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ダンジョンズ&ドラゴンズ キャンペーン設定の歴史と多様な世界観

🗓 2026年8月16日

テーブルトークRPGの金字塔であるダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)の最大の魅力は、プレイヤーが冒険を繰り広げる「舞台」となるキャンペーン設定の多様性にあります。単なるルールの枠組みを超え、独自の歴史、神話、地理を持つこれらの世界は、ファンタジーの想像力を刺激し続けてきました。

初期の個人的なゲームから始まり、現在はビデオゲームやカードゲームとのクロスオーバーに至るまで、D&Dの世界観は時代と共に進化しています。本記事では、数多くの設定の中から特に象徴的な世界とその変遷を詳しく解説します。

Key Facts

  • 最古の設定: デイヴ・アーネソンによる「ブラックムーア」は、D&D誕生以前の1971年に構想された。
  • ホラーの金字塔: 「レイヴンロフト」はゴシックホラーを基調とし、時代と共に多様なホラージャンルを取り入れている。
  • 現代のトレンド: 「エグザンドリア」のように、配信番組(Critical Role)から公式設定へと昇格する事例が登場している。
  • 他作品との融合: 「マジック:ザ・ギャザリング」の次元(プレイン)が、PDF形式の「Plane Shift」などを経て公式に導入された。

伝説の始まりと古典的な世界観

D&Dの歴史を紐解くと、まず目に飛び込んでくるのがブラックムーア(Blackmoor)です。これは1971年にデイヴ・アーネソンが「チェインメイル」のルールを用いて個人ゲーム用に作成したもので、後のグレイホークやD&D本体よりも古い起源を持ちます。1975年にサプリメントとして出版され、後にMMRPG(大規模多人数参加型ロールプレイングゲーム)としての展開も見せました。

また、1980年代にはレイヴンロフト(Ravenloft)が登場し、D&Dに「恐怖」の要素をたらしました。トレイシー&ローラ・ヒックマン夫妻によって生み出されたこの世界は、当初はゴシックホラーに特化していましたが、2021年の『ヴァン・リヒテンのレイヴンロフト・ガイド』では、人種差別や植民地主義的な要素を排除し、より幅広いホラージャンルを内包する現代的な再構築が行われました。

現代的なアプローチと外部作品との連携

近年のD&Dは、既存のメディアとの親和性を高めることで新たな世界を提示しています。その代表例がエグザンドリア(Exandria)です。もともとは人気配信番組『Critical Role』の舞台でしたが、2020年に『ワイルドマウント探索ガイド』の発売により公式設定となりました。特にワイルドマウント大陸は、15世紀のロシアやプロイセン、13世紀のルーマニアなどの東欧文化から影響を受けており、従来のファンタジーの定石を打ち破る設計が評価されています。また、ここでは時間と空間を操る「デュナマンシー(dunamancy)」という独自の魔法体系が導入されています。

さらに、トレーディングカードゲームのマジック:ザ・ギャザリング(MtG)との連携も顕著です。ジェームズ・ワイアット主導の「Plane Shift」プロジェクトにより、アモンケットやゼニカーなどの次元がPDFで提供され、その後2018年には惑星規模の都市が舞台となる『ギルドマスターズ・ガイド・トゥ・ラヴニカ』がハードカバーで出版されました。ラヴニカはスラブ的な雰囲気を持つハイマジックの世界であり、10のギルドが支配する特異な社会構造を持っています。

多様な設定の年表と概要

D&Dでは、時代ごとに異なるコンセプトの設定がリリースされてきました。以下に主要な設定の登場時期と特徴をまとめます。

D&D 主要キャンペーン設定の変遷
登場時期 設定名 主な特徴・傾向
1970年代 ブラックムーア / グレイホーク D&Dの原点となる古典的ファンタジー
1980年代 レイヴンロフト / ドラゴンランス ゴシックホラーや叙事詩的な物語性の導入
1990年代 ダークサン / プレーンスケープ ポスト・アポカリプスや多次元宇宙などの実験的設定
2000年代 エベロン 魔法とテクノロジーが融合した「魔法産業革命」的世界観
2010年代以降 エグザンドリア / ラヴニカ 外部メディアとの連携や、多様な文化的背景の反映

その他の特筆すべき世界

他にも、ビデオゲーム『Diablo II』をベースにしたAD&D 2ndおよび3rdエディション向けの適応作品や、東洋的な世界観を持つロクガン(Rokugan)など、多岐にわたる試みがなされてきました。ロクガンは『Legend of the Five Rings』とのライセンス契約に基づき提供されていましたが、現在は権利関係により公式サポートは終了しています。

また、ジャカンドール(Jakandor)のように、特定の書籍シリーズ(AD&D: Odyssey)として展開された設定や、ペリノア(Pelinore)のように雑誌『Imagine』の連載から派生し、後に非公式モジュールとして受け継がれた例もあり、コミュニティによる世界観の維持・発展という側面も見られます。

Frequently Asked Questions

キャンペーン設定とは具体的に何を指しますか?

キャンペーン設定とは、冒険の舞台となる世界全体の「設定集」のことです。地理的な地図、歴史、宗教、政治体制、そしてその世界特有の種族や魔法のルールなどが定義されており、ゲームマスターが物語を構築するための基盤となります。

エグザンドリアが公式設定になった経緯は?

もともとはマット・マーサー氏による個人設定でしたが、配信番組『Critical Role』の爆発的な人気を受け、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社が協力を要請しました。約1年半の共同作業を経て、2020年に『ワイルドマウント探索ガイド』として正式にD&Dの公式世界に組み込まれました。

マジック:ザ・ギャザリングの世界でD&Dを遊ぶことは可能ですか?

はい、可能です。「Plane Shift」というPDFシリーズや、『ギルドマスターズ・ガイド・トゥ・ラヴニカ』、『テロスの神話的オデッセイ』などの設定ガイドを利用することで、MtGの次元を舞台にしたD&Dのセッションを楽しむことができます。

レイヴンロフトの設定は時代とともにどう変わりましたか?

初期は伝統的なゴシックホラーに重点を置いていましたが、最新の5版向けガイドでは、ホラーのジャンルを多様化させるとともに、過去の版に含まれていた不適切な差別的表現やステレオタイプを排除し、より現代的な価値観に沿った世界観へと刷新されています。

ブラックムーアはなぜ重要視されているのですか?

ブラックムーアは、D&Dというゲーム自体が誕生する前、1971年の時点で既にプレイされていた世界であるためです。D&Dの設計思想に大きな影響を与えた「原点」としての歴史的価値を持っています。

References

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