南米のプナ(高地平原)に位置するコリダ・デ・コリは、アルゼンチンのサルタ州とチリのアントファガスタ州の国境を形成する火山山脈です。標高5,000メートルを超える複数の火山が直線状に並ぶこの地域は、地球のダイナミックな地質活動を物語る貴重な場所となっています。
Key Facts
- 地理的特徴:アルゼンチンとチリの国境線上に位置する火山群。
- 主要な山頂:セロ・ネグロ(5,579m)、セロ・コリダ・デ・コリ(約5,400m)、セロ・エスコリアルなど。
- 地質学的特性:主に安山岩や玄武岩質安山岩で構成され、断層系によってマグマの上昇が制御されている。
- 気候:極めて乾燥しており、冬場は南極に近いほどの強い冷却風が吹く過酷な環境。
- 資源:過去に硫黄の採掘が行われていた鉱山が存在する。
地質学的構造と火山の形成
この山脈は、プルオ・更新世(数百万年前から約1万年前まで)にかけて活動した中小規模の火山群で構成されています。特に「アーチバルカ・リニアメント」と呼ばれる直線的な構造線に沿って火山が配置されており、これがマグマの通り道となる断層帯として機能しました。これにより、玄武岩質の溶岩などが地表へ噴出したと考えられています。
山脈の構成としては、北北西から南南東へと延びるセロ・ネグロやセロ・コリダ・デ・コリの連なりがあり、セロ・エスコリアル付近で方向を変えてアルゼンチン側へと続いています。一部の地域では氷河活動による浸食が見られますが、アルゼンチン側では保存状態の良い溶岩流が確認でき、当時の噴火の様子を今に伝えています。

火山の噴火履歴と岩石
この地域の火山活動は、約1,500万年から2,000万年前に始まったプナの形成過程と密接に関わっています。岩石組成は主にカリウムに富む安山岩や玄武岩質安山岩であり、セロ・ネグロでは約1,200万年前および約800万年前の年代が測定されています。
特筆すべきは、セロ・エスコリアル周辺に広がるイグニンブライト(火砕流堆積岩)です。これは火柱の崩壊によって形成されたと考えられており、約105平方キロメートルにわたって蝶のような形状で広がっています。また、約120万年前には「ラ・カスアリダ・イグニンブライト」という別の噴出物も形成されました。
熱水活動と鉱物資源
コリダ・デ・コリ山脈では、火山活動後の熱水変質や噴気活動が広範囲に及んでいます。このプロセスにより地表付近に硫黄が堆積し、セロ・エスコリアルにある「ミナ・フリア」などの鉱山で採掘が行われてきました。かつてはケーブルカー(フニクラール)を用いて硫黄を運搬していた歴史があります。
また、岩石が熱水変質を受けたことで、遠くから見ると山頂が雪に覆われているように見えるという視覚的な特徴があります。現在でも、セロ・エスコリアルでは泥火山や温泉、噴気孔などの地熱活動が観察されており、地球内部のエネルギーが依然として存在していることを示しています。
極限の気候環境
標高5,000メートルを超えるこの地域は、極めて厳しい気候条件にあります。空気は非常に乾燥し、強い日射と激しい風が吹き抜けるため、潜在的な蒸発量は年間1,392ミリメートルに達します。一方で、年間の降水量はわずか35〜81ミリメートル程度と、極めて少量の雨しか降りません。
冬場の寒さは凄まじく、1976年から1977年の調査では、冬の風による冷却能力が「夏の南極に匹敵する」と報告されています。平均気温は氷点下となり、最低気温がマイナス25度を下回ることも珍しくありません。
| 項目 | 1月 | 4月 | 7月 | 10月 | 年平均/記録 |
|---|---|---|---|---|---|
| 日最高平均気温 (°C) | 5.7 | 0.3 | -6.4 | -0.1 | 0.0 |
| 日平均気温 (°C) | -0.4 | -4.2 | -9.9 | -4.9 | -4.8 |
| 日最低平均気温 (°C) | -6.5 | -8.6 | -13.3 | -9.7 | -9.5 |
| 平均降水量 (mm) | 1.5 | 0.5 | 1.3 | 0.7 | 21.1 |
Frequently Asked Questions
コリダ・デ・コリ山脈はどこにありますか?
南米のプナ地域に位置し、アルゼンチンのサルタ州とチリのアントファガスタ州の国境線上にまたがって存在しています。
この地域の山々が白く見えるのはなぜですか?
実際には雪ではなく、熱水変質や噴気活動によって岩石が変色しているためです。これにより、遠くから見ると雪山のように見えます。
どのような鉱物が採掘されていましたか?
主に硫黄が採掘されていました。セロ・エスコリアルのミナ・フリアなどの鉱山で活動が行われていましたが、現在は閉山しています。
気候的な特徴は何ですか?
極度の乾燥と強風が特徴です。年間の降水量が非常に少なく、冬場は南極に匹敵するほどの厳しい寒さと風にさらされる過酷な環境です。
地質学的にどのような意味がある場所ですか?
アーチバルカ・リニアメントという構造線に沿って火山が並んでおり、断層系がマグマの噴出をどのように制御しているかを研究する上で重要な地域です。
References
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