アメリカの伝説的なシンガーであり女優でもあるドリス・デイ。彼女の音楽キャリアにおける重要な第一歩となったのが、1949年にリリースされたデビューアルバム『You're My Thrill』です。この作品は、彼女の親密で温かみのある歌声が凝縮されており、当時のリスナーに新鮮な衝撃を与えました。
本作はコロンビア記録(Columbia Records)から、当時の主流であった10インチLP盤(カタログ番号 CL-6071)および78回転のレコードセット(C-189)として同時に発売されました。スタンダードナンバーを彼女独自のスタイルで解釈したこのアルバムは、後のポップスやジャズの方向性に影響を与える作品となりました。
Key Facts
- リリース日: 1949年8月1日
- レーベル: コロンビア記録
- 形式: 10インチLPおよび78回転レコードセットとして初登場
- 主要ヒット曲: 「Bewitched, Bothered & Bewildered」がビルボードチャート9位を記録
- 音楽性: 親密でハスキーな歌声によるスタンダード曲のカバー
時代を超えて受け継がれる作品の変遷
アルバム発売後、収録曲の「Bewitched, Bothered & Bewildered」はシングルとして切り出され、1950年にビルボードチャートで9位にランクインするヒットとなりました。一部の資料では収録曲が以前にシングルとして発売されていたと記述されていますが、実際にはアルバム全8曲が本作で初めて世に出た新曲であり、シングル盤はアルバム発売後の1950年2月にリリースされたものです。
その後、本作はさまざまな形式で再編されました。1951年には45回転盤のボックスセット(B-189)として、また1955年には4曲を追加した12インチLP『Day Dreams』(CL-624)として再発売されています。さらに2004年には、Sony BMG Music Entertainmentより『Young at Heart』との2枚組CDとしてリリースされ、当時の追加曲や未収録曲を含む豪華な仕様となりました。
当時の評価と音楽的アプローチ
リリース直後から、音楽業界の批評家たちは彼女の才能を高く評価しました。1949年9月のビルボード誌のレビューでは、彼女を「偉大な歌手の一人」と称賛。特に、親密でハスキーな歌声(throaty style)が、温かく心地よいムードを演出している点や、レコードという媒体を通じて「セクシーな響き」を完璧に表現できている点が強調されました。
収録曲と共演者
アルバムには、ジョン・ラリグ率いるオーケストラや、コーラスグループのメロウメン(The Mellowmen)が参加しており、贅沢なサウンドを構築しています。
| 曲名 | 作詞・作曲 | 共演 | 演奏時間 |
|---|---|---|---|
| You're My Thrill | J.ゴーニー / S.クレア | ジョン・ラリグ&管弦楽団 | 2:56 |
| Bewitched, Bothered and Bewildered | R.ロジャース / L.ハート | メロウメン / ジョン・ラリグ&管弦楽団 | 2:43 |
| I'm Confessin' (That I Love You) | D.ドーハティ / A.J.ナイバーグ / E.レイノルズ | メロウメン / ジョン・ラリグ&管弦楽団 | 2:45 |
| Sometimes I'm Happy | V.ユーマンズ / I.シーザー | メロウメン / ジョン・ラリグ&管弦楽団 | 2:36 |
| You Go to My Head | J.F.クーツ / H.ギレスピー | ジョージ・シラヴォ&管弦楽団 | 2:52 |
| I Didn't Know What Time It Was | R.ロジャース / L.ハート | メロウメン / ジョン・ラリグ&管弦楽団 | 3:05 |
| When Your Lover Has Gone | E.A.スワン | ジョン・ラリグ&管弦楽団 | 2:58 |
| That Old Feeling | S.フェイン / L.ブラウン | ジョン・ラリグ&管弦楽団 | 3:03 |
Frequently Asked Questions
このアルバムはいつリリースされましたか?
1949年8月1日にコロンビア記録から発売されました。
ヒット曲となった曲は何ですか?
「Bewitched, Bothered & Bewildered」がシングルとしてリリースされ、1950年にビルボードチャートで9位を記録しました。
アルバムの形式はどのようなものでしたか?
当初は10インチLP盤と78回転のレコードセットとして発売され、後に45回転盤や12インチLP、CDへと形態を変えて再販されました。
当時の批評家からの反応はどうでしたか?
非常に好意的でした。特にビルボード誌は、彼女の親密でハスキーな歌声が作り出す温かいムードと、その表現力を高く評価しました。
CD版ではどのような内容になっていますか?
2004年にリリースされたCDでは、『Young at Heart』との併合盤となっており、後年の再版で追加された曲や、オリジナルアルバムにはなかったボーナストラックが含まれています。
References
- ↑ "Music | Compilation "You're My Thrill" [1949]". DorisDayTribute.com. Archived from the original on September 29, 2011. Retrieved January 13, 2012.
- ↑ Billboard, February 11, 1950, pg. 37.
- ↑ "COLUMBIA RECORDS: Numerical listing discography". 78discography.com. September 27, 2010. Retrieved January 13, 2012.
- ↑ "The Films of Doris Day - The Definitive Doris Day Discography". Dorisday.net. Archived from the original on January 23, 2012. Retrieved January 13, 2012.
- ↑ Billboard, September 17, 1949 pg. 36