"World famous cocoanut grove" at the Ambassador Hotel, Los Angeles, California in the 1930s (Tichnor Bros. postcard)
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ココナッツ・グローブハリウッド黄金時代を彩った伝説のナイトクラブ

🗓 2026年8月16日

かつてロサンゼルスのウィルシャー通りに、世界中のセレブリティや社交界の名士たちが集う究極の社交場がありました。アンバサダーホテル内に併設されていたココナッツ・グローブは、単なるナイトクラブの枠を超え、華やかなハリウッド文化の象徴として君臨した場所です。1921年のオープンから1989年の閉館まで、この場所は時代ごとの流行を映し出し、数多くのスターたちの運命を変えてきました。

当初、ホテルには「ジニア・グリル」というクラブがありましたが、夜の娯楽への需要が爆発的に高まったため、メインボールルームを改装して誕生したのがココナッツ・グローブでした。1,000人を収容できる階段状の座席を備え、特等席のボックス席は年間契約で予約されるほどの人気を博しました。

Ambassador Hotel entrance gate in 1959

Key Facts

  • 所在地:ロサンゼルス、ウィルシャー通りのアンバサダーホテル
  • 営業期間:1921年4月21日 〜 1989年(ホテル建物は2006年に解体)
  • 特徴:エキゾチックな装飾と、社交界と映画界を融合させた独自の文化
  • 主要イベント:初期のアカデミー賞授賞式(計5回)の会場として使用
  • 著名な出演者:フランク・シナトラ、ビング・クロスビー、ダイアナ・ロスなど

幻想的な空間演出とエキゾチックな装飾

ココナッツ・グローブの最大の魅力は、世界各地のスタイルをミックスした贅沢で幻想的なインテリアにありました。金箔が施されヤシの木が刻まれたエントランスから足を踏み入れると、そこにはムーア様式のアーチや、光り輝く月と滝が描かれたトロピカルな壁画が広がっていました。

特に印象的だったのが、映画『シェイク』のセットから転用されたパピエ・マシェ(紙粘土)製のヤシの木と、その間に吊るされた中国提灯です。天井には当時の流行であった「アトモスフェリック・シアター」風の星空が再現され、木々の中には琥珀色の目を光らせる等身大の機械仕掛けの猿が配置されていました。この猿のモチーフは後にクラブのロゴとなり、ジョン・バリーモアが本物のペットの猿を連れて訪れたという逸話も残っています。

"World famous cocoanut grove" at the Ambassador Hotel, Los Angeles, California in the 1930s (Tichnor Bros. postcard)

スターたちの「遊び場」としての役割

このクラブは、富裕層が集まるハンコックパークに近かったことから、上流階級のデビュタント・ボール(社交界デビューの舞踏会)などの会場として利用されました。同時に、映画産業の台頭とともに、伝統的な社交界と新興のショービジネスの世界を繋ぐ架け橋となりました。

プライバシーが厳格に守られ、許可のないカメラが禁止されていたため、スターたちは安心して贅沢な夜を過ごすことができました。マリオン・デイヴィスが衣装パーティーに向かうためにロビーを白馬で駆け抜けたというエピソードは、当時の奔放な雰囲気を物語っています。また、1930年から5回にわたりアカデミー賞の会場となったほか、『ア・スター・イズ・ボーン』などの映画撮影地としても重宝されました。

Ambassador Hotel Cocoanut Grove interior in 1965

音楽の殿堂と時代の変遷

音楽面では、全米放送のラジオ番組の拠点となり、多くのミュージシャンにとって成功への登竜門となりました。ビング・クロスビーはここでの活動を通じて見出され、後にフランク・シナトラやペギー・リー、ナット・キング・コールといった巨星たちがステージに立ちました。また、ハリー・ベラフォンテを初めて起用した主要クラブとしても知られています。

1960年代に入ると、レイ・チャールズやダイアナ・ロス&ザ・スプリームスなど、現代的なアーティストを招聘して変化を模索しました。1970年にはサミー・デイヴィス・Jr.の助言を得て、ラスベガス風のショールーム「ザ・ナウ・グローブ」へと大胆に改装されましたが、運営コストが収益を上回り、短期間で閉鎖。その後、再び「ココナッツ・グローブ」の名に戻り、よりコストを抑えた出演者を中心に営業を続けました。

しかし、時代の変化とともに周辺地域の治安が悪化し、1970年代から80年代にかけては、貸切パーティーや映画撮影などの限定的な利用に留まるようになりました。1989年に正式に閉館し、2006年にホテル建物が解体されるまで、その伝説的な空間は映画のロケ地として生き続けました。

ココナッツ・グローブの概要まとめ

ココナッツ・グローブの歴史的概要
項目 詳細
設立年 1921年
コンセプト 世界各国のエキゾチックな装飾を融合させた空間
主な顧客層 ハリウッドスター、社交界の名士、軍人(戦時中)
象徴的な演出 機械仕掛けの猿、星空の天井、パピエ・マシェのヤシの木
歴史的意義 社交界とエンターテインメント業界の融合を促進

Frequently Asked Questions

ココナッツ・グローブはどこにありましたか?

ロサンゼルスのウィルシャー通りにあるアンバサダーホテルの中に位置していました。

どのような装飾が特徴的でしたか?

金箔の扉、ムーア様式のアーチ、星空の天井、そして映画セットから転用されたヤシの木や機械仕掛けの猿など、世界中のエキゾチックな要素が組み合わされていました。

どのような有名人が訪れましたか?

チャールズ・チャップリンやルイス・B・メイヤーなどの映画スタジオ幹部から、フランク・シナトラ、バーブラ・ストライサンド、ダイアナ・ロスなどの音楽スターまで、多岐にわたる著名人が集まりました。

なぜ閉館することになったのですか?

人々の好みの変化に加え、ホテル周辺の地域でギャングや薬物問題などの治安悪化が進んだことが大きな要因となりました。

映画との関わりはありましたか?

多くの映画のロケ地として使用されたほか、『ア・スター・イズ・ボーン』の撮影が行われたり、1936年にはアニメーション作品でパロディにされたりするなど、映画界と深い繋がりがありました。

References

  1. Burke 1980, p. 63
  2. Geary 2016, p. 35
  3. Heimann 1985, p. 35
  4. Burke 1980, p. 39
  5. Heimann 1985, p. 35
  6. Heimann 1985, p. 35
  7. Geary 2016, p. 36
  8. Burke 1980, p. 39
  9. Alleman 1985, p. 98
  10. Burke 1980, p. 48

📸 フォトギャラリー

"World famous cocoanut grove" at the Ambassador Hotel, Los Angeles, California in the 1930s (Tichnor Bros. postcard)
Ambassador Hotel Cocoanut Grove interior in 1965
Ambassador Hotel entrance gate in 1959