空への情熱を共有し、自らの手で飛行機を造り上げる。そんな純粋な好奇心から始まったのが、ウィスコンシン州オシュコシュに本拠を置くEAA(Experimental Aircraft Association:実験航空機協会)です。世界中に30万人以上の会員を抱えるこの非営利団体は、単なる愛好家の集まりを超え、航空教育の普及と参加障壁の撤廃を目指す国際的なプラットフォームへと成長しました。
Key Facts
- 設立: 1953年、ポール・ポベレズニーによって創設
- 拠点: アメリカ合衆国ウィスコンシン州オシュコシュ
- 規模: 世界中に30万人以上の会員と約1,000の支部を展開
- 最大イベント: 世界最大級の航空祭「EAA AirVenture Oshkosh」を主催
- 主要目的: 航空への参加促進、教育提供、および自作航空機の安全性の向上
EAAの歩みと理念
EAAの原点は、1953年にポール・ポベレズニー氏らが結成した飛行クラブにあります。当時、彼らが操縦していた機体は改造機や自作機であり、法的に「EXPERIMENTAL(実験的)」というプレートの掲示が義務付けられていたことから、この名称が採用されました。当初はポベレズニー氏の自宅地下室から活動を開始しましたが、次第に規模を拡大し、1983年には現在のオシュコシュに本部とフライイン(航空機が集結するイベント)会場を統合しました。
また、情報発信にも力を入れており、初期のニュースレター『The Experimenter』は、後に会員向け雑誌『Sport Aviation』へと発展しました。2012年には再びデジタル版として『The Experimenter』を復活させるなど、時代に合わせたメディア展開を行っています。

世界最大級の航空祭「AirVenture Oshkosh」
毎年夏に開催される「EAA AirVenture Oshkosh(通称:オシュコシュ航空ショー)」は、一般航空の世界で最も重要なイベントの一つです。ウィットマン地域空港を舞台に行われるこの祭典には、毎年1万機から1万2千機の航空機が集結し、50万人以上の観客が訪れます。開催期間中、この空港は世界で最も交通量の多い空港となります。

このイベントは地域経済にも多大な影響を与えており、2017年の推計では約1億7,000万ドル以上の経済効果をもたらしたとされています。単なる展示会ではなく、1,000近いフォーラムやワークショップが開催される学びの場としての側面も持っています。


次世代へ繋ぐ教育プログラムと安全支援
EAAは、未来のパイロットを育成するための「Young Eagles」プログラムを1992年に開始しました。これは子供たちに飛行体験を提供し、航空の世界に触れてもらう活動で、2016年までに200万人以上の若者が参加しました。歴代のチェアマンには、チャック・イェーガーやハリソン・フォードなど、航空界や文化界の著名人が名を連ねています。

また、アマチュア機製作の安全性を確保するため、専門的な支援体制を整えています。テクニカル・カウンセラーと呼ばれるボランティアが、製作中の機体を訪問して安全上の懸念点をアドバイスする制度や、不慣れな機体を操縦するパイロットをサポートするフライト・アドバイザー制度を運用し、事故の防止に努めています。
航空遺産を保存する博物館
オシュコシュの本部隣接地に位置するEAA航空博物館では、200機以上の航空機コレクションを保有しています。館内には常に90機以上の機体が展示されており、屋外の「パイオニア・エアポート」では、往年の飛行場を再現した空間に40機以上の機体が並んでいます。5月から10月にかけては、ヴィンテージ機による飛行体験も提供されています。



組織の概要と栄誉
EAAは、会長、社長、CEO、および理事会によって運営されています。現在はジャック・ペルトン氏がCEO兼会長を務めています。また、航空界への多大な貢献を称える最高栄誉として「Freedom of Flight Award」を授与しており、ニール・アームストロングやジョン・デンバーなど、歴史に名を刻む人物たちが受賞しています。

| 項目 | 詳細内容 |
|---|---|
| 設立年 | 1953年 |
| 法的地位 | 501(c)(3) 非営利団体 |
| 会員数 | 300,000人以上(2024年時点) |
| 主要施設 | EAA航空博物館、ウィットマン地域空港(イベント時) |
| 主な活動 | 自作機支援、航空教育、世界最大級のフライイン開催 |
Frequently Asked Questions
EAAとはどのような組織ですか?
アメリカのウィスコンシン州に拠点を置く、航空愛好家のための国際的な非営利団体です。特に自作航空機(実験機)の製作支援や、航空教育の普及、一般航空の振興を目的として活動しています。
AirVenture Oshkoshとは何ですか?
毎年夏にオシュコシュで開催される、世界最大規模の一般航空イベントです。数多くの航空機が集結し、展示やセミナー、ワークショップが行われる航空界の祭典です。
Young Eaglesプログラムの内容を教えてください。
子供たちに無料で飛行体験を提供し、航空への興味を喚起させる教育プログラムです。これまで200万人以上の若者がこのプログラムを通じて空を体験しています。
自作航空機の安全性をどのように確保していますか?
経験豊富なボランティアによる「テクニカル・カウンセラー」制度を設けており、製作過程での技術的な助言や安全点検を無料で提供することで、安全な機体完成をサポートしています。
EAA航空博物館では何が見られますか?
200機を超える膨大な航空機コレクションを保有しており、その多くが展示されています。特にヴィンテージ機が集まるパイオニア・エアポートなどの見どころがあり、航空史を体感できる施設です。
References
- "Form 990: Return of Organization Exempt from Income Tax". Experimental Aircraft Association Inc. . 28 February 2018.
- "EAA Legend Tom Poberezny Dies at 75". AINonline. 25 July 2022. Retrieved 25 July 2022.
- Walsh, Amelia (23 July 2024). "EAA AirVenture Reports Attendance Boost". Flying. Retrieved 25 July 2024.
- "Join EAA". Archived from the original on 25 August 2014. Retrieved 28 September 2014.
- David Gustafson (2012). "Paul Poberezny's Three Great Accomplishments". Archived from the original on 21 August 2014. Retrieved 26 August 2019.
- "History of EAA". EAA.org. Experimental Aircraft Association. Archived from the original on 15 March 2014.
- "Experimental Aircraft Association, Inc". Wisconsin Department of Financial Institutions. Retrieved 17 August 2020.
- "EAA Aviation Museum Website - Aircraft Collection Page".
- "How Sport Aviation is prepared". Sport Aviation. March 1960.
- "EAA SPORT AVIATION MAGAZINE EXPANDING WITH MORE HOMEBUILDING AND ULTRALIGHT CONTENT | EAA". eaa.org. Retrieved 30 May 2017.
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