20世紀初頭のイギリスを舞台に、名門貴族クローリー家とその屋敷で働く使用人たちの複雑な人間模様を描いたダウントン・アビーは、世界中で絶大な人気を博した歴史ドラマです。単なる貴族の贅沢な暮らしを描くのではなく、社会構造の変化や家族の絆、そして身分を超えた人間ドラマが緻密に構成されています。
本作の創造主であるジュリアン・フェローズは、脚本と制作の両面で作品を牽引し、格調高い世界観を作り上げました。

Key Facts
- ジャンル: 歴史ドラマ(時代劇)
- 制作国: イギリス(ITV放送)
- 構成: 全6シリーズ(計52エピソード)および映画3作品
- 主要舞台: ハイクラー城(実在する城をロケ地に活用)
- 放送期間: 2010年9月26日から2015年12月25日まで
物語の舞台と象徴的なロケーション
物語の中心となる「ダウントン・アビー」という屋敷は、ハンプシャー州にある実在のハイクラー城で撮影されました。この壮麗な建築物が、物語に圧倒的なリアリティと気品を与えています。

また、屋敷の周辺にある村の風景や教会、その他の貴族の邸宅など、イギリス各地の歴史的な場所が巧みに組み合わされており、視聴者を当時の英国へと誘います。

登場人物:階級社会を彩る多様なキャスト
本作の最大の魅力は、屋敷の「上階(貴族)」と「下階(使用人)」という対照的な二つの世界が並行して描かれる点にあります。
クローリー家の人々
家督を継ぐロバート・クローリー卿を中心に、強い意志を持つ長女メアリーや、波乱万丈な人生を歩むエディスなど、個性の強い家族たちが登場します。特に長女メアリーは、伝統を守りつつも時代の変化に適応しようとする象徴的なキャラクターです。

また、家系を巡る複雑な相続問題から現れたマシュー・クローリーは、貴族社会に新しい風を吹き込む存在として物語に深く関わります。

屋敷を支える使用人たち
完璧な礼節を重んじる執事のカーソンや、野心と葛藤を抱える下級執事のトーマス・バロウなど、使用人たちの世界にも濃密なドラマが存在します。彼らは単なる脇役ではなく、屋敷という組織を維持するための不可欠な歯車として描かれています。


さらに、運転手として雇われながらも、やがて家族の一員となっていくトム・ブランソンのように、階級の壁を越えていく人物の存在が物語に深みを与えています。

作品の構成と展開
テレビシリーズは全6シーズンにわたって放送され、各シーズンごとに時代の転換点や家族の危機が描かれました。放送回ごとの平均視聴者数はイギリス国内で1,000万人を超える回もあり、社会現象となりました。
| シリーズ | エピソード数 | 放送開始日 | 英国平均視聴者数(百万) |
|---|---|---|---|
| シリーズ1 | 7 | 2010年9月26日 | 9.70 |
| シリーズ2 | 8 | 2011年9月18日 | 11.68 |
| シリーズ3 | 8 | 2012年9月16日 | 11.91 |
| シリーズ4 | 8 | 2013年9月22日 | 11.84 |
| シリーズ5 | 8 | 2014年9月21日 | 10.40 |
| シリーズ6 | 8 | 2015年9月20日 | 10.42 |
テレビシリーズの完結後も、物語は映画へと引き継がれました。2019年の第1作、2022年の『A New Era』、そして2025年に公開予定の『The Grand Finale』まで、クローリー家の歴史はさらに刻まれていきます。
Frequently Asked Questions
ダウントン・アビーの舞台となっている場所は実在しますか?
はい、メインのロケ地であるダウントン・アビー邸は、イギリスのハンプシャー州にある実在の「ハイクラー城」です。他にもオックスフォードシャー州のバンプトン村などが村のシーンとして使用されています。
このドラマはどのような時代設定ですか?
20世紀初頭のイギリスが舞台です。貴族社会の伝統が色濃く残っていた時代から、第一次世界大戦などの歴史的出来事を経て、社会構造が大きく変化していく過程が描かれています。
テレビシリーズが終わった後、物語はどうなりますか?
テレビシリーズの完結後、物語は映画作品として展開されました。1927年の国王夫妻の訪問を描いた作品や、1930年代のロバート卿の引退などをテーマにした作品が制作されています。
作品のクリエイターは誰ですか?
ジュリアン・フェローズが創造し、脚本を執筆しました。彼は本作以外にも『ギルデッド・エイジ』などの作品を手がけています。
References
- Milevsky (2017) p.22
"...Downton Abbey, one of the main characters is Robert Crawley, the 7th Earl of Grantham, which you will note is rank number three in nobility. His (fictitious) father would have been the 6th Earl of Grantham, his grandfather 5th, and so on." - Joseph (2016) p.31
"[M]aggie Smith plays Violet Crawley, the Dowager Countess and matriarch of the Crawley family..." "Cora, suggests to Violet's granddaughter Mary, that Mary pursue and marry the new heir..." - Fellowes et al. (2012) p. 99–111
"Mrs Isidore Levinson. Mother of the Countess of Grantham" "Martha is rich". "Even Martha's own daughter does not seem entirely comfortable around her. Cora is not exactly cowed by her mother, but..." - Fellowes (2015) p. 234
"Not only was Isobel's late husband, Reginald Crawley, a doctor, but she herself had training as a nurse." "She comes from a proud line of medical practitioners – her father, Sir John Turnbull was a surgeon". - Barkman et al. (2015) p.57
"Matthew's mother, Mrs Crawley, is an altogether contrary study in manners and respect." - Editors of LIFE (2016) p. 11
"Because Lord Grantham has no male heirs, upon his death the estate and title are set to fall to his cousin, James Crawley. However, James's son Patrick, is meant to marry Mary, which will keep the estate in Robert's family" - Irwin (2016) p. 35
"Mary's Aunt, the Lady Rosamund Painswick, obtains information on Lavinia..." - Fellowes - 2015 - p. 445
"The older sister of Robert, Rosamund, lives in London in the house she inherited from her late husband, Sir Marmaduke Painswick." - Fellowes (2011) p.12-17
"Robert the Earl of Grantham" - Fellowes et al. (2012) p.10
"Lord Grantham – Robert – ...as the 7th Earl of Grantham." "The next in line (a first cousin) was lost on the Titanic, leaving a distant, unknown, middle-class relative – Matthew Crawley – as heir" "The American heiress he married was, of course, Cora..."
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