあります。これらはBICに登録されていないコードを使用していたり、チェックディジットが欠落していたりすることがあります。

しかし、現代の物流ターミナルや船社の管理システムはISO 6346準拠を前提として設計されています。規格外のコンテナはシステム上で正しく認識されず、便宜上の仮コード(XXXXなど)が割り当てられるため、貨物の不一致や配送ミスのリスクが高まります。また、国際的な税関条約(イスタンブール条約など)においても、この規格に基づいたマーキングが求められています。

Frequently Asked Questions

ISO 6346のコードは誰が管理していますか?

所有者コードの登録と世界的な一意性の管理は、フランスのパリにある国際コンテナ局(BIC: Bureau International des Containers)が行っています。

チェックディジットがある理由は何ですか?

コンテナ番号の入力や転記の際に発生する誤りを検知するためです。計算式に基づいた検証を行うことで、存在しない番号や誤った番号がシステムに登録されるのを防ぎます。

「U」以外の設備カテゴリー識別子はありますか?

はい。貨物コンテナの「U」以外に、取り外し可能な設備を示す「J」、およびトレーラーやシャーシを示す「Z」が定義されています。

SOC(荷主所有コンテナ)で規格外のコードがあるのはなぜですか?

荷主が独自に管理しているコンテナの場合、BICへの登録手続きを行わず、社内管理用の番号をそのまま記載しているケースがあるためです。ただし、これは物流効率を低下させる要因となります。

サイズタイプコードの「G0」や「R1」は何を意味しますか?

これらはコンテナの仕様を示します。例えば「G0」は一般的な汎用コンテナ(Openings at one or both ends)を、「R1」は機械的な冷却・加熱機能を備えたリーファーコンテナを指します。

References