欧州道路E20号線の全貌:アイルランドからロシアまでを結ぶ壮大なルート
欧州の西端から東端へと延びる欧州道路E20号線は、国連の国際E道路ネットワークの一翼を担う重要な幹線道路です。アイルランドのシャノン空港を出発し、ロシアのサンクトペテルブルクに至るまで、総延長約1,880kmにわたって展開します。このルートは単なる一本の道ではなく、海を越えるフェリー航路と複数の国の高速道路網が組み合わさった、ダイナミックな交通回廊となっています。
Key Facts
- 総距離:約1,880km(1,170マイル)
- 通過国:アイルランド、イギリス、デンマーク、スウェーデン、エストニア、ロシアの6カ国
- ルートの特徴:完全な陸路ではなく、3箇所の海域をフェリーで横断する必要がある
- 主要都市:ダブリン、リバプール、コペンハーゲン、ストックホルム、タリン、サンクトペテルブルクなど
ルートの構造と地理的展開
E20号線は、地理的な制約から4つの主要セクションに分かれています。それぞれの区間は、現地の高速道路や国道と重複しており、国によって標識の有無や道路規格が異なります。
アイルランドとイギリスの区間
旅の始まりはアイルランドのシャノン空港です。ここからダブリンまでは、M7やN7といった主要道路を経由して約228km走行します。リマリック付近では、2010年に開通したシャノン・トンネルがバイパスとして機能しています。ダブリンに到達後、アイルランド海を渡るフェリーでイギリスのリバプールへ移動します。
イギリス国内では、リバプールからハルまで約205kmのルートを辿ります。M62やM60といった高速道路を利用しますが、この区間ではE20としての標識は設置されていません。

北欧の横断:デンマークとスウェーデン
イギリスのハルからデンマークのエスビャーへは、商業用ドライバー向けのフェリーが運行されていますが、一般旅客向けの定期便は現在ありません。デンマーク国内では、全区間が高速道路となっており、リトルベルト橋やストアベルト固定リンクなどの巨大橋梁を渡り、コペンハーゲンへと向かいます。
コペンハーゲンからスウェーデンのマルメへは、トンネルと橋を組み合わせたエーレスンド橋を介して国境を越えます。スウェーデン国内では、ストックホルムに至るまで約770km走行します。特にストックホルム市内のエッシンゲレデンは、スカンジナビア半島で最も交通量の多い道路として知られ、深刻な渋滞が発生しやすいため、2014年には「ノッラ・レンケン」という新トンネルが開通しました。
バルト海を越えて:エストニアとロシア
ストックホルムからエストニアのタリンへは、約15時間を要するカーフェリーで移動します。エストニア国内では国道1号線がE20の役割を果たしており、タリンからロシア国境のナルヴァまで約218kmを走行します。一部の区間では、季節に応じて制限速度が変動する高速道路が整備されています。
最後は「友情の橋」を渡ってロシアに入り、イヴァンゴロドからサンクトペテルブルクまで約142kmの二車線道路(A180号線)を走行して終点に到達します。なお、エストニア・ロシア間の国境検問所では事前予約が必要であり、非常に長い待ち時間が発生することがあります。

E20号線 ルート概要まとめ
| セクション | 起点(西端) | 終点(東端) | 主な通過点・接続路 |
|---|---|---|---|
| セクション1 | シャノン空港(アイルランド) | ダブリン(アイルランド) | リマリック、M7/N7 |
| セクション2 | リバプール(イギリス) | ハル(イギリス) | マンチェスター、M62/M60 |
| セクション3 | エスビャー(デンマーク) | ストックホルム(スウェーデン) | コペンハーゲン、エーレスンド橋、ヨーテボリ |
| セクション4 | タリン(エストニア) | サンクトペテルブルク(ロシア) | ナルヴァ、友情の橋、A180 |
Frequently Asked Questions
E20号線は一本の道で走り抜けることができますか?
いいえ、不可能です。ルートの途中に3箇所の海域があるため、アイルランドからイギリス、イギリスからデンマーク、スウェーデンからエストニアの間は、それぞれフェリーを利用して移動する必要があります。
イギリスからデンマークへの旅客フェリーはありますか?
2019年時点の情報では、ハルからエスビャーへの一般旅客向けフェリーは運行されていません。商業ドライバー向けの便はありますが、一般の方はユーロトンネルや他のルートを経由する大幅な迂回が必要です。
ルート中で通行料が発生する場所はありますか?
はい。デンマークのストアベルト橋およびデンマークとスウェーデンを結ぶエーレスンド橋では、通行料が課せられています。
ロシアへの国境越えで注意すべき点はありますか?
エストニアからロシアへ入る際は、国境検問所の利用に事前予約が必要です。それでも、状況によっては数時間から数日間にわたる長い待ち時間が発生する場合があるため、十分な余裕を持つ必要があります。
ストックホルム市内の交通状況はどうですか?
非常に混雑しています。特にエッシンゲレデンはスカンジナビアで最大の交通量を誇り、渋滞が常態化しています。対策として新トンネルの整備やバイパス計画が進められています。
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