誰もが知る童話「白雪姫」の物語は、王子様との結婚で幸せに終わります。しかし、1989年に制作されたアニメーション映画『Happily Ever After』(邦題未定)は、その「めでたしめでたし」の先に待ち受ける新たな試練を描いたユニークな続編作品です。伝統的な物語を大胆にアレンジし、女性キャラクターたちの活躍に焦点を当てた本作の魅力と、波乱に満ちた制作背景について解説します。
Key Facts
- 物語の視点: 白雪姫が王子を救い出すという、伝統的な役割を逆転させたストーリー展開。
- 新キャラクター: 7人の小人の代わりに、自然の力を操る女性親戚「ドワーフェル」が登場。
- 豪華声優陣: ドム・デルイースやフィリス・ディラーなど、当時の著名な俳優たちが声を担当。
- 波乱の歴史: ディズニー社との法的な争いにより、米国公開まで数年の時間を要した。
物語のあらすじ:新たな敵と運命の再会
邪悪な継母を倒し、王子との結婚を控えていた白雪姫。しかし、亡くなった女王の兄であるロード・マリスが復讐に現れます。マリスは王国を荒廃させ、王子を捕らえてしまいます。逃げ延びた白雪姫が辿り着いたのは、かつての仲間である7人の小人たちの家でしたが、彼らは別の王国へ旅立っていました。
そこで白雪姫を助けたのが、小人たちの女性親戚であるドワーフェルたちです。彼女たちはそれぞれ異なる自然の力を操る能力を持っていました。白雪姫は、自然の化身であるマザー・ネイチャーの導きを受け、ドワーフェルたちと共にマリスの根城である「破滅の領域」へと向かいます。
道中、正体不明の「シャドウマン」という人物に助けられながら、白雪姫はついにマリスとの最終決戦に挑みます。絶体絶命の危機に陥りながらも、ドワーフェルたちが団結して力を合わせたことで、白雪姫はマリスを打ち破ることに成功します。物語の結末では、呪いでシャドウマンに変えられていた王子が元の姿に戻り、二人は真の幸せを掴みます。
制作の舞台裏とディズニー社との対立
本作を制作したFilmation社は、ディズニー映画で人気となった童話をベースに、ビデオ向け続編シリーズを計画していました。しかし、この戦略はウォルト・ディズニー・カンパニーの強い反発を招きます。ディズニー側はこれらの作品を「露骨な模倣」であると主張し、1987年に法的な訴訟へと発展しました。
この訴訟を受け、Filmation社はキャラクターのデザインをディズニー版に似せないよう変更し、タイトルも変更せざるを得ませんでした。また、象徴的な「7人の小人」を「7人のドワーフェル」に置き換えたのも、この法的な制約を回避するための策であったとされています。
また、白雪姫役に黒人女優のアイリーン・カーラを起用したことは、当時としては非常に先駆的な「カラーブラインド(人種を問わない)」キャスティングであったとプロデューサーのルー・シャイマーは振り返っています。
作品データまとめ
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 監督 | ジョン・ハウリー |
| 制作会社 | Filmation Associates |
| 公開日 | 1989年6月30日(フィリピン)、1993年5月28日(米国) |
| 上映時間 | 74分 |
| 予算 / 興行収入 | 予算 680万ドル / 興行収入 330万ドル |
| 言語 | 英語 |
評価とレガシー
1993年の米国公開時には大規模な広告キャンペーンが展開されましたが、興行成績は振るわず、批評家からも厳しい評価を受けました。特にアニメーションの質や物語の展開について、ディズニーの傑作と比較して低く評価される傾向にありました。
一方で、一部のレビューでは、伝統的な「救われるヒロイン」ではなく、自ら王子を救い出す白雪姫の描き方や、個性的でカラフルな声優陣の演技が高く評価されています。また、1994年にはスーパーファミコン向けにビデオゲーム化もされました。
Frequently Asked Questions
この映画はディズニー作品の公式な続編ですか?
いいえ、公式ではありません。Filmation社によって制作された独立した作品であり、ディズニー社とは法的な争いがあったため、全く異なる権利関係にあります。
「ドワーフェル」とはどのようなキャラクターですか?
7人の小人の女性親戚たちで、それぞれ土、植物、太陽、水、動物、夜、天候といった自然の力を操る能力を持っています。白雪姫を助ける重要な役割を担っています。
なぜ米国での公開まで時間がかかったのですか?
ディズニー社との訴訟問題に加え、制作会社であるFilmation社が1989年に閉鎖したことが影響し、最終的な米国公開は1993年まで延期されました。
物語の結末はどうなりますか?
白雪姫がロード・マリスを倒し、呪いでシャドウマンに変えられていた王子を救い出します。その後、マザー・ネイチャーに見守られながら、二人は結婚して幸せに暮らしました。
現在、この作品を視聴することはできますか?
過去にVHSやDVDでリリースされており、現在はユニバーサル・ピクチャーズ(ドリームワークス・アニメーション経由)が権利を保有しています。
References
- Also known as Snow White: Happily Ever After and Happily Ever After: Snow White's Greatest Adventure.