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外生変数内生変数経済モデル計量経済学IS-LMモデル

外生変数と内生変数の違い経済モデルにおける決定要因の基礎知識

🗓 2026年8月11日

経済学の理論を構築する際、ある現象が「何によって決まるのか」を明確にすることは不可欠です。そこで重要になる概念が外生変数内生変数です。これらはモデル内部で値が決定されるのか、あるいは外部から与えられるのかという役割の違いによって区別されます。

Key Facts

  • 外生変数:モデルの外部で値が決まり、前提条件としてモデルに投入される変数。
  • 内生変数:モデル内部のメカニズムや方程式によって値が導き出される変数。
  • 外生的な変化:外生変数の値が変動すること。
  • 内生的な変化:モデル内の相互作用の結果として内生変数が変動すること。
  • 計量経済学における内生性:変数がモデルの誤差項と相関を持っている状態を指す。

外生変数と内生変数の基本概念

経済モデルとは、複雑な現実世界を単純化して分析するための枠組みです。この枠組みの中で、分析の対象となる結果(アウトプット)が内生変数であり、その結果に影響を与える外部要因(インプット)が外生変数となります。

例えば、ある商品の価格が需要と供給のバランスで決まるモデルを考えるとき、価格はモデル内部で算出されるため内生変数です。一方で、天候などの外部要因で供給量が変わる場合、その天候はモデルの外で決まるため外生変数として扱われます。

モデルの構成による変数の役割の変化

重要な点は、ある変数が常にどちらか一方であるとは限らないことです。分析するモデルの範囲(スコープ)によって、その変数の性質は変化します。小さなモデルでは外生的に扱われていたものが、より大きな包括的なモデルに組み込まれると内生変数に変わることがあります。

ISモデルとLMモデルの例

財市場を分析するISモデルでは、利子率を外部から与えられた条件(外生変数)として扱い、それに基づいて市場が均衡する所得水準(内生変数)を導き出します。利子率が変化すれば、設備投資額が変わり、結果として国民所得が変動するためです。

一方で、貨幣市場を分析するLMモデルでは、所得(国民所得)を外生変数として固定し、貨幣の供給量と需要のバランスから利子率を内生的に決定します。

統合モデル(IS-LMモデル)への発展

これら2つのモデルを統合したIS-LMモデルになると、状況は変わります。財市場と貨幣市場の両方を同時に考慮するため、これまで外生的に扱われていた「利子率」と「所得」の両方が、モデル内部で相互に影響し合いながら決定される内生変数となります。

計量経済学における「内生性」の特殊な意味

理論的なモデル構築とは別に、統計的にデータを分析する計量経済学の分野では、「内生性(Endogeneity)」という言葉がより専門的な意味で使われます。ここでは、ある変数がモデルの誤差項(説明しきれないランダムな変動)と相関している状態を指します。対して、誤差項と相関を持たない変数を外生変数と呼びます。

変数特性のまとめ

外生変数と内生変数の比較
比較項目 外生変数 (Exogenous) 内生変数 (Endogenous)
決定場所 モデルの外部 モデルの内部
役割 前提条件・入力値 分析結果・出力値
変化の性質 外部からの衝撃(ショック) モデル内のメカニズムによる反応
計量経済学的視点 誤差項と相関しない 誤差項と相関する場合がある

Frequently Asked Questions

外生変数と内生変数は絶対的に決まっているものですか?

いいえ。どの変数を外生的に扱い、どれを内生的に扱うかは、分析者がどのようなモデルを構築し、何を明らかにしたいかという目的によって決まります。

「外生的な変化」とは具体的にどのようなことですか?

モデルの外部で決定される要因が変動することを指します。例えば、政府が政策的に貨幣供給量を変更した場合、それはモデルにとって外生的な変化となります。

IS-LMモデルにおいて、なぜ利子率と所得の両方が内生変数になるのですか?

ISモデル(財市場)とLMモデル(貨幣市場)を同時に解くことで、両方の市場が同時に均衡する唯一の点を探るため、どちらか一方を固定せず、両方の値をモデル内部で導き出す必要があるからです。

計量経済学での「内生性」が問題になるのはなぜですか?

変数が誤差項と相関している(内生性がある)場合、単純な回帰分析では係数の推定値に偏りが生じ、正確な因果関係を測定できなくなるためです。

References

  1. Mankiw, N. Gregory. Macroeconomics, third edition, 1997.
  2. Varian, Hal R., Microeconomic Analysis, third edition, 1992.
  3. Chiang, Alpha C. Fundamental Methods of Mathematical Economics, third edition, 1984.
  4. (2009). Introductory Econometrics: A Modern Approach (Fourth ed.). Mason: South-Western. p. 88.  .