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ILEWG月探査火星探査国際協力宇宙開発

国際月探査ワーキンググループ(ILEWG)が推進する月・火星探査の未来

🗓 2026年8月11日

人類が再び月へ降り立ち、さらにその先の火星へと歩みを進めるため、世界各国の宇宙機関が手を取り合っています。その中心的な役割を担っているのが国際月探査ワーキンググループ(ILEWG)です。1994年に設立されたこの組織は、地球の唯一の天然衛星である月の探査と利用に向けた世界戦略を策定し、国際的な協力を促進するための公開フォーラムとして機能しています。

ILEWGの創設には、NASA(アメリカ)やNASDA(日本:現JAXA)、ESA(欧州)、Roskosmos(ロシア)、CNES(フランス)、DLR(ドイツ)、ASI(イタリア)、BNSC(イギリス)、ASA(オーストラリア)、ISAS(日本:現JAXA)といった、世界有数の宇宙機関が参画しました。

Key Facts

  • 目的: 月の探査および利用に関する世界戦略の策定と国際協力の推進。
  • ロードマップ: 有人ミッションに先立ち、15年間のロボット運用期間を想定。
  • 主要活動: ICEUM国際会議の開催や、月・火星のアナログ環境でのフィールドキャンペーンの実施。
  • 戦略的アプローチ: ロボットによる現地資源利用(ISRU)と居住施設の建設を先行させる計画。

月面探査への戦略的ロードマップ

ILEWGが描く未来のタイムラインでは、いきなり人間を送り込むのではなく、まずはロボットによる先行運用に重点を置いています。約15年間にわたるロボットミッションを通じて、月面での資源活用(in-situ resource utilisation)の可能性を検証し、将来的に人間が滞在するための居住施設を建設することを目指しています。

このような段階的なアプローチにより、リスクを最小限に抑えつつ、持続可能な月面活動の基盤を構築することが計画されています。

EuroMoonMars:地球上での擬似体験と研究

月や火星への植民を現実のものとするため、ILEWGはEuroMoonMarsというイニシアチブを立ち上げました。これは、地球上で月や火星に似た過酷な環境(アナログ環境)を選定し、そこでフィールドキャンペーンを行うことで、技術的な検証や科学的調査、探査訓練を行うプロジェクトです。

2009年にユタ州のMDRS(Mars Desert Research Station)で実施されたEuroGeoMarsから始まり、その後も世界各地で多様なミッションが展開されています。これらの活動には、データ分析や機器のテスト、トレーニング、そして一般へのアウトリーチ活動が含まれています。

EMMIHSとHI-SEASによる共同研究

現在、ILEWGは国際月基地同盟(IMA)およびハワイの宇宙探査アナログ・シミュレーション(HI-SEAS)と連携し、EMMIHSキャンペーンを推進しています。標高約2,500メートルに位置するHI-SEASの施設では、IMAの創設者であるヘンク・ロジャース氏の所有のもと、ミカエラ・ムシロバ博士の指揮下で、月や火星などの惑星天体を想定したシミュレーションミッションが定期的に行われています。

IgLuna:氷の中の居住区構想

また、欧州宇宙機関(ESA)のLabプロジェクトの一環として、スイス宇宙センター(SSC)が主導するIgLunaも注目されています。これは月の氷冠(アイスキャップ)内部に居住区を作るという構想を検証するもので、2019年にはマッターホルン氷河の「グレイシャー・パレス」という極限環境の中で、欧州9カ国から集まった学生チームによるモジュール実証実験が行われました。

活動実績と主要キャンペーンの履歴

ILEWGは1994年以来、ICEUM(月探査・利用に関する国際会議)を主催し、コミュニティによる宣言の採択や、EGU、COSPAR、EPSCといった主要な学会でのセッション共催を行ってきました。2006年には中国の北京で第8回会合が開かれ、「月北京宣言」が合意されました。

EuroMoonMarsおよび関連キャンペーンの実施履歴
実施年 キャンペーン名 概要・特記事項
2009 EuroMoonMars-Eifel ILEWG, ESA ESTEC, VU Amsterdam等の共同実施
2010 EuroMoonMars-DOMMEX NASA Ames, VU Amsterdam等による連携
2010 EuroMoonMars SALM レユニオン島にて実施
2011 EuroMoonMars2011 (MDRS) 初のEMM-MDRSミッション
2012 EuroMoonMars2012 (MDRS) 詳細なクルーおよびサポート体制による運用
2017 LunAres (Poland) ポーランドでの実施、ESTEC等がミッションコントロールを担当
2018 EMM-Iceland / EMMIHS-0 アイスランドでの偵察およびハワイでの初回偵察
2019 EMMIHS-I / EMMIHS-II HI-SEAS施設での本格的なシミュレーション
2019 EMM-IgLuna マッターホルン氷河内での氷中居住区実証
2020 EMMIHS-III / IV HI-SEASでの継続的なミッション実施
2021 CHILL-ICE 氷環境におけるミッション検証

Frequently Asked Questions

ILEWGとはどのような組織ですか?

世界各国の宇宙機関がスポンサーとなり、月の探査と利用に関する国際的な戦略を策定し、協力を促進するために設立された公開フォーラムです。

月面への有人探査の前に何を行う計画ですか?

約15年間のロボット運用期間を設けています。この期間に、現地にある資源をどのように利用するか(ISRU)を検証し、人間が住むための施設をロボットに建設させる計画です。

EuroMoonMarsの目的は何ですか?

地球上の月や火星に似た環境(アナログ環境)でフィールドキャンペーンを行うことで、将来の植民に向けた技術テスト、科学的調査、および乗組員のトレーニングを行うことです。

HI-SEASとは何ですか?

ハワイにある宇宙探査アナログ・シミュレーション施設です。標高2,500メートルの高地に位置し、月や火星などの惑星環境を模した居住施設でシミュレーションミッションが行われています。

IgLunaプロジェクトでは何を研究していますか?

月の氷冠(アイスキャップ)の中に居住区を作るというビジョンに基づき、スイスのマッターホルン氷河のような極限環境で、氷の中の居住モジュールの実証実験を行っています。

References

  1. David, Leonard (31 July 2006). "Multi-Nation Moon Collaboration Backed". Space.com. Retrieved 2021-05-27.
  2. INTERNATIONAL LUNAR EXPLORATION WORKING GROUP (ILEWG)
  3. Global Robotic Village & International Lunar Bases Nov 2009[]
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  6. Foing, B. H.; EuroMoonMars 2018-2019 Team (2019). "EuroMoonmars Instruments, Research, Field Campaigns, and activities 2017-2019" (PDF). 50th Lunar and Planetary Science Conference 2019 (2132): 3090. :2019LPI....50.3090F.{{}}: CS1 maint: numeric names: authors list ()
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