Annals of Internal Medicine:内科領域を牽引する世界最高峰の医学雑誌
現代の医学において、信頼性の高いエビデンスに基づいた意思決定は不可欠です。その中心的な役割を担っているのが、米国医師会(ACP)が発行するAnnals of Internal Medicineです。本誌は内科学およびその専門分科における世界で最も影響力のある学術誌の一つとして知られ、臨床現場から公衆衛生、医療政策に至るまで、幅広い知見を提供し続けています。
Key Facts
- 発行元:米国医師会(American College of Physicians / ACP)
- 創刊:1927年
- インパクトファクター:15.3(2024年時点)で内科学誌として最高水準
- 発行頻度:オンライン版は毎週、冊子版は毎月第3火曜日に発行
- 主な内容:原著論文、レビュー、診療ガイドライン、医療倫理、個人のナラティブなど
学術的価値と編集方針
Annals of Internal Medicineは、単なる研究結果の報告にとどまらず、医療の「芸術」とも言える側面を重視しています。臨床実践に直結するガイドラインやレビューはもちろん、医師の視点から綴られたパーソナル・ナラティブ(個人の体験談)を掲載することで、医学の人間的な側面を伝えています。
また、ハイブリッド形式のオープンアクセスを採用しており、特に患者向けのコンテンツや臨床ガイドラインなどの重要な情報は、誰でも自由に閲覧できるよう公開されています。これにより、専門医だけでなく、幅広い医療従事者や患者への情報普及に寄与しています。
歴史と変遷
1927年の創刊以来、本誌は内科学の発展と共に歩んできました。かつては「Annals of Clinical Medicine」という名称でしたが、ACPが直接的な発行権を持つことで現在の名称へと変更されました。また、2008年には隔月刊だった「ACP Journal Club」を統合し、月刊の特集として組み込むことで、より包括的な情報提供体制を整えています。
編集上の大きな転換点となったのは、J. Russell Elkington編集長による査読制度(ピアレビュー)の導入です。この厳格な審査プロセスにより、掲載される論文の科学的妥当性と信頼性が担保されるようになりました。現在はChristine Laine医師が編集長を務めています。
社会に影響を与えた主要な論文
本誌は、時に社会的な議論を巻き起こす重要な研究を掲載してきました。以下は、公衆衛生や医療の常識に影響を与えた代表的な事例です。
- ワクチンと自閉症の関係:デンマークのStatens Serum Institutによる大規模コホート研究により、MMRワクチンが自閉症のリスクを高めないことが示されました。また、乳幼児期のアルミニウム吸着ワクチンと神経発達障害などの関連性がないとする研究も発表されています。
- COVID-19とマスクの効果:2020年のDANMASK-19試験では、マスク着用が一般的でない環境において、サージカルマスクの着用が感染率を大幅に下げないという結果が報告されました。
- 銃器暴力への警鐘:2018年、発行元のACPは銃器暴力を「公衆衛生上の危機」と定義するポジションペーパーを掲載しました。これに対し全米ライフル協会(NRA)が反発しましたが、多くの医師が「#ThisIsOurLane(これこそが我々の領域だ)」というハッシュタグを用いて、銃器問題が医学的課題であることを主張しました。
- 感染症の監視:CDCの研究者による、米国におけるカンジダ・アウリス(Candida auris)の疫学変化に関する詳細なデータが報告されています。
誌面概要まとめ
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 分野 | 内科学(Internal Medicine) |
| 言語 | 英語 |
| ISSN | 0003-4819 (印刷版) / 1539-3704 (ウェブ版) |
| 主要インデックス | PubMed, Scopus, Science Citation Index, Embase など |
| 現在の編集長 | Christine Laine, MD, MPH, FACP |
Frequently Asked Questions
インパクトファクターはどの程度の水準ですか?
2024年のデータでは15.3となっており、内科学分野の専門誌の中で最も頻繁に引用される、極めて影響力の強い雑誌として位置づけられています。
どのような種類の論文が掲載されますか?
オリジナルの研究論文をはじめ、レビュー記事、診療ガイドライン、解説、医療教育、倫理、研究手法に関する論文、さらには医学の芸術性を伝える個人の物語などが幅広く掲載されます。
誰でも無料で記事を読むことができますか?
ハイブリッド形式を採用しており、すべての記事が無料ではありませんが、臨床ガイドラインや患者向けコンテンツなど、一部の重要な記事はオープンアクセスとして無料で提供されています。
どのようなデータベースで検索可能ですか?
MEDLINE/PubMed、Scopus、Embase、Science Citation Indexなど、主要な医学・科学データベースのほとんどにインデックスされており、容易に検索可能です。
発行頻度はどうなっていますか?
最新のコンテンツはオンラインで毎週更新されており、物理的な冊子版は毎月第3火曜日に発行されています。