図書館や情報センターが効率的に運営されるためには、組織、蔵書、提供サービスなどの情報を体系的に管理する仕組みが不可欠です。ISO 2146は、こうした「レジストリサービス(登録管理サービス)」のための情報モデルを定義した国際標準規格であり、組織間の円滑な連携を支える基盤となっています。
ISO 2146の核心的な役割
この規格の最大の特徴は、個別の資料レベルで情報を扱うMARC(機械可読目録形式)などの標準とは異なり、より上位の概念的なレイヤーで情報を管理することにあります。具体的には、以下の4つの主要要素を軸に情報モデルを構築しています。
- 当事者(Parties): 個人や組織などの主体。
- コレクション(Collections): 書籍やデータなどの蓄積物。
- サービス(Services): 提供される具体的な機能や支援。
- 活動(Activities): プロジェクトや助成金などの取り組み。
規格の変遷と進化の歴史
ISO 2146は、時代の要請に合わせてその適用範囲を拡大してきました。1972年に「図書館、情報およびドキュメンテーションセンターのディレクトリ」として第1版が発行され、その後1988年に第2版へと更新されました。
大きな転換点となったのが第3版です。当初はオンラインでの相互貸借(インターライブラリーローン)サービスの支援を主目的として開発が始まりましたが、最終的にはネットワーク環境で動作するレジストリ全般のルールへと拡張されました。これにより、多様なアプリケーションやドメインにおいて、図書館や関連機関が蔵書管理やドキュメンテーションサービスを最適に提供できる体制が整えられました。この第3版は2010年3月に正式に発行されています。
Key Facts
- 目的: 図書館および関連組織のレジストリサービスにおける情報モデルの標準化。
- 管理レベル: 個別のアイテム単位ではなく、組織やサービスなどの高レベルな要素を定義。
- 主要構成要素: 当事者、コレクション、サービス、活動の4点。
- 最新版: 2010年3月に発行された第3版。
- 進化の背景: オンライン相互貸借のニーズから、広範なネットワーク環境への対応へ拡大。
ISO 2146の概要まとめ
| 版数 | 発行年 | 主な焦点・特徴 |
|---|---|---|
| 第1版 | 1972年 | 図書館・情報センターのディレクトリ定義 |
| 第2版 | 1988年 | 規格の更新と維持 |
| 第3版 | 2010年 | ネットワーク環境への対応、相互貸借支援、広範な情報モデルへの拡張 |
Frequently Asked Questions
ISO 2146とMARCの違いは何ですか?
MARCが個々の本や資料(アイテムレベル)の詳細な書誌情報を記述するための規格であるのに対し、ISO 2146はそれらを保有する組織や提供されるサービスといった、より上位の管理単位(レジストリレベル)を定義するモデルです。
この規格で定義されている「当事者」とは具体的に何を指しますか?
情報サービスに関わる個人や、図書館、大学、研究機関などの組織を指します。
第3版で拡張された主な目的は何ですか?
もともとはオンラインでの相互貸借サービスを効率化することが目的でしたが、最終的にはネットワーク上でコレクションや活動、サービスに関する情報を共有し、多様な分野でドキュメンテーションサービスを運用するための包括的なルールへと発展しました。
ISO 2146はどのような組織に役立ちますか?
図書館だけでなく、アーカイブ、情報センター、およびそれらと連携してデータや資料を管理・提供するあらゆる関連組織に活用されます。