Hattie Larlham:知的・発達障害者の自立を支援するオハイオ州の先駆的非営利団体
アメリカ合衆国オハイオ州に拠点を置くHattie Larlhamは、知的および発達障害を持つ子どもや成人が、社会の一員として豊かな人生を送れるよう包括的なサポートを提供する非営利団体です。医療ケアから就労訓練、教育、居住支援に至るまで、多岐にわたるサービスを展開し、現在1,600人以上の利用者を支えています。
Key Facts
- 設立: 1961年(2021年に創立60周年を迎える)
- 創設者: ハティ・レナ・ガッド・ラーラム(看護師)
- 拠点: オハイオ州マントゥア(本部)および州内各地
- 支援対象: 知的・発達障害を持つ子どもおよび成人
- 主なサービス: 医療、就労支援、レクリエーション、教育、居住支援
創設の経緯と歴史的歩み
この団体の原点は、看護師であったハティ・レナ・ガッド・ラーラムの強い使命感にあります。彼女は看護の現場で、発達障害を持つ子どもたちへの専門的なケアが著しく不足している現状を目の当たりにしました。ある時、手術不可能な水頭症を持って生まれた近所の少女を自宅に迎え入れたことが、すべての始まりでした。
彼女の献身的な活動は瞬く間に広まり、当初は家族の小さな農家で10人の子どもをケアしていましたが、すぐに100人もの待機者ができるほどの状況となりました。1961年に組織を立ち上げ、1963年には正式に「Hattie Larlham Foundation」を設立しました。
ハティ・ラーラム氏の功績は全米に知れ渡り、ジミー・カーター、ロナルド・レーガン、ジョージ・H・W・ブッシュという3代の米国大統領に対し、障害者問題のアドバイザーを務めるまでになりました。彼女はオハイオ州女性名誉殿堂にも選出されており、1996年に没した後は、自らが設立した「Hattie Larlham Center for Children with Disabilities」に埋葬されています。
組織は時代に合わせて進化を続けています。2008年には旗艦施設であるセンターの1,600万ドル規模の改修・拡張を完了し、2015年にはウェストervilleに拠点を置く「Association for the Developmentally Disabled (ADD)」を統合したことで、サービス提供エリアをオハイオ州中部まで拡大しました。
多様なコミュニティ支援プログラム
Hattie Larlhamは、単なるケアにとどまらず、利用者が社会と接点を持ち、自立した生活を送るための多様なプログラムを運営しています。
Constant Companions(成人向けデイサポート)
北東オハイオ州のユニオンタウンやツインズバーグなど7つの拠点で展開している成人向けプログラムです。ここでは、教育や市民活動への参加、ボランティア活動を通じて、地域社会への統合を促進しています。
Hattie's Doggie Day Care & Boarding(職業訓練)
犬のデイケアや長期預かり、グルーミングを提供する事業です。専門のジョブコーチの指導のもと、障害を持つスタッフが実際に動物の世話を行うことで、実務的な就労スキルを習得します。クリーブランド近郊の施設は5,300平方フィートに及び、最大規模の訓練拠点となりました。
創造性と持続可能性を追求した過去の取り組み
団体はこれまで、芸術や農業を通じた社会参加の道を切り拓いてきました。
- Hattie's Creative Arts: 芸術表現を通じてコミュニケーション能力を高めるプログラムです。参加者の作品は、障害の有無に関わらず純粋な芸術的価値で審査されるフロリダ州の美術祭に選出されるなど、高い評価を得ました。
- Hattie's Gardens: 輪作やコンポスト、天敵利用などの化学薬品を使わない持続可能な農法を学ぶ就労訓練です。オールドトレイルスクールやアクロン動物園で展開され、学校給食への食材提供など、食のサイクルを学ぶ教育拠点としても機能しました。
- Hattie's Food Hub: 2016年にアクロンに開設された、食料品店と商業用キッチンを備えた施設です。新鮮な農産物が手に入りにくい「フードデザート(食の砂漠)」地域に設置され、障害を持つスタッフが農産物の加工・販売を行うことで、地域貢献と就労訓練を同時に実現しました。
組織概要まとめ
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 組織形態 | 非営利団体(Nonprofit) |
| 主な活動地域 | アメリカ合衆国オハイオ州 |
| 支援人数 | 1,600人以上の児童および成人 |
| 評価 | 北東オハイオ州の「最高の職場(Best Places to Work)」に7回選出 |
| 公式サイト | hattielarlham.org |
Frequently Asked Questions
Hattie Larlhamとはどのような団体ですか?
オハイオ州で知的・発達障害を持つ子どもや成人に、医療、教育、就労訓練、居住支援などの包括的なサービスを提供する非営利団体です。
創設者のハティ・ラーラム氏はどのような人物でしたか?
看護師として障害児ケアの不足を痛感し、自ら自宅で子どもたちをケアし始めた先駆者です。後に3人の米国大統領のアドバイザーを務め、オハイオ州女性名誉殿堂にも名を連ねています。
どのような就労支援が行われていますか?
過去には農業(Hattie's Gardens)や食料品販売(Food Hub)、芸術活動、そして犬のデイケア(Doggie Day Care)など、実社会でのスキルを習得できる多様なプログラムを提供してきました。
サービスの提供エリアはどこまで広がっていますか?
もともとは北東オハイオ州を中心に活動していましたが、2015年のADD(Association for the Developmentally Disabled)の統合により、オハイオ州中部までサービス範囲を拡大しています。
どのような評価を受けている組織ですか?
質の高いケアだけでなく、職場環境としても高く評価されており、北東オハイオ州における「最高の職場」として7度の選出を受けています。