北米の大学文化において、Delta Gamma(デルタ・ガンマ)、通称「DG」は、長い歴史と強い結束力を持つ著名な女性フラタニティ(ソロリティ)です。19世紀後半の創設以来、「Do Good(善をなす)」というシンプルながらも力強いモットーを掲げ、学術的な成長と社会奉仕の両立を目指してきました。
現代では、単なる学生団体にとどまらず、視覚障害者支援などの大規模な慈善活動を展開する組織として知られています。本記事では、DGの成り立ちから象徴的なシンボル、そして現代に続く活動内容までを詳しく解説します。
Key Facts
- 創設: 1873年12月25日(ミシシッピ州オックスフォードのルイス校)
- モットー: "Do Good"(善をなす)
- 象徴: 錨(アンカー)、クリーム色のバラ、ハナ人形
- 規模: 現役メンバー2万人以上、生涯メンバー25万人以上
- 主要活動: 視覚障害者支援(Service for Sight)
- 所属: 全米パンヘレニック会議(NPC)の創設メンバーの一つ
Delta Gammaの歩みと発展
Delta Gammaは、1873年にメアリー・コンフォート・レナード、エヴァ・ウェブ・ドッド、アンナ・ボイド・エリンガトンの3名によって設立されました。当時は「ソロリティ」という言葉が一般的ではなかったため、「女性フラタニティ」としてスタートしました。
初期の拡大は米国南部の女子大学が中心でしたが、ジョージ・バンタという人物の尽力により、北部や東部へと急速に普及しました。バンタ氏はPhi Delta Thetaという男性フラタニティのメンバーであり、DGで唯一の男性入会者という特異な経歴を持ちます。彼が儀式の改訂や講演を通じて多大な貢献をしたため、現在でもDGとPhi Delta Thetaの間には深い歴史的絆が残っています。
1891年には、ボストンで開催された初のインター・ソロリティ会議において、全米パンヘレニック会議(NPC)を設立した7つの憲章メンバーの一員となりました。その後、1907年までに17の大学チャプターに2,100人のメンバーを擁するまでに成長しました。
近年では、ソロリティに対するステレオタイプを打破し、女性たちが真に価値を置くものは何かを議論するためのキャンペーン「#IAmASororityWoman」を展開するなど、時代の変化に合わせた発信を行っています。

組織を象徴するシンボルと伝統
DGのアイデンティティは、視覚的なシンボルに強く反映されています。最も象徴的なのが錨(アンカー)であり、これは「希望」を意味しています。当初は単に「Hope」の頭文字である「H」が使われていましたが、1877年に現在の錨の形へと変更されました。現在のバッジは、白い盾にギリシャ文字のΔΓが刻まれ、黄金の錨にケーブルが巻き付いたデザインとなっています。
また、組織カラーとしてブロンズ、ピンク、ブルーの3色が採用されており、花はアメリカローズソサエティに登録されている「デルタ・ガンマ・ヘリテージ・クリームローズ」というクリーム色のバラが指定されています。マスコットには「ハナ人形(Hannah doll)」が用いられ、1884年から継続して発行されている会報誌『ANCHORA』がメンバー間の絆を繋いでいます。

社会貢献活動(フィランソロピー)
1951年に設立された「Delta Gamma Foundation」を通じて、DGは強力な社会貢献活動を展開しています。特に重点を置いているのがService for Sight(視覚支援サービス)であり、視覚障害を持つ人々への支援や視力保存活動に注力しています。その貢献は高く評価されており、アメリカ盲人財団から「ヘレン・ケラー慈善サービス賞」を、Prevent Blindness Americaから「バージニア・ボイス賞」をそれぞれ最初に受賞しました。
資金調達のためには、北米の各キャンパスでユニークなイベントが開催されます。代表的なのが、シンクロナイズドスイミングのパフォーマンスを競う「Anchor Splash」や、スポーツ大会である「Anchor Games」です。チャプターによってはフラッグフットボールやバレーボール大会を行うなど、地域に合わせた形式で寄付を集めています。年間で15万人分以上のボランティア時間が視覚支援に充てられています。

メンバーシップと組織構造
DGへの入会を希望する学生は、まずDGのチャプターが存在する大学に在籍している必要があります。入会経路は主に2つあり、定例の「フォーマル・リクルートメント(正式募集)」か、期間外に随時行われる「継続的オープンビディング(COB)」を通じて加入します。
組織の規模は非常に大きく、カナダと米国に151の大学チャプターを持ち、さらに米国、カナダ、英国に200以上の卒業生(アルムナイ)グループが存在します。本部はオハイオ州コロンバスに置かれています。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 創設年 | 1873年 |
| 拠点 | 北米(米国・カナダ)および英国(卒業生) |
| 現役メンバー数 | 20,000人以上 |
| 生涯メンバー数 | 250,000人以上 |
| 主要シンボル | 錨(アンカー)、クリーム色のバラ |
| 主要慈善活動 | 視覚障害者支援(Service for Sight) |
Frequently Asked Questions
Delta Gammaはどのような団体ですか?
北米を中心に活動する女性フラタニティ(ソロリティ)であり、女性同士の友情、リーダーシップの育成、そして社会奉仕を目的とした組織です。
「Service for Sight」とは具体的にどのような活動ですか?
視覚障害を持つ人々へのサポートや、視力低下を防ぐための啓発活動を行う慈善プログラムです。大学チャプターによる募金活動や、年間15万時間を超えるボランティア活動を通じて運営されています。
入会するにはどうすればよいですか?
DGのチャプターがある大学の学生であることが条件です。秋などのリクルートメント期間に申し込むか、期間外の「継続的オープンビディング(COB)」を通じて入会することが可能です。
なぜ「女性フラタニティ」と呼ばれることがあるのですか?
創設当時の1873年には「ソロリティ」という言葉がまだ普及していなかったため、伝統的に「フラタニティ(兄弟会)」という呼称が使われていました。現在でもその歴史を尊重してこの表現を用いることがあります。
錨(アンカー)にはどのような意味がありますか?
錨は古くから「希望」の象徴とされており、Delta Gammaの精神的な支柱である希望を表現しています。
References
- Carroll Lurding; Fran Becque (eds.). "Women's Organizations (D): Delta Gamma" (PDF). Almanac of Fraternities and Sororities. University of Illinois Urbana-Champaign. Retrieved December 30, 2021 – via University Library: Student Life and Culture Archives.
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- "Manual of Information" (PDF). National Panhellenic Conference (23rd ed.). January 2018. p. 21. Archived from the original (PDF) on June 18, 2018. Retrieved June 17, 2018.
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