EAA AirVenture 2004
← ホームへ戻る

EAA(実験航空機協会)が切り拓く航空文化とアマチュア機製作の世界

🗓 2026年8月14日

空への情熱を共有し、自らの手で飛行機を造り上げる。そんな純粋な好奇心から始まったのが、ウィスコンシン州オシュコシュに本拠を置くEAA(Experimental Aircraft Association:実験航空機協会です。世界中に30万人以上の会員を抱えるこの非営利団体は、単なる愛好家の集まりを超え、航空教育の普及と参加障壁の撤廃を目指す国際的なプラットフォームへと成長しました。

Key Facts

  • 設立: 1953年、ポール・ポベレズニーによって創設
  • 拠点: アメリカ合衆国ウィスコンシン州オシュコシュ
  • 規模: 世界中に30万人以上の会員と約1,000の支部を展開
  • 最大イベント: 世界最大級の航空祭「EAA AirVenture Oshkosh」を主催
  • 主要目的: 航空への参加促進、教育提供、および自作航空機の安全性の向上

EAAの歩みと理念

EAAの原点は、1953年にポール・ポベレズニー氏らが結成した飛行クラブにあります。当時、彼らが操縦していた機体は改造機や自作機であり、法的に「EXPERIMENTAL(実験的)」というプレートの掲示が義務付けられていたことから、この名称が採用されました。当初はポベレズニー氏の自宅地下室から活動を開始しましたが、次第に規模を拡大し、1983年には現在のオシュコシュに本部とフライイン(航空機が集結するイベント)会場を統合しました。

また、情報発信にも力を入れており、初期のニュースレター『The Experimenter』は、後に会員向け雑誌『Sport Aviation』へと発展しました。2012年には再びデジタル版として『The Experimenter』を復活させるなど、時代に合わせたメディア展開を行っています。

Founder Paul Poberezny driving "Red One" at AirVenture 2010

世界最大級の航空祭「AirVenture Oshkosh

毎年夏に開催される「EAA AirVenture Oshkosh(通称:オシュコシュ航空ショー)」は、一般航空の世界で最も重要なイベントの一つです。ウィットマン地域空港を舞台に行われるこの祭典には、毎年1万機から1万2千機の航空機が集結し、50万人以上の観客が訪れます。開催期間中、この空港は世界で最も交通量の多い空港となります。

Wittman Field during the EAA AirVenture Oshkosh airshow 2011

このイベントは地域経済にも多大な影響を与えており、2017年の推計では約1億7,000万ドル以上の経済効果をもたらしたとされています。単なる展示会ではなく、1,000近いフォーラムやワークショップが開催される学びの場としての側面も持っています。

EAA AirVenture 2004
Skywriting over Oshkosh, WI during AirVenture 2008

次世代へ繋ぐ教育プログラムと安全支援

EAAは、未来のパイロットを育成するための「Young Eagles」プログラムを1992年に開始しました。これは子供たちに飛行体験を提供し、航空の世界に触れてもらう活動で、2016年までに200万人以上の若者が参加しました。歴代のチェアマンには、チャック・イェーガーやハリソン・フォードなど、航空界や文化界の著名人が名を連ねています。

A GlaStar built for Young Eagles flights

また、アマチュア機製作の安全性を確保するため、専門的な支援体制を整えています。テクニカル・カウンセラーと呼ばれるボランティアが、製作中の機体を訪問して安全上の懸念点をアドバイスする制度や、不慣れな機体を操縦するパイロットをサポートするフライト・アドバイザー制度を運用し、事故の防止に努めています。

航空遺産を保存する博物館

オシュコシュの本部隣接地に位置するEAA航空博物館では、200機以上の航空機コレクションを保有しています。館内には常に90機以上の機体が展示されており、屋外の「パイオニア・エアポート」では、往年の飛行場を再現した空間に40機以上の機体が並んでいます。5月から10月にかけては、ヴィンテージ機による飛行体験も提供されています。

