City Hall in Court House square ('Old Chicago Courthouse') in 1866, destroyed in the Great Chicago Fire of 1871
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シカゴ市庁舎・郡庁舎歴史と権威が息づくネオクラシカル建築の象徴

🗓 2026年8月8日

アメリカ・イリノイ州シカゴの中心部に位置するシカゴ市庁舎・郡庁舎(City Hall–County Building)は、単なる行政施設ではなく、都市の権威と歴史を体現する建築的ランドマークです。12階建てのこの壮大な建物は、シカゴ市とクック郡という二つの政府機関が共用しており、地域の政治的中心地として機能しています。

建物の西側(ラサール通り側)には市長室や市議会、市財務局などの市役所機能が集約され、東側(クラーク通り側)にはクック郡の委員会室を含む郡政府のオフィスが配置されています。この構造により、一つの街区の中で市と郡の行政が密接に連携する体制となっています。

主要な事実(Key Facts)

  • 建築様式: 古典主義復興(ネオクラシカル)様式
  • 設計: 有名建築事務所 Holabird & Roche による設計
  • 完成年: 郡庁舎側は1908年、市庁舎側は1911年に完成
  • 構造的特徴: 高さ約35メートルの巨大なコリント式柱が外観を特徴づける
  • 環境への取り組み: 屋上に大規模なグリーンルーフ(屋上庭園)を設置
  • 歴史的価値: ウェストループ・ラサール通り歴史地区の構成資産として認定

変遷する市庁舎の歴史

現在の建物は、シカゴがこれまでに使用してきた市庁舎の7番目にあたります。1837年の設立当初は賃貸スペースを利用していましたが、その後、市場ホールや専用の庁舎へと移り変わりました。特に1853年に建設された市庁舎兼郡裁判所は、1865年に暗殺されたエイブラハム・リンカーン大統領の遺体が安置された場所としても知られています。

City Hall in Court House square ('Old Chicago Courthouse') in 1866, destroyed in the Great Chicago Fire of 1871

しかし、1871年のシカゴ大火により、当時の庁舎は完全に焼失しました。その後、急造の庁舎を経て、1885年にはフランス・アンピール様式の建物が現在の地に建設されましたが、都市の急成長に伴いすぐに手狭となりました。

The 6th city hall building (1886–1905) in the French Empire style was quickly outgrown

Holabird & Rocheによる再建

20世紀初頭、市と郡は共同で設計コンペを実施し、満場一致でHolabird & Roche社が選出されました。建設は段階的に行われ、まず1908年に東側の郡庁舎が完成し、次いで1911年に西側の市庁舎が完成しました。設計上の工夫として、後から建設される市庁舎側とスムーズに連結できるよう、郡庁舎の西壁にあらかじめ鋼材の接続部が設けられていました。

Holabird & Roche-designed building shortly before construction was completed in 1911

完成した建物は、高さ約35メートル、幅約2.7メートルの巨大なウッドベリー花崗岩製のコリント式柱によって支えられており、その規模は全米でも最大級です。外壁には総重量約1,360万キログラムに及ぶ膨大な花崗岩が使用され、1階ロビーには贅沢にボッティチーノ大理石が敷き詰められています。

The City Hall-County Building and the Chicago Picasso as seen from Daley Plaza (2006)

建築的特徴と現代的な機能

建物の入り口には、市の主要な関心事(遊び場、学校、公園、水道)を象徴するジョン・フラナガン作のレリーフが飾られており、市民生活への貢献を視覚的に表現しています。また、内部は1967年から大規模なリノベーションが行われ、現代的なオフィス環境へと整備されました。

特筆すべきは、2001年に導入されたグリーンルーフ(屋上庭園)です。約3,600平方メートルの面積を持つこの庭園は、都市のヒートアイランド現象の緩和や雨水流出の抑制を目的とした試験的プロジェクトとして開始されました。150種以上の植物が植えられており、ここでは毎年約90キログラムの蜂蜜が採取されるなど、都市における生態系回復のモデルケースとなっています。

また、政治的な文脈では、市長室がある「5階(The Fifth Floor)」という言葉が、シカゴにおける市長の権力や政治的影響力を指す代名詞として使われることがあります。

"The Fifth Floor", John Kerry leaving the mayor's office (2016)

基本データまとめ

シカゴ市庁舎・郡庁舎 概要
項目 詳細
階数 / 総面積 12階 / 約707,000平方フィート
高さ 約66メートル(218フィート)
主要素材 ウッドベリー花崗岩、ボッティチーノ大理石
主要施設 市長室、市議会、クック郡委員会室
特記事項 2002年 ASLAメリットデザイン賞(屋上庭園)

映画などのメディアへの登場

その威厳ある外観と内部構造から、多くの映画の舞台にもなっています。1980年のコメディ映画『ブルース・ブラザース』では、主人公たちが税金の支払い期限に間に合わせようと駆け込むクライマックスシーンに登場しました。また、1993年の映画『逃亡者』では、緊迫した追跡劇が展開される階段やロビーのシーンで活用されています。

よくある質問(FAQ)

この建物にはどのような機関が入っていますか?

主にシカゴ市長室、市議会、市事務局、市財務局などの市役所機能と、クック郡の委員会室を含む郡政府のオフィスが入居しています。

「5階」という言葉にはどのような意味がありますか?

市長室が5階にあるため、シカゴの政治において「5階」という言葉は、市長の権限や政治的な意思決定の場を指す比喩として用いられます。

屋上の庭園は一般に見学できますか?

通常、一般公開はされていませんが、特別な手配があればツアーが可能です。周囲の33棟の高層ビルからは視認することができます。

建築上の最大の特徴は何ですか?

外観を彩る巨大なコリント式柱です。高さ約35メートルに及び、中空構造のセグメントを組み合わせて構築されており、圧倒的なスケール感を誇ります。

過去に火災などの被害はありましたか?

1871年のシカゴ大火で前身の建物が焼失したほか、現在の建物でも1957年に火災が発生し、当時のイタリア・ルネサンス様式の市議会会議場が破壊されました。その後、1958年に現代的なスタイルで再建されました。

References

  1. "Weekly List of Actions Taken on Properties: 6/03/13 Through 6/07/13". . June 14, 2013. Archived from the original on November 26, 2015. Retrieved January 27, 2018.
  2. "City Hall-County Building". City of Chicago – Chicago Landmarks. Retrieved December 10, 2023.
  3. "Green Roofs on Historic Buildings: City Hall, Chicago, Illinois (U.S. National Park Service)". www.nps.gov. Retrieved December 10, 2023.
  4. "Contact Us". www.chicago.gov. Retrieved February 9, 2024.
  5. "Office of the Mayor". www.chicago.gov. Retrieved December 10, 2023.
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  8. "Cook County Facilities – County Building". cookcountyil.gov. Retrieved February 8, 2024.
  9. "Secretary to the Board of Commissioners". www.cookcountyil.gov. December 12, 2023. Retrieved December 10, 2023.
  10. "9. First floor plan, published in 'Architectural Record', Vol 31, No. 4, April 1912, p 356, courtesy of the Art Institute of Chicago – Chicago City Hall, 121 North LaSalle Street, Chicago, Cook County, IL". Library of Congress, Washington, D.C. 20540 USA. Retrieved December 10, 2023.

📸 フォトギャラリー

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