Map of the volcanic arcs in the Andes and subducted structures affecting volcanism
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アンデス火山帯沈み込み帯ナスカプレート火山ギャップ南米地質

アンデス火山帯の構造と地質学的特徴

🗓 2026年8月12日

南米大陸の西縁に沿って、コロンビアからチリ、アルゼンチンにいたる広大な地域に展開するのがアンデス火山帯です。この火山帯は、海洋プレートであるナスカプレートおよび南極プレートが南米プレートの下に沈み込むことで形成されており、世界的に見ても極めて多様な火山活動の様相を呈しています。

この地域では、火山の形態や噴出物の組成、活動スタイルが場所によって大きく異なります。これは単に所属する火山帯の違いだけでなく、地殻の厚さやマグマが上昇する経路、地殻物質の混入量といった複雑な地質学的要因が影響しているためです。

Map of the volcanic arcs in the Andes and subducted structures affecting volcanism

Key Facts

  • 形成要因:ナスカプレートと南極プレートの沈み込みによる大陸火山弧。
  • 構成:北、中央、南、オーストラルの4つの主要な火山帯に分かれている。
  • 火山ギャップ:火山帯の間には、プレートの沈み込み角度が浅いことで火山活動が消失した「ギャップ」が存在する。
  • 地殻の多様性:地殻の厚さは約40kmから最大70kmにまで及び、マグマの挙動に影響を与えている。
  • 地熱資源:温泉や間欠泉が豊富に存在し、古くから利用されている。

4つの主要な火山帯

北火山帯 (NVZ)

コロンビアからエクアドルにかけて広がるこのエリアでは、ナスカプレートの沈み込みによって火山弧が形成されています。エクアドルには55、コロンビアには19の火山が確認されており、特に人口密集地に位置するネバド・デル・ルイスやガレラスなどの火山は、重大な災害リスクを抱えています。この地域の地殻の厚さは約40kmから55km以上と推定されています。

中央火山帯 (CVZ)

ペルーからチリにまたがる中央火山帯は、アルティプラノ高原の西端を形成しています。ここでは地殻が非常に厚く、最大で約70kmに達するのが特徴です。44の主要な活動的火山センターと18の小規模なセンターが存在し、アルティプラノ=プナ火山複合体などの巨大な珪長質火山システムも含まれています。

南火山帯 (SVZ)

チリのサンティアゴ付近(南緯33度)からアイセン州のセロ・アレナレス(南緯46度)まで、1,400km以上にわたって延びる帯状の地域です。この帯は地殻の特性や岩石の種類に基づき、さらに北・移行・中央・南の4つのセグメントに細分化されます。特に中央および南セグメントでは、リキニェ=オフキ断層がマグマの上昇経路として重要な役割を果たしています。

オーストラル火山帯 (AVZ)

パタゴニア火山ギャップの南側からティエラ・デル・フエゴ諸島まで展開するこの地域は、南極プレートの沈み込みによって形成されています。噴出物は主にアルカリ玄武岩やバサナイトで構成されており、他の火山帯に比べて活動は穏やかです。氷河に覆われた成層火山や、南パタゴニア氷原の下に隠れた氷下火山が存在します。

火山活動を遮断する「火山ギャップ」

アンデス火山帯の最大の特徴の一つは、火山活動が見られない空白地帯である火山ギャップが点在していることです。主なギャップは以下の3つです。

アンデスの主要な火山ギャップ
ギャップ名称 位置(緯度) 原因 分離している火山帯
ペルー・ギャップ 南緯3°~15° ナスカ海嶺などの沈み込みによる低角度(フラットスラブ)沈み込み 北火山帯 ↔ 中央火山帯
パンパ・ギャップ 南緯27°~33° フアン・フェルナンデス海嶺の沈み込みによる低角度沈み込み 中央火山帯 ↔ 南火山帯
パタゴニア・ギャップ 南緯46°~49° チリ海嶺(プレート境界)の沈み込み 南火山帯 ↔ オーストラル火山帯

マグマの経路と地質学的メカニズム

一般的に、マグマは地域的な最大応力方向に沿って上昇すると考えられていますが、アンデス火山帯では異なる傾向が見られます。最新の研究によれば、マグマの経路は東西方向の応力ではなく、南北または北西ー南東方向のトレンドに従っています。これは、地域的な応力よりも、地殻に元から存在する構造的な弱線や断層が優先的に利用されているためと考えられています。

背弧火山活動と地熱

プレートの沈み込み帯の背後(内陸側)でも火山活動が見られる「背弧火山活動」が、アルゼンチンのパタゴニアやメンドーサ州で確認されています。また、この広大な火山帯は巨大な地熱地帯でもあり、古くから治療目的で利用されてきた温泉や、エル・タティオのような間欠泉が点在しています。

Frequently Asked Questions

アンデス火山帯はなぜ4つのゾーンに分かれているのですか?

プレートの沈み込み角度や沈み込む海嶺の有無などの地質学的条件が場所によって異なるためです。これにより、火山活動が活発なゾーンと、活動が停止した「火山ギャップ」が交互に現れる構造になっています。

「フラットスラブ」とは何ですか?

通常、海洋プレートは急な角度でマントルへ沈み込みますが、海嶺などの浮力の強い構造物が沈み込むと、プレートが浅い角度で水平に近い状態で移動することがあります。これをフラットスラブと呼び、この状態ではマグマが発生しにくいため、地表の火山活動が停止します。

マグマはどのようにして地表まで上昇しますか?

地域的な応力方向よりも、地殻にある既存の断層や構造的な弱点(弱線)に沿って上昇する傾向があります。例えば、南火山帯ではリキニェ=オフキ断層が主要な経路となっています。

アンデス火山帯で最も危険な火山はどこですか?

北火山帯に位置するネバド・デル・ルイスやガレラスなどは、人口密度の高い高地付近に位置しているため、噴火時のリスクが非常に高い火山として警戒されています。

オーストラル火山帯の特徴は何ですか?

南極プレートの沈み込みによって形成されており、噴出物がアルカリ玄武岩主体であることや、氷河の下に火山が存在する氷下火山があることが特徴です。

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