化学プラントや石油化学施設などの複雑なプロセスを正確に伝えるためには、世界共通の「言語」としての図面規格が不可欠です。ISO 10628は、こうした産業分野におけるフロー図(工程図)の分類や記載内容、表現方法を定義した国際規格であり、設計者や運用者が齟齬なく情報を共有するための基盤となっています。
Key Facts
- 化学および石油化学業界向けのフロー図に関する国際標準規格である。
- 図面の分類、盛り込むべき内容、および表現形式を規定している。
- 電気工学に関する図面は本規格の適用範囲外である。
- 2000年版および1997年版の旧規格を統合・更新し、現在の構成となっている。
ISO 10628の構成と役割
本規格は、実務的な利便性を高めるため、大きく2つのパートに分かれて構成されています。これにより、図面全体の設計指針と、個別の部品や機器を示す記号の定義が明確に区別されています。
パート1:図面の仕様 (ISO 10628-1:2014)
第1部では、フロー図をどのように分類し、どのような情報を盛り込むべきかという「仕様」について定めています。これにより、異なる組織が作成した図面であっても、一貫したルールに基づいて解釈することが可能になります。
パート2:グラフィカルシンボル (ISO 10628-2:2012)
第2部では、図面内で使用されるグラフィカルシンボル(視覚的に意味を伝える図記号)を定義しています。機器や配管などの構成要素を標準化された記号で描くことで、言語の壁を越えた直感的な理解を促進します。
規格の適用範囲と変遷
ISO 10628は、化学・石油化学分野のプロセス図に特化した規格です。そのため、電気回路図などの電気工学的な図面については対象外となっており、別途適切な規格を参照する必要があります。
また、本規格は時代の変化や技術的な進歩に合わせて更新されており、過去に発行されたISO 10628:2000およびISO 10628:1997の内容を継承しつつ、それらに取って代わる最新の基準として運用されています。
| パート | 規格番号 | 主な内容 |
|---|---|---|
| パート1 | ISO 10628-1:2014 | 図面の分類、内容、表現方法の仕様 |
| パート2 | ISO 10628-2:2012 | 標準的なグラフィカルシンボルの定義 |
Frequently Asked Questions
ISO 10628は何を目的とした規格ですか?
化学および石油化学工業で使用されるフロー図の書き方や内容、記号などを標準化し、世界中で正確に情報を伝達することを目的としています。
電気図面にもこの規格を適用できますか?
いいえ、ISO 10628は電気工学の図面には適用されません。電気系統の図面には別の専門規格を使用してください。
この規格はどのような構成になっていますか?
図面の仕様を定める「パート1」と、使用する記号を定義する「パート2」の2つのパートで構成されています。
古いバージョンのISO 10628はまだ有効ですか?
現在のISO 10628は、1997年版および2000年版に取って代わる最新の規格として策定されています。