Epidot – Prowincja Antsiranana, Madagaskar
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エピドート緑簾石ソロケイ酸塩鉱物学結晶構造

エピドート(緑簾石)の特性と地質学的役割

🗓 2026年8月10日

自然界に広く分布するエピドート(緑簾石)は、その独特な色合いと結晶構造で知られるカルシウム・アルミニウム・鉄を含むソロケイ酸塩鉱物です。ギリシャ語で「増加」を意味する「epidosis」に由来するその名は、プリズム状の結晶の底面において、一方の辺が他方より長いという形態的特徴に基づいています。

Key Facts

  • 化学組成: {Ca2}{Al2Fe}(SiO4)(Si2O7)O(OH)
  • 代表的な色: ピスタチオグリーン、黄緑色、黒緑色など
  • 結晶系: 単斜晶系(プリズム状に成長し、条線が見られることが多い)
  • 硬度: モース硬度 6~7
  • 主な産地: マダガスカル、ブラジル、オーストリア、ノルウェーなど

物理的・光学的な特徴

エピドートの最も顕著な特徴は、その色彩と光学特性にあります。一般的にピスタチオグリーンや黄緑色を呈しますが、含有される鉄分の量によって、色は灰色や褐色、あるいはほぼ黒色まで変化します。また、見る角度によって色が変化するプレオクロイズム(多色性)が強く、緑、黄、茶色の色調が観察されます。

結晶は単斜晶系に属し、伸長方向に沿って深い条線(筋)が入ったプリズム状になることが一般的です。劈開は{001}方向に完全であり、光沢はガラス光沢から樹脂光沢まで幅広く見られます。

Epidot – Prowincja Antsiranana, Madagaskar

生成プロセスと地質学的分布

エピドートは一次的な鉱物ではなく、主に二次的なプロセスを経て形成される岩石形成鉱物です。具体的には、大理石や片岩などの変成岩の中で生成されるほか、火成岩を構成する長石、雲母、輝石、角閃石、ガーネットなどが熱水変質を受けることで生じます。クォーツ(石英)とエピドートからなる岩石は「エピドサイト」と呼ばれます。

世界各地で高品質な結晶が発見されており、オーストリアのクナッペンヴァントやブラジル産の透明度の高い濃緑色結晶は、稀に宝石としてカットされることもあります。また、ウナカイトやオーストラリアン・ドラゴンブラッドストーンといった装飾石に含まれる緑色の部分は、このエピドートによるものです。

関連鉱物と等構造グループ

エピドートは、化学組成が似たいくつかの鉱物と同族のグループ(等構造グループ)を形成しています。

  • クリノゾイサイト: 鉄分をほとんど含まない種で、緑色、白色、または淡いローズレッドを呈します。
  • アラン石(Allanite): ランタン、セリウム、イットリウムなどの希土類元素(REE)を豊富に含む鉱物です。黒色から暗褐色で不透明であり、水和しやすいため、オルサイトなどの変種に分かれます。
  • ピエモンタイト(Piemontite): マンガンを多く含む種で、赤黒色の結晶として現れます。エジプトの装飾石「ポルフィド・ロッソ・アンティコ」の紫色は、この鉱物の存在によるものです。

エピドートの基本特性まとめ

エピドートの物理的・化学的特性一覧
項目 詳細内容
化学式 {Ca2}{Al2Fe}(SiO4)(Si2O7)O(OH)
結晶系 / 空間群 単斜晶系 / P 21/m
モース硬度 6 – 7
比重 3.38 – 3.49
屈折率 nα=1.715–1.751, nβ=1.725–1.784, nγ=1.734–1.797
条痕色 灰白色

Frequently Asked Questions

エピドートの名前の由来は何ですか?

ギリシャ語で「増加」や「追加」を意味する「epidosis」に由来しています。これは、プリズム状の結晶の底面において、一方の辺がもう一方よりも長いという形態的特徴を指しています。

エピドートの色が異なるのはなぜですか?

主に鉱物に含まれる鉄分の量によって決まります。鉄分が多いと暗緑色や黒色に近づき、少ない場合はピスタチオグリーンや黄緑色になります。また、鉄分が極めて少ない種はクリノゾイサイトと呼ばれます。

どのような環境で形成される鉱物ですか?

主に二次的な生成物として現れます。変成作用を受けた大理石や片岩の中で形成されるほか、火成岩に含まれる様々な鉱物が熱水によって変質することで生成されます。

宝石として利用されることはありますか?

はい。ブラジルやオーストリアのクナッペンヴァントなどで産出される、透明度の高い濃緑色の結晶は、稀に宝石としてカットされ利用されます。また、ウナカイトなどの装飾石の構成成分としても重要です。

アラン石との違いは何ですか?

アラン石はエピドートと同じ構造グループに属しますが、希土類元素(セリウムなど)を多く含んでいる点が異なります。外見上は黒色や暗褐色で不透明であり、エピドートのような明瞭な劈開がほとんど見られないという特徴があります。

References

  1. Warr, L.N. (2021). "IMA–CNMNC approved mineral symbols". Mineralogical Magazine. 85 (3): 291–320. :2021MinM...85..291W. :10.1180/mgm.2021.43.  235729616.
  2. Epidote. Handbook of Mineralogy
  3. Epidote. Mindat
  4. Epidote. Webmineral
  5. "About Epidote".
  6.  One or more of the preceding sentences incorporates text from a publication now in the :  (1911). "Epidote". In (ed.). . Vol. 9 (11th ed.). Cambridge University Press. p. 689.