金融業界におけるデータのやり取りを円滑にするため、メッセージングの標準化は不可欠です。かつて証券業界で利用されていたISO 7775から、より柔軟な設計を持つISO 15022への移行は、業界の効率性を大きく向上させました。本記事では、この規格がどのような目的で誕生し、どのように運用されているのかを詳しく解説します。

Key Facts

  • ISO 15022は、旧規格であるISO 7775を置き換えるために導入された。
  • メッセージそのものではなく、メッセージを作成するための「ルールとガイドライン」を定義している。
  • SWIFTが登録機関(Registration Authority)として運用を担っている。
  • EDIFACT(電子データ交換の国際標準)と互換性のある構文を提供している。
  • 後継規格としてISO 20022が策定されている。

ISO 15022誕生の背景と目的

1992年にロンドンで開発されたISO 15022は、証券業界がより効率的にメッセージ標準を構築できるツールを提供することを目的に誕生しました。それ以前の規格であるISO 7775では、MT 520やMT 534といった個別のメッセージ標準そのものが規格内に含まれていました。

しかし、この構造では規格を変更するたびに時間のかかる標準化サイクルを何度も繰り返す必要があり、迅速なアップデートが困難という課題がありました。そこでISO 15022では、具体的なメッセージ内容ではなく、メッセージを構築するための共通ルールとガイドラインを定めるアプローチを採用しました。

規格の仕組みと運用の特徴

ISO 15022の最大の特徴は、登録機関によるチェックを経て、ガイドラインに準拠して作成されたメッセージであれば、自動的に「ISO 15022準拠」として認められる点にあります。これにより、個別のメッセージ形式を柔軟に作成・更新することが可能になりました。

また、本規格は2種類の構文(シンタックス)を提供しています。一つは従来の標準との互換性を維持したものであり、もう一つはEDIFACT(電子データ交換のための国際標準規格)と高い親和性を持つものです。これにより、異なるシステム間でのデータ連携が容易になりました。

現在、SWIFTが登録機関としてこの規格を管理しており、MT103やMT202 Cov、MT540、MT542、MT548といった多様な金融メッセージタイプに適用されています。

規格の変遷まとめ

証券メッセージング規格の進化
規格名 主な特徴 役割・位置づけ
ISO 7775 個別のメッセージ標準を直接定義 旧規格(ISO 15022に置き換え)
ISO 15022 構築ルールとガイドラインを定義 現行の主要規格(SWIFTが管理)
ISO 20022 次世代のメッセージング標準 ISO 15022の後継規格

Frequently Asked Questions

ISO 15022とISO 7775の根本的な違いは何ですか?

ISO 7775は個別のメッセージ形式そのものを定義していましたが、ISO 15022はメッセージを作成するための「ルールとガイドライン」を定義しています。これにより、変更のたびに長い標準化サイクルを回す必要がなくなり、柔軟な運用が可能になりました。

ISO 15022の登録機関はどこですか?

SWIFTが登録機関(Registration Authority)を務めており、規格の適用と管理を行っています。

どのようなメッセージタイプに適用されていますか?

MT103やMT202 Cov、MT540、MT542、MT548など、幅広いSWIFT金融メッセージタイプに適用されています。

ISO 15022の後の規格は何ですか?

ISO 15022の後継として、さらに進化したISO 20022が策定されています。

EDIFACTとの関係性はありますか?

はい。ISO 15022は、EDIFACT(電子データ交換の国際標準)とかなり互換性のある構文を提供しており、データ交換の効率化を図っています。