EAA Aviation Museum
Eagle Hangar at the EAA Aviation Museum
EAA Air Adventure Museum sign on Interstate 41

組織の概要と栄誉

EAAは、会長、社長、CEO、および理事会によって運営されています。現在はジャック・ペルトン氏がCEO兼会長を務めています。また、航空界への多大な貢献を称える最高栄誉として「Freedom of Flight Award」を授与しており、ニール・アームストロングやジョン・デンバーなど、歴史に名を刻む人物たちが受賞しています。

Chairman and CEO Jack Pelton in 2018
EAA組織概要まとめ
項目 詳細内容
設立年 1953年
法的地位 501(c)(3) 非営利団体
会員数 300,000人以上(2024年時点)
主要施設 EAA航空博物館、ウィットマン地域空港(イベント時)
主な活動 自作機支援、航空教育、世界最大級のフライイン開催

Frequently Asked Questions

EAAとはどのような組織ですか?

アメリカのウィスコンシン州に拠点を置く、航空愛好家のための国際的な非営利団体です。特に自作航空機(実験機)の製作支援や、航空教育の普及、一般航空の振興を目的として活動しています。

AirVenture Oshkoshとは何ですか?

毎年夏にオシュコシュで開催される、世界最大規模の一般航空イベントです。数多くの航空機が集結し、展示やセミナー、ワークショップが行われる航空界の祭典です。

Young Eaglesプログラムの内容を教えてください。

子供たちに無料で飛行体験を提供し、航空への興味を喚起させる教育プログラムです。これまで200万人以上の若者がこのプログラムを通じて空を体験しています。

自作航空機の安全性をどのように確保していますか?

経験豊富なボランティアによる「テクニカル・カウンセラー」制度を設けており、製作過程での技術的な助言や安全点検を無料で提供することで、安全な機体完成をサポートしています。

EAA航空博物館では何が見られますか?

200機を超える膨大な航空機コレクションを保有しており、その多くが展示されています。特にヴィンテージ機が集まるパイオニア・エアポートなどの見どころがあり、航空史を体感できる施設です。

References

  1. "Form 990: Return of Organization Exempt from Income Tax". Experimental Aircraft Association Inc. . 28 February 2018.
  2. "EAA Legend Tom Poberezny Dies at 75". AINonline. 25 July 2022. Retrieved 25 July 2022.
  3. Walsh, Amelia (23 July 2024). "EAA AirVenture Reports Attendance Boost". Flying. Retrieved 25 July 2024.
  4. "Join EAA". Archived from the original on 25 August 2014. Retrieved 28 September 2014.
  5. David Gustafson (2012). "Paul Poberezny's Three Great Accomplishments". Archived from the original on 21 August 2014. Retrieved 26 August 2019.
  6. "History of EAA". EAA.org. Experimental Aircraft Association. Archived from the original on 15 March 2014.
  7. "Experimental Aircraft Association, Inc". Wisconsin Department of Financial Institutions. Retrieved 17 August 2020.
  8. "EAA Aviation Museum Website - Aircraft Collection Page".
  9. "How Sport Aviation is prepared". Sport Aviation. March 1960.
  10. "EAA SPORT AVIATION MAGAZINE EXPANDING WITH MORE HOMEBUILDING AND ULTRALIGHT CONTENT | EAA". eaa.org. Retrieved 30 May 2017.

📸 フォトギャラリー

EAA AirVenture 2004
Skywriting over Oshkosh, WI during AirVenture 2008
EAA Aviation Museum
Eagle Hangar at the EAA Aviation Museum
EAA Air Adventure Museum sign on Interstate 41
Wittman Field during the EAA AirVenture Oshkosh airshow 2011
A GlaStar built for Young Eagles flights
Founder Paul Poberezny driving "Red One" at AirVenture 2010
Chairman and CEO Jack Pelton in 2